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1.はじまり

初投稿になります。どうか温かい目で見ていただけると幸いです。

 ある一軒家の薄汚れた一室。


「この番組おもしれーな」


ボリボリバリバリと、不快な音を部屋中に鳴り響かせながらポテトチップスを食らうこの男の名は、

田中泰造、男子中学生だ。朝の7時半だというのに、こうして怠惰を貪っている。

朝の7時半なら、怠惰とまでは言わないのではないかと思ったそこのあなた!


じつはこの男、3徹明けなんです、、、


汚らしい恰好、汚らしい部屋で発売されたばかりのゲームをやりこみ、好きなテレビを見ながらポテトチップスを食べるその姿は、さながらニート30年選手のようであった。


「なんかうるさい気がする」



妙に感だけはいいんだよなぁ、、、



「たいぞー!起きてんのー!?ごはんよー!」



一階のリビングから泰造を呼ぶ、母・みち子の声がする。こんな息子を甲斐甲斐しく世話をする優しい母親である。


「起きてるよー!!!」

「3日前からなー!!!」


「起きてんだったら馬鹿な事言ってないで、早く降りてきなさいよー!」


「ったく、、、」


あらゆる汚れが付着した汚い手で頭を掻きむしりながら、泰造はベットからその重い体を起き上がらせ、リビングへ向かうのだった。




ーーー


泰造とみち子が住む一軒家の真上に、何かが浮かんでいた。


???「なんと怠惰であろうか、、、」


悔しそうに嘆きながらも、恥ずかしいといった表情を浮かべる忙しい”何か”がいた。


「この余が、こやつを正してやらねば、、、」


決意だったその顔は、これから泰造の身に起きるあらゆるごたごたを暗示しているかのようだった。


ーーー


「いってきまーす、、、」


とても重い足取りで家のドアを開け、3日ぶりに学校へ向かう。


「さすがに3徹はきついな」

「でもあのゲーム途中だからなー、今日は4徹目いっちゃうか!」



「まて!!!」

「うわぁぁぁーーー!!!」


学校へ向かっていた泰造の目の前に、突然”それ”が現れた。

金色に輝く甲冑を身にまとい、腰には刀のようなものを帯剣している。

鬼気が籠った顔をこちらに向け、こちらを威嚇する。


ーーなんなんだよ、この戦国武将みたいなやつは・・・


「貴様は、少々たるみ過ぎておる」

「は?」

「余がその腐った性根、叩き直してやる!!!」


ーーなに言ってんだよ、このコスプレじじい・・・新手の認知症にしてもほどがあるぞ・・・

認知症と戦国武将コスプレのハイブリッドとは・・・こりゃあ、家族の人たち大変だなーこんな奴の面倒見切れうぉぉぉぉーーー!!!


その時、驚きで目をつぶった泰造に”それ”が入り込んだ。徐々に同化していくような感覚は、何とも言えない苦痛があった。


「今のは何だったんだ・・・徹夜のし過ぎで頭がおかしくなっちまったのか・・・」


目を開きあたりを確認するも、なにもいない。


「なんだ・・・なんもいねぇじゃねぇか・・・やっぱ幻覚だったんだな」

「ここにいるよ?」

「うわぁぁぁーーー!!!」


いないはずのコスプレじじいの声が頭に響く。


「いないわけなかろう。貴様に憑依したんじゃから」

「へ!?いまなんて?」

「じゃから憑依したんじゃって!」

「憑依ってそんな漫画みたいなこと・・・」

「まぁよいわ。証拠を見せてやろうぞ!」

「え・・・なに言って・・・うわぁぁぁーーー!」


その時、泰造の意思に背き体が急に学校へ向け、全力疾走をはじめた。

「どうなってんだよーーー!!!」


怠惰な男子中学生・泰造と家康のどたばた学園ハートフル小説をどうぞ、ご覧あれ。


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