18話
鼓動が揺らすこの大地と〜♪
「やっぱりラスサビが最高なんだよね〜、ねえ朱ちゃん」
「確かにね・・・ダーリンもS◯ranji、ナハトムジークも異次元に凄いからね」
2人は冷蔵庫にあったコーラを飲みながら、聞いていた。
・・・ぐぇぇぇっぷ
「きゃは♡出ちゃった♡」
「ちょっと〜、ホントに汚いんだけど〜」
楪は特大のゲップをした。
「仕方ないじゃなぁ〜い、生理現象的な奴なんだからさぁ〜」
そう言いながら朱音に抱き着き、チュチュしていた。
・・・
「いい加減にしてくれない?ホントに鬱陶しい」
※ホントは超絶嬉しい
えぇ〜・・・いいじゃん、昔からこうやってたんだから
楪は朱音が3歳の時から、ずっとこうやっている。
いわゆるシスコンである
「お姉ちゃんは良いと思うけどさ、私はうざいし最悪な気分なの」
※うざくもないし、最悪な自分でもない、もう一生やってほしいと思っている
・・・わかったわよ
楪は朱音から離れ、ソファの人1人分朱音から離れて座った。
・・・ボソッ
「何でホントに離れちゃうのよ、私は嬉しかったのに」
ん?なんか言った?
「何でもないよ」
朱音はコーラを飲んだ後、携帯をポケットから取り出し、Xを開いた。
(・・・おっ、トレンドに入ってる)
朱音はENA・MUSICとMGAがトレンドに入ってるのを見て、すぐそれをタップした。
神神GOD
「やっぱりMGA3150!!」
ブンブン
「生で聞いてるけど、やっぱり歌唱力が異次元すぎる」
みみな
「私のエッチな画像見て♡
#MGA #ENA・MUSIC #裏垢女子」
(何か一つ変なのがあるけど、まあいい───)
ん?何だろ・・・これ
朱音は一つ、奇妙なツイートを見つけた・・・
!!?
(これ・・・私の家!!?何で!!?)
何と、朱音の居るリビングルームが世界中で生放送されていた。
しかも、楪のエッチな所も全て、事細かく映っていた。
・・・
スッ、スタスタ
朱音はゆっくりと立ち上がり、カメラが置いてある庭に繋がるガラスの上部分を見た。
ん?どうしたの朱ちゃん
「ちょっと待って」
?何が───
スッ、バキッ!!
!!?
「え!?ちょっ!どうしたの!?」
楪は突然の出来事に、物凄く驚いていた。
ガシャンッ!ガシャッ!
天井付近に付いていたカメラは音を立てながら落ちた。
・・・え?カメラ・・・?どうしてそこに・・・
カメラを完全に壊した後、朱音はすぐXを開き、さっきのツイートを見た。
Hey! What do you mean!
↑英語
Warum ist der Bildschirm plötzlich schwarz geworden?
↑ドイツ語
Что происходит!
↑ロシア語
うわぁ・・・
「世界中の人がこの配信を見てたのか・・・しかも視聴者数が5万人・・・キモすぎ」
朱音はそっと携帯を閉じ、楪の方に向かった。
?何?
「お姉ちゃん・・・私、まだお姉ちゃんに言えてない事があったの」
言えてない事・・・何?
「実はね、私・・・お姉ちゃんを殺したくなる程好きなの」
!!?
え・・・?
「お姉ちゃんの胸やお尻を見てるとね、ホントに切り取って額縁に飾りたい程好きだし見ていたいの」
え?ホントに?
「うん、お姉ちゃんの物全てが好きなの、歯や髪の毛、唾液でさえも」
・・・
ブルブルッ!
楪の身体中に鳥肌が立った。
「この気持ちはもう抑えられないの、ごめんね?お姉ちゃん」
朱音はゆっくりと楪に近付いた。
ちょっ!怖い怖い!!何!?ホントにどしたの!?
はぁ♡はぁ♡
朱音の目は、イカれていた。
・・・わ、わかった!
私・・・服着るからさ、もう全裸にならないからさ、どうか・・・私を殺さないでね?
・・・
「わかった♡」
楪はすぐ立ち上がり、風のように早く、その場から去った。
・・・ふぅ
ドサッ
「これでお姉ちゃんの裸が世界中に晒される事は無くなったはず」
・・・お姉ちゃん、ごめん
朱音は凄く後悔をした。
滅茶苦茶好きな姉に、あんな変態が良くやるような事しちゃって───
ピンポーン
?
「インターホン?一体誰から・・・」
朱音はソファから立ち上がり、そのまま玄関扉まで向かった。
ガチャッ
「は~い、何でしょう───」
朱音は扉を開けた。
目の前には黒タンクトップの白短パンを着ている身長190をゆうに超える黒人の男が3人居た。
Hey, are you the girl from that live broadcast?
・・・?
(どうしよう、英語がネイティブ過ぎて全然わからん)
と、取り敢えず・・・
い、YES?
そう言うと
Okay, then I'll let you follow me.
そう言いながら朱音の腕を掴み、朱音の家の前に止まっているフリ◯ドe:HEV AIR EXに無理矢理乗せ、何処かに行った・・・
スタスタ・・・
ん?
「朱音が暴れながら家から出てきた・・・?しかも少しあの黒人達に殴られてた様な」
・・・
追いかけよう!!
少し遠くから見ていた祐希は、すぐ朱音が乗った車を追いかけた・・・