54/88
アブ
アブ、男、魔術師。
あー、魂ノ宮魂魄なんて名前も、あった気がする。
まあた、面倒なことに巻き込まれた感じだ。この動かされる感じは、以前にブルーが俺らを巻き込んで起こした事件に似ている。まあだからといって、それを嫌だとは感じなかったし、目の前の仕事をとりあえず片付けるのが狩人ってもんだ。
とはいえ、投げられた仕事の難易度が低すぎて、退屈だったのは事実だ。もっとも、まさか俺を〝火〟として使うなんて考えは、まるっきり想像すらしてなかったから驚いた。
ベルは野雨に残るみたいだったが、俺は国外に飛んだ。あえて言うなら、この国が怖くなったからだ。まあほかの連中だって似たようなもんだろう、俺みたいに言いはしないだろうけどな。
どうせまた、俺はこっちに戻ってくる。せいぜいその時のために、真面目に狩人の仕事ってのをやってやるさ。




