表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ゲーム

作者: 杏仁豆腐

高校生で普通に暮らしてればいい。

「今日、ゆみと野球部の練習見に行ったよー」

「うぁ?まじでー??おれ気づかんかった。ごめんなー。」

あやと翔はプリンのスプーンを加えて、二人してプレステに夢中だった。

「だって、翔ちゃん練習中はまじめにやってるもん。だからわたしはそれでいいの。」

一瞬だけスタートボタンを押し、ゲームを一時停止させて翔のほうを見て言う。

あまりにあやが真剣な顔で自分の顔を見たものだから、翔はふっと笑ってしまった。

「なーんだよー照れちゃうじゃんか。」

ゲームのコントローラを白いフカフカのマットの上に投げ出して、横にいるあやを無造作に抱きしめた。

「うぁ。」

急に横から手が伸びてきて、それが自分をすっぽりと覆ったため、あやは少しびっくりして首をすくめた。

あやよりも大きな翔の腕と体はあたたかくて、不思議と心をあったかくさせる。

どうしてこの人は私のそばにいても、こんなにほかほかでいられるんだろうかと思う。

だってあやの手はすごく冷たいのだ。

それなのに、手をつないでも、抱き合っても、翔の体は冷たくならない。

「しょーちゃん??」

あやの耳たぶの横に顔をうずめたまま、翔は返事をする。

「んー??」

「体、ひえない?」

自分を抱きしめている翔の指に自分の指をかさねてみる。

「すっげーあったまる。っていうかなんで??」

かさねた指が、下からからめられて、にぎられる。

「だって、あたしの手、つめたいでしょ?」

確認するように、翔の指があやの指をにぎりなおした。

「んー・・・冷たいっていっちゃぁ冷てー。でも別に俺は平気だけど。」

そういって顔をあげ、あやを自分のほうに向かせて、つけたした。

「っていうか、俺、あやのこと、こーしてっとあったまるし。」

ぎゅっと手をにぎり、あやを安心させようと、翔は必死だった。

もし、あやがまた入院してしまわないように、安心させることで必死だった。

「あたしもあったかいよ。」

顔をくちゃっと緩ませて、あやは笑った

「ねぇ、翔ちゃん。あとでコンビニ行こー。」

翔の大きなベージュのセーターの裾をひっぱって言った。

「おー。んじゃ30分はこーしててな。」

「うん。いいよ?」

ほっぺをピンクに染めて、うなずいた。

さっきまでの翔と同じように、耳たぶに顔を埋めて。



いつもと違う感じです。たまにはこーいうのも出してみたり。どうですか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ