7話
「時間?」
そう
「時間・・・時間か〜」
祐希は携帯をポケットから取り出し、何かを確認した。
「・・・今日は無理やね」
!!?な、何で?
「だって今日・・・ゲームのイベントがあるから、なあ将暉」
一年に一回しかないゲームのイベントが今来るんだよ
祐希と将暉が今、他のゲームと同じぐらいハマっているゲーム「Dear Apollo Speaking(通称DAS)」、このゲームは毎回2月28日〜3月31日迄に◯周年記念イベントが来る。
今年は十五周年ということで、例年より豪華なイベントになっている。
例えばガチャを引くための石が30000個配布(十連引くのにかかる石の量 3000個)、新キャラ登場&コラボ・・・等の、豪華すぎる内容となっている。後、このイベントの時限定のスキン&報酬があるが、これを逃せば今後、復刻する可能性は限りなく0に近いので、祐希と将暉は寝る間を惜しんでゲームをする予定だ。
だが、その報酬をゲットするのに結構時間がかかる。
まず、DASについて説明しよう。
DASは日本の小さなゲーム会社が僅か1年で作ったゲームである。
次にゲームの舞台は広大すぎる宇宙で、野良の人と探索&殺し合いをする事が出来るオープンワールド&アドベンチャーゲーム&TPSゲームである。
今までになかったようなゲーム性&宇宙に付いて詳しく知れる所もあったりするので、発売から僅か一週間で全世界で約3000万本も売れた。
そして次は、ついさっき言った報酬の内容について解説。
まず、十個あるクエストの中から最も簡単な物を紹介しよう。
それは「月の石を手に入れる)だ。
そして最も難しいクエストは「このゲームの端っこまで仲間と協力してもいいので、ノンストップで進み、到着する」だ。
この最も難しいクエストは毎年クリア出来るプレイヤーが約1000人にも満たない程、難しいクエストである。そんな難しいクエストをクリアしてまで、皆が欲しいクエストクリア報酬は一体何なのか、それは・・・称号「宇宙空間を知り尽くした者」、現金3億円、そして願い事を一個だけ、何でも叶えられる券・・・
「今日の昼12時からそれが来るから、今日はもずっとそれを将暉と一緒にやらなきゃいけないんだ、ごめんな」
い、いや・・・大丈夫
じ、じゃあ・・・私、帰るね
悲しそうな顔をしながら、瑠生花は帰った。
・・・何か申し訳ない事しちゃったかもな
ダダダダダッ!!バァン!!
「急げ急げ急げ!!」
XB◯X SERIES X 起動!
テテテテーン、テテーン
陽気なBGMが流れながら、ゲームのタイトル画面が表示された。
Dear Apollo Speaking
→ NewGeam
Continue
「毎回毎回これ選ぶのめんどいんだよな〜、他のゲームみたいにそのままゲーム画面にいってくれよな〜、なあ将暉」
まあそうだよな〜、でもこういうのもまあいいじゃん?
「そうだけどさ〜・・・まあいいか」
祐希は将暉と通話をしながら、一緒にゲームをやろうとしていた。
セーブ1 シュレディンガーの炊飯器機
プレイ時間 2814:29:51
セーブ2 時空警察・第404小隊
プレイ時間 1841:46:19
「まあこれは本垢でやった方が早いしな〜」
セーブ1 ポチッ
「こっちはもう準備できたけど、そっちは?」
こっちも準備万端、何時でもいいよ〜
「よし!じゃあ・・・行くか!」
チュンチュン、チュンチュン
・・・くそっ
「滅茶苦茶眠い・・・」
3月1日 午前7時10分
祐希は物凄く眠たい状態で起き、ゲーミングチェアの肘掛けに手を置き、立った。
「あ~、やべぇ・・・昨日もう少し早く終わればぐっすりと練れたはずなんだけどな〜」
昨日 午前2時39分
ふわぁ〜あ、
「なあ将暉〜」
ん?どうした?
「俺もう滅茶苦茶眠いよ、もうそろそろで終わらね?」
いや、俺はまだまだ行けるよ
「まじかよ・・・キモ」
祐希と将暉は家に帰った午前11時40分から、色々と準備をして、昼の12時から今の今までずっと二人で電話をしながらゲームをしていた。
お風呂、トイレ、食事は全て通話しながら行った。
「・・・なあ将暉」
ん?
「俺さ・・・そろそろテスト勉強しようと思うんだけど」
ああ?そう言えば明日もテストか・・・わかった、俺も少しだけテスト勉強しなきゃだし、今日はこれで終わるか!
じゃっ!
プツッ、
・・・はぁ〜
「ようやく終わった〜!!マジで疲れた〜!」
祐希はコントローラーを机に置き、そのままゲーミングチェアにもたれかかった。
・・・
「テスト勉強したいけど・・・今は疲れが沢山あるし・・・どうしようかな」
そう考えている内に祐希はいつの間にか眠ってしまった・・・
シャッシャッ、トントンッ
「まあ今日はちゃんとテストが始まるまでずっと勉強しとくか〜」
じゃあ、行ってきまーす
現在時刻 午前7時48分
祐希はホーっとしながら制服、靴を履き、外に出た。