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ベル
ベル、男、魔術師。
鷺ノ宮事件の直前に、俺たちは各地の錠戒を潰して回っていた。教皇庁魔術省が各地に置いた魔術師の監視部署みたいなものだが、そもそも信仰心の薄い日本においては、あまり効果的ではない部類のもので、けれど俺たちの施設のメイン出資ともなれば、飼い主に噛みついておくのは、俺たちの流儀みたいなものだ。
とはいえ、その前に狩人認定試験も終えていて、錠戒潰しなんぞパーティの最中に行われるお披露目のダンスみたいなものでしかない。
そんな俺がどうして鷺ノ宮の件に気付いたのか、という点については、話さずにおく。
ただ、俺が花ノ宮鈴蘭という名前を持っていたことも、一因だ。




