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レミーの勧誘

 バージルだけが残ると口にしたので俺たちはハルクさんの鍛冶屋を後にする。

 護衛の問題もあったのだが、そこはハルクさんが責任をもって宿屋まで送り届けると言ってくれたので甘える事にした。

 話を聞くと、自分で素材を魔獣が蔓延る場所へ採りに行けるくらいには強いらしい。

 エリカは予期せずに新しい剣を手にできてとても嬉しそうだ。

 そんな中、やや後ろを歩いていたレミーが突然の提案を口にした。


「……あんたたち、冒険者ギルドに登録しないかい?」

「急な話だな」

「そうでもないだろう? 昨日だって話はしていたし……まあ、エリカとギースには急な話になるだろうけどさ」


 俺は遠慮するとすでにギルマスに伝えている。この状態で再び冒険者ギルドに足を踏み入れようものなら、面倒な勧誘を受ける事になるだろう。

 正直、それは避けたい。


「いいですね! 行きたいです、レインズ!」

「お、俺も見てみたい!」


 ……うん、そうなるだろうと思ったよ。昨日はお預けだったからな。


「それなら、俺は外で待たせてもらうかな」

「なんでですか! レインズも行きましょうよ!」

「そうだぜ、師匠! 冒険者になれば魔獣狩りで金を稼げるんだぞ!」

「ウラナワ村に冒険者ギルドはないだろうが」

「うっ!? ……た、溜めておくとか?」

「魔法袋を持ってないだろう」

「……ヒ、ヒロさんにお願いして?」

「それならヒロさんに許可を得てからになるな」

「ぐ、ぐぬぬ!」


 子供相手に何をしているんだと思われるかもしれないが、ちゃんと計画性を持って行動する必要がある。

 それに、一年以内に依頼を達成するという事がギースには難しい。ヒロさんがシュティナーザに向かう度にギースを連れて行く事はできないのだから。


「昨日も言ったが、ギースがウラナワ村を出るとか、一人前になってから登録する方がいいだろうな」

「それじゃあ、私は登録してもいいんですね?」

「……エリカ、お前なぁ」


 そこでお前が登録するとかなったらギースが諦め難くなるだろうが。


「だったら俺も!」

「だから、ギースとエリカでは立場が違うだろうが!」

「……ねえ、レインズ。別にシュティナーザに来ること前提で考えなくてもよくないかい?」


 ……な、何を言うつもりだ、レミー? 変な情報をギースに与えてくれるなよ?


「ウラナワ村から一番近い冒険者ギルドはシュティナーザじゃないよ? 途中の街にだって別の支部がある。そこで依頼をこなす事もありだと思うけどね?」

「……そうなんですか!」

「レミー、お前なぁ」

「まあまあ。ウラナワ村はシュティナーザ支部の管轄だけど、さすがにここだけで管轄内の全てを見回る事は無理だ。だから、シュティナーザが管理している別支部もあるんだよ」


 そりゃそうだろう。ウラナワ村からシュティナーザまで馬車で三日も掛かってしまう。

 もし緊急の依頼を冒険者ギルドに届けて戻ってくるまでに最低でも六日も掛かるとなれば、それはもう緊急とは言えなくなってしまう。


「……ちなみに、一番近い支部ってどこになるんだ?」

「ん? 知らないのかい? 一番近いのはライバーナだよ?」

「「「……ラ、ライバーナ!?」」」


 まさか、船で到着した港町に冒険者ギルドの支部があったとは。ヒロさんは何も言ってくれなかったぞ?

 ……しかし、そうなると徒歩でも一日で行ける距離って事になるのか。


「……」


 ……目を輝かせながら無言でこちらを見るな、ギース。そしてエリカも似たような目で俺を見るな!


「……あーもう! 勝手にしろ! 俺は知らんからな!」

「何を言ってるんだい。レインズも登録するんだろう?」

「な、なんで俺まで!」

「一日の距離だよ? あんたなら暇を見つけて依頼も簡単にこなせるだろうさ!」

「お、俺にはウラナワ村の門番という大事な仕事があるんだよ!」

「だから、その合間にさ。使わないなら金を溜めておくのもいいじゃないか。将来にためにもね!」


 こいつ、俺を絶対に冒険者ギルドへ登録させるつもりだな。


「身分証にもなるし、更新の問題もないなら絶対に登録すべきですよ、レインズ!」

「そうだぜ師匠! お願いします! 登録しようぜ!」

「…………はああぁぁぁぁ。分かったよ」

「よっしゃあっ!」

「だがなあ、レミー。Aランク魔獣の討伐に関してはそっちでどうにかしろよ! 俺は最後の最後まで力を貸すつもりはないからな!」

「はいはい、分かってますよ」


 そこの線引きだけはしっかりとしておかなければならない。

 うん、あくまでも登録するだけだ。身分証としてな。


「それじゃあ、次の向かい先は冒険者ギルドだね」

「ありがとうございます、レミーさん!」

「ついに俺も冒険者だ!」

「……浮かれ過ぎだろう」


 ため息を付きながら、俺たちは冒険者ギルドへ向かって歩き出した。

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