幕間:来訪者
Interlude in
東京スカイビルの最上階の一室にある円卓に七人の面接官が座っている。
彼らは神の七賢人と呼ばれる、この国の最高権力者たちだ。
突如として、この都市に現れ、瞬く間に実権を握った。人々はそれを歓迎した。なぜなら、腐敗した政治屋を駆逐してくれたからだ。
「この国に政治屋はいるが、政治家がいない。ならば、我々が指導者となり、この国を……この世界を導こう! 我らは神の七賢人! 人間力を極めし、完全無欠の新人類である!」
リーダーの男は宣言した。
そして、実際に日本という国は彼らの手に落ちた。
自衛隊に代わって、面接騎士団と呼ばれる軍隊が組織された。彼らは面接官の数百回にわたる面接を潜り抜けた、人格高潔にして、正義を貫く、模範的な人間を選び抜いたと言われている。
面接騎士団は面接官の警護から、面接で低評価だった人間の処刑まであらゆる仕事をこなした。騎士団とは名ばかりで、実際には裏の汚れ仕事が多い。その中には当然、暗殺も含まれる。
毒殺、圧殺、轢殺、刺殺、銃殺。あらゆる方法で、神の七賢人に逆らう人々を虐殺していった。何のためらいもなく、表情すらも変えず、それを行う彼らが畏怖の対象になるのに時間はかからなかった。
そんな汚れ仕事を行う彼らに対して、リーダーの男はこう評した。
「彼らは神の代行者である。我々ができない、神罰を執行する崇高にして唯一の地上における断罪者である。彼らの行いに一切の間違いはない。彼らの行いに一片の過ちはない。すべては完全無欠にして、完成された人間だけの優しい世界を作るために。そして、この朽ち逝かんとしている世界を救う、救世主を作るために」
人々はようやく気付いた。
神の七賢人は救世主などではなかった。私利私欲と利権にしがみつき、腐りきった政治屋よりもよっぽど性質が悪い。
狂信者だ。
一人の男は彼らをそう評した。
あり得ない理想を実現させるために、人類を消し続ける虐殺機関。
現実と妄想の区別がつかなくなった、人類史上最悪の侵略者。
それが人々の目に映った彼らの姿だった。しかし、このことを口に出せば、カップラーメンができるよりも早く消されることだろう。
すべては面接を繰り返した果てに、洗練された人間性を持つ人間だけの完成された世界を作るために。
彼らの暴走は留まることを知らない。
この地は、迷信と狂気に彩られた禁忌の庭園。
この地は歴史に見捨てられ、世界から取り残された、孤独なる都市。
この地に残された時間は多くはない。
時計の針は無常に刻む。この世界が崩壊するまでの時間を。
多くの人々は知らなかった。この狂い果てた世界に異邦人がやってきたことを。彼らが何者であるかを。そして、彼らが何をしようとしているかを。
Interlude out
こんばんは、星見です。
順調なのか、そうでないのか、30代も半ばになると結構俯瞰できるものです。
この話の他にも温めている話があるのですが、浮気をすると決まって良い結果にならないので、この話を書ききることに年内は集中したいと思います。
神の七賢人の元ネタは「竹林の七賢」です。世界史で習うやつですね。
SO2の神の十賢者と言われた方がおられましたが、そちらは全然モチーフにしていませんでした(笑)ではまた次回お会いできることを祈りつつ……




