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プロローグ:後ろの正面だあれ?

 この世界は枝分かれしたもの、だということだけはしっかりと覚えていた。誰が作ったものかは分からないが、この世界の模造品は同時に存在しているらしい。悪趣味な奴だなと彼は一人思う。

 世界を作ってどうしようと思うのか、作り手の意図がさっぱり分からないからだ。

 この世界の背後にはこの世界ではない別の世界が広がっている。背後だけではない、側面にも無数の世界が点在している。

 本当に悪趣味な野郎だぜ、と長髪の男はマシンガンを片手に独り言ちた。

 仕事が増えるのはありがたいことじゃないか、と長髪の男の後ろに立つ男が意見を述べる。

 おまんまの食い上げだからな、と一言添えた。

 そりゃそうだなと苦笑いして、長髪の男は幾何学模様の描かれた台座の上に座る。他の二人の男たちもそれに倣った。

 無数の機械が自動的に動いているだけの部屋に機械音声が響く。

「ミッションスタート。ツェン、ノイン、アハト……」

「さあて、楽しい旅になるといいんだがねえ。うちの編集長ってば鬼畜だからなあ」

 長髪の男が軽口を叩いた。

「君、アフガン送りにされたくなければ、この仕事をするしかないんだぞ。私たちまで君の巻き添えを食ったんだからな?」

 男の一人が口元を歪めて、文句を言う。その表情はどう見ても、文句を言いたいようには見えなかった。

「ホント、上司に恵まれないよなあ俺って……」

「普段の行いだな」

 二人の男の声が重なる。

 無駄口を叩いている間にも、機械音声は時を刻む。

「ズィーヴェン、ゼクス、フンフ……」

「誰だ、編集長の顔面にビールをぶちまけた奴は?」

「さーて、誰だっけな?」

 長髪の男のすっとぼけた態度にすかさずツッコミが入る。

「君だよ!」

 そんな雑談を無視して機械音声は告げた。

「ドライ、ツヴァイ、アインス……ヌル! これより、プロジェクト=ハーモニーを実行します」

「あーあ、来ちまったよ、時間」

「まあまあ、楽しいオシゴトにしようじゃないか、レネゲイド君」

「そうだ。我々は運命共同体……アフガン送りになっても、宇宙コロニーで服役しても、一緒だよ」

「むさくるしい野郎と一緒かよ……ぞっとするぜ」

 相変わらず続けられる雑談を遮って機械音声が宣言した。

「エクスポート開始」

「さて、行くか。……うしろの正面だあれ? ってな」

 意味深な言葉を残して、長髪の男と二人の男は台座から姿を消した。

こんばんは、星見です。

あけましておめでとうございます。もう仕事始めですね。

行きたくないなあと思いつつ仕事に行く日々が始まります。


さて、本作はワタクシ初の異世界モノの作品になります。

どこが異世界なのか、あらすじが示すものが何なのか、推理推測しながら読んでいただけますとより面白さが増すのではないかと思っております。いつものように(?)出していた暗殺者キャラは今作では出しません。仮にもハイファンタジーを謳っておりますので。


愉快な三人の織りなす、かなり変わった物語をお楽しみいただければ嬉しいことこの上ありません。

ではまた次回お会いできることを祈りつつ……

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