作戦会議
家に着いてのんびり…というわけもなく、まずは明日の作戦を考えなければならない。このままだと僕はぼっちから転校生の手に寄ってみんなと話せるようになった青春ストーリーの主人公だ!
そんなのは御免だ!そもそも僕は違うと思う!みんなそんなストーリーが感動的で明るくて幸せなような観念を植え付けられているが、それが絶対ではない!みんながみんなぼっちのやつが心の中で本当はみんなと話したいと思っているわけではないのだ!もちろんそういうぼっちもいるだろう、人と話すのが苦手、過去のトラウマ、みんなと話が合わない…などなど。しかし!僕は別に話すのが苦手というわけでもなければ過去にトラウマもないしそれなりに人と合わせられる話も持っている!だが面倒だから話したくないんだ!
本当はみんなと話したい…でも…。
なんて考えは微塵もない!その世の中の考えというか観念は本当になくなってほしい。いつもみんなといないと落ち着かないってやつがいるように、一人でいないと落ち着かない人間もいるのだ。
と…脱線してしまった。彼女はきっと僕が本当はみんなと…などそんな風に思っているんだろう。ハッキリ伝えなければ。いや、でもああいう奴の脳内は青春ストーリーでいっぱいなはず。それすら強がりと思われるだろう。ならば学校を休もう!それなら何も問題はない!いや、この先卒業まで休まなければいけなくなるな…。ならば無視!常に無視!何を言われても無視!それならさすがに話しかけてこないだろう。いーやそれは待て待て、僕も人の子だ、優しさのかけら位は持っている!女子相手にそれはどうなんだろうか!いや、この際そんな優しさなど捨ててしまえばいい!しかし彼女はあんな風に積極的に話しかけてくる、教室内でももちろんそうだろう。それを思いっきりシカトしているのを見られたら正義感ぶったやつらが、何シカトしてんだよなんてつっかかってくる可能性も考えられる!そんな面倒は一番嫌だ!ぼっちでいたい理由はそういう面倒な事が嫌いだからなのに、そうなってしまえばゲームオーバー!
ダメだ…作戦が思いつかない。いや、とうぶん今日みたいにそっけない態度をとっていれば諦めるだろう。もう対人について考える事に疲れた。だからぼっちが楽なんだ。ゲームしよう。一人を堪能しよう。