放棄
家に着き一人で悩みこんだ。何故だろう、世の中にはもっと沢山本当はみんなと話したいのに話せないってやつがいる中、本当は一人でいたい僕を一人にしてくれない。このまま静かに、誰とも関わることなく、ずっと過ごしていたかった。それなのに、何故こうも一人にしてくれない。
そもそも元凶は彼女のせいだ。いきなり陣地に飛び込んできていきなり僕の陣地を荒らし始めた。どんな武器を揃えて攻撃しても更にその上をいき、周りまで味方につけ、僕を一斉に攻撃する。このままではずっと彼女につきまとわれてしまうんじゃ。いや下手したら付き合おうなんて事にも発展しかねない。いやいやもちろん僕はモテたり誰かに好かれた事なんてない。自意識過剰なんかではない、今までの僕の作戦が、ぬるかったんだ。僕の意識がぬるかったんだ。もっともっと最悪の事態を想定して動かなかったからこんな風になってしまったんだ。だから今度はミスのないように最悪の事態を想定しよう。
さて、そうならない為にはどうすればいいか。とは言うものの僕は学生だ。卒業してしまえば自然と離れ離れにれなるだろう…。
って!そこまでさすがに待っていられない!!それまでこの苦痛に耐えなければならないのか!社会に出てしまえば嫌でも会社の人間と関わりを持たなければいけない、どれだけ関わりをなくそうとしてもそこはどうしようもない部分なのは僕にも理解できている!つまり、このぼっち人生を最高に堪能できるのは今が一番なのだ!今が一番旬なのだ!天下をとるなら今!
とは言ってもどう彼女を追い払うか。教師まで味方につけ、クラスメイトもこのままでは彼女の軍につき、一斉に僕を攻めてくるだろう。ダメだ、今は勝てる気がしない…。このまま白旗をふるしかないのか…。
朝が来た。憂鬱だ。いや、行きたくない。今日は休もう。
親には熱があると言った。もちろん嘘だ。布団の中で48度まで体温計をこすったのは言うまでもない。これで今日1日は何事もなく過ごせるだろう。僕はあくまでぼっちなのが好きなだけだ。ぼっちで誰とも関わらず、かつ人間観察をしたりしているのが好きだし、太陽の光も好きだ、体を動かすのも嫌いじゃない。だからあくまでこんな風に引きこもりがしたいわけじゃない。でも今のままではのうするしかなかった。いや、このままもう何日もこのまま引きこもってしまうのもありかもしれない。そして熱が冷めた頃に学校へ行けばまた誰も話しかけてこない日常へ…戻らないな。やつがまた話しかけてくるに違いない。人と話すのは苦痛だ。本当に。