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終わりの始まり  作者:
2/5

私が学校に住み始めてから数日が経った。


なんだかその頃からプールにお化けが出るって噂が広まって人が寄り付かなくなった。


だから私は暇で暇でしょうがない。


というか私(お化け)がここに来る人を片っ端からおどかしたのが悪いんだけど。

『暇だなー‥‥』


なんとなく声に出してみる。


出るわけないけど。


もう死んでるし。


『ふぁーあ。』


誰かに見えるわけでもないので大口を開けて欠伸をした。


本当に暇。


暇で暇で死んじゃいそう。

もう死んじゃってるけどね。


私は心の中で苦笑した。




その日も私は暇を持て遊んでいた。


『ふぁーあ。』


やっぱり眠い。


死んじゃったのになんでだろう。


そんなことを考えながら浮かんでた。


キィー‥‥


フェンスの一ヶ所に設置されている扉が耳ざわりな音をたてて開いた。


なんとなくそちらに目を向ける。


どうせ用務員のじじいだろう。


暇潰し位にはなるかな。


そう思って音のした方に向きなおった。

そこには男の子が立っていた。


短めに切ってある黒髪に茶色っぽい目、顔は結構整っている。


一言で言えば美人だ。


美形じゃなく。


なんか綺麗な感じ。


私は数秒その男の子を見ていた。


多分私と同じ位の年だ。


‥‥ん?けどこんな生徒いたっけか。


一応私は先日までここの生徒だった。


けどこんな子知らない。


こんな美人だったら覚えててもおかしくないのに‥‥

そんなことを考えているとふとこっちを見た。


するといきなり


ガシャン!


驚いたようにフェンスのところまであとずさった。


『なななっ‥‥』


なんか言ってる。


こっちを見て。



こっちを見て?


『お、おまえ‥‥』


男の子は『おまえ』って言った。


けど此処には私しかいない。


ということは‥‥


『もしかしてあんた、私が見えるの!?』




これから楽しくなりそう。

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