15話
チュンチュン、チュンチュン
あ〜、もう朝になったね、どうする?辞める?
「そうだな〜」
うう〜ん!
「もう疲れたから辞めるわ」
おけー、じゃあお疲れ〜
お疲れ〜
プツッ
・・・ふぅ〜
「マジで疲れたなぁ〜、もうずっと灰斗とゲームしてたしな、そりゃ疲れるか」
祐希は昨日の3月2日の午前10時から現在の3月3日午前5時48分まで、ずっとゲームをしていた。
・・・
「運動しに行くか」
祐希はゲーミングチェアから立ち上がり、運動がしやすい服装になり、外に出た・・・
いっちにーさんしーにーにーさんしー
・・・よしっ
・・・
チッ、チッ、チッ
午前6時
スタート!
ダッ!
祐希は現在、近くにある河川敷でランニングを始めていた。
ふっ、ふっ、
「やっぱり走ると気持ち良いな」
祐希は学校がない休みの日の朝6時に、毎回約10km程走っている。
ふっ、ふっ・・・おっ、
「あの人・・・またここで走ってるのか、よく合うんだよな〜、この時間の時に」
祐希の約3m前にいる人は、土曜日日曜日、その他の休みの日に必ずと言って良い程、毎回毎回会う女性である。
ピンク色のショートボブ、全身adi◯asの半袖半パンの服、スポーツタイツ、レンズ部分が虹色、枠部分が黒色のサングラスを付けている。
・・・
(話しかけたいな〜、でも、初対面の人に)
仲良くしましょう
(何て行ったら即通報案件だしな、辞めとくか)
祐希はペースを上げた。
・・・ダッ!
祐希の後ろにいる女性もペースを上げた。
(?何でペース上げたんだ?もしかして・・・俺についてこようとしてるのか?まあ・・・自分のペースで走っとくか)
ダッ!!
祐希は1km3分20秒のペースで走った。
・・・!?
え!?ちょっ、早っ!
女性も負けじと、祐希について行った。
はぁ、はぁ、
「結構早く終わったな」
現在時刻 午前6時32分
祐希は10kmランニングを終わらせた。
・・・
「朱音がバイトしてるセブンによって帰るか」
祐希は真っ直ぐ歩いた・・・
あ、あの!!
?
祐希は後ろを振り向いた。
そこには身体中が汗だらけで、びちょびちょになっている女性が居た。
はぁ・・・はぁ・・・
「い、何時もここを10km走ってますよね!?」
は、はい・・・
祐希は答えた。
はぁ・・・はぁ・・・
「わ、私もこの位の時間に貴方と同じく10km走ってるんですけど、何回も会ってますよね!?」
「会ってますけど、それがどうしたんですか?」
女性は深く息を吸い
すぅ~・・・ゲッホゲッホ!!
はぁ・・・
「貴方と一緒にここら辺を走る、ランニング友達になりたいと思うんですが!!どうですか!?」
!!?
(む、向こうから言ってきた!?と、取り敢えずここは・・・)
「と、取り敢えず・・・近くにある公園まで行きましょう」
は、はい!
スタスタ、スッ
それで・・・
「何で俺と走り友達となりたいんですか?」
祐希と女性は河川敷から東に約70mの所にある「池谷公園」に着き、近くにある、ベンチに座った。
そ、それは・・・
「何時も貴方と出会う度に思ってたんです、あの人と一緒に楽しく走りたい・・・って」
祐希も丁度、この事を思っていた。
「な、なるほど・・・俺も実はそう思ってたんですよね」
!!?
「ほ、ほんとですか!?」
イェーイ!友達ゲット〜!!
女性はベンチから立ち上がり、飛び上がり、慶んだ。
「じゃあ!早速L◯NE交換しませんか!?」
は、はい
祐希と女性はL◯NEを交換した。
・・・あっ!
「そう言えば!貴方の名前って何ですか?」
女性は両手を後ろにし、上半身を少し右斜に傾け、足を少しだけクロスして言った。
「お、俺は・・・鈎柄祐希って言います」
!!?
「え!?鈎柄・・・祐希!?」
女性は何故か驚いたかの様な態度を取った。
「あ、貴方!もしかして黎陽高校の2年1組の人だよね!?」
!?
「な、何でその事を・・・」
祐希は少し後退りをした。
「私は黎陽高校の2年2組の桜神秋!!宜しくね!」
桜神・・・秋?
・・・あ〜あ!
「学校にピザ持ってきて怒られたあの秋さん!?」
「そう!」
祐希は嬉しそうに秋とハイタッチをした。
「取り敢えず、宜しく!秋さん!!」
「こっちこそ!祐希君!」
じゃあ、俺はここで・・・
じゃあね〜!祐希君〜!!
2人は公園で解散をした・・・
!?
「ゆ、祐希君と見知らぬ女子が話してる!!」
浮気・・・?
朱音は公園の外にある電柱の後ろから一連のやりとりをみていた・・・