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凄惨の光景

 ラコスタ討伐。

 これにより緊急依頼は完了となり、この首を持っていけば報酬も得られるはずだ。

 だが……冒険者の末路といえば話は完結するのだろうが、これはさすがに酷い光景だな。


「上半身が吹き飛んだ死体に、体がボロボロで誰なのかも分からない死体が四つか」

「……酷いね」


 隣に立ったエリカも俺と同じ気持ちのようだ。


「そうかしら? 魔獣に食われて死んだ事すら分からない奴もいるし、ザックやこいつらはまだいい方なのよ?」

「「……え、そうなの?」」

「そうよー。まあ、死んだ事がギルドに伝わったところで何かがあるわけじゃないけど、親しかった冒険者くらいは弔いの酒くらいは準備してくれるんじゃないかしら?」


 ……冒険者って、大変なんだなぁ。


「まあ、ザックに親しい冒険者がいたかどうかは分からないけどねー!」

「……あ、明るいんだな」

「まあねー。……最期を看取ったあたいたちくらいは、明るく見送りたいじゃない? 明日は我が身って可能性もあるしね」


 ……あぁ、そういう事か。

 レミーはザックを明るく見送ろうと、わざと明るく見せているのか。きっと自分が死んだ時もそうしてもらいたいと思っているんだろうな。


「……レミーは死なないだろう?」

「そんなもん分からないさ。低ランクの魔獣に奇襲を受ける可能性だってあるんだ、冒険者なんてもんはいつ死ぬかなんて分からないのさ」

「そんな……」


 エリカはレミーを見つめながら悲しそうな顔を浮かべている。

 だが、冒険者というものはそういうものなのだろう。命の危険がある事を承知で冒険者ギルドに登録をしている者ばかりだからな。

 しかし、こいつらは違ったのだろう。魔獣を目の前にして止めろと口にし、死を怖がっていた。

 死を怖がるのは理解できる、俺だって死ぬのは怖い。だが、生き残るために足掻く事を止めてまで口にする必要はないはずだ。

 彼らには覚悟が足りなかった。だから最後の最後で動けなくなり、命乞いをした。

 相手が人であったなら効果はあるかもしれない。だが、今回の相手は魔獣だったのだから全くの無意味だ。


「……やっぱり、俺は門番でいいかな」

「なんだい、死ぬ覚悟がないってのかい?」

「まあな。できる限りの事はするが、無理はしない。門番としてウラナワ村で生活ができればありがたいさ」

「……私も、無理だな。死にたくないもの」

「……そうかねぇ?」


 何やらレミーは疑いの眼差しをこちらに向けているが、俺はできる事しかしない。

 まあ、ハイオーガエンペラーの時には少しだけ無茶をしたがあれは必要な無茶だ。ラコスタに関しては倒せると踏んだから受けただけだからな。

 二人が残っていると聞いた時は焦ったが、それでもこうして生きているのだから問題はないだろう。


「それじゃあ……レインズ! エリカ! さっさと戻って残党狩りだよ!」

「あっ! そっか、逃げた魔獣がシュティナーザに!」

「それはフリックさんが冒険者をまとめて防いでいるはずだ」

「フリック? ……あいつ、張り切りやがったねぇ」


 とはいえ、戦域は大きく広がっているはずだ。

 Eランク以下の冒険者が残っているとはいえ、悠長に時間を無駄にしている場合ではないか。


「分かった、急ごう!」

「はい!」

「ここからは蹂躙さね!」


 俺はエリカに死んだ冒険者が使っていた剣を手渡した。使いたくないかもしれないが、武器もなしに魔獣の群れに突っ込ませるわけにはいかないからな。


「こうなるなら、先に昨日の剣を貰っておくんだったなぁ」

「あの時はまだハルクさんの移住は決まってなかったからな、仕方ないさ」

「レミーも槍は回収できたな!」

「はいよ!」


 それぞれ武器を手にし、俺たちは森を引き返して残党狩りへと向かった。


 森を抜けると冒険者たちと魔獣の戦いが続いていた。

 だが、魔獣の数は見た目にも減っており、ラコスタの気配が消えたのを感じた魔獣から森の方へ引き返している。

 それでも襲い掛かってくる魔獣だけを相手にしているような状況のようだ。

 これならば時間の問題だろうと判断し、俺たちは散開して魔獣が多くいるところへ各自の判断で向かい各個撃破へと移っていく。


 ――しばらくして魔獣の咆哮が消えると、本当の意味でシュティナーザに平和が訪れたのだった。

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