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女同士の騒動?

 部屋を後にした俺は壁際に移動すると、壁にもたれながら大きく息を吐く。

 冒険者ギルドに登録する事を考えたが、あの様子を見ると登録は考えなければならない。……なんだか、面倒な依頼とか押し付けられそうだからなぁ。


「あははははっ! レインズ、あんた面白いね!」

「……笑い事じゃないよ、レミー」


 冒険者でもなく、さらによそ者の俺が冒険者の仕事を奪ってしまえば反感は大きくなるだろう。

 そうすると、俺だけではなくヒロさんまで活動がし辛くなるのではと心配にもなる。

 ……まあ、一代とはいえ貴族の二人から好かれているヒロさんに影響が出るのかどうかはわからないがな。


「お待たせしました、レインズ君」

「すみません、ヒロさん。突然飛び出してしまって」

「いいえ、構いませんよ。全く、ハグロアは興奮すると周りが見えなくなるのが悪いところです。レインズ君が冒険者ギルドに登録するかどうかは、ゆっくり考えてください」

「……はい。ありがとうございます」

「登録しないのかい?」

「まあ……保留って事で」


 レミーはもったいなさそうに俺を見ていたが、無理強いはできないとわかっているのか口には出さなかった。

 そのまま三人で冒険者ギルドを出ると、目が合ったエリカが笑顔から一変、もの凄く不機嫌な表情に早変わりした。


「……ねえ、レインズ」

「どうした、エリカ?」

「隣の人、誰?」

「ん? あたいかい?」

「あぁ。こいつは冒険者で、サクラハナ国に来る時に助けてもらったレミー――どわあっ!」


 レミーの事を紹介しようとした途端、何故か腕を取られてしまった。

 ……うん、嬉しいが止めて欲しい。その、胸が当たって。


「あたいはレミー。Aランク冒険者をしているよ。それで、あんたは?」

「わ、私はエリカ! 同郷よ! ってかレインズ、鼻の下を伸ばさないでよ!」

「の、伸ばしてないから! レミーもちょっかい出すんじゃないよ!」


 俺は慌てて腕を振りほどいたのだが、遅かった。

 エリカが睨みつけてくる以外にも、凄腕冒険者であるレミーには他の冒険者の視線が集まっていた。

 そんなレミーに腕を取られた俺が誰なのかという囁き声が聞こえてきたのだ。

 ……エリカだけではなく、他の冒険者からも注目されるとか、面倒過ぎるだろう。


「そ、それじゃあ、レミー! 俺たちは行くから!」

「あいよ! お二人さん、冒険者になりたいならあたいに声を掛けてくれよ!」

「声なんて掛けないから! 行きましょう、レインズ!」


 笑いながらそう口にしたレミーに対して、エリカはベーと舌を出しながら馬車に乗り込む。

 子供かよと思ったが、ここをいち早く離れたかったので何も言わずに馬車を走らせた。


「……」

「……ねえ、レインズ」

「……なんだ?」

「あの女、何者なのよ!」


 あー、やっぱりそうなるか。

 エリカの変な迫力にヒロさんもギースも黙っているし、バージルに至っては楽しそうに笑っている。


「だから、船で助けられた冒険者だよ。護衛をしていたんだ」

「……それだけ?」

「それだけだ。エリカも冒険者として活動するなら、先輩として色々とアドバイスを貰えるんじゃないか?」

「アドバイスですって! レインズも何かアドバイスを……その、大人なアドバイスを!」

「ないからな! なんだよ、その大人のアドバイスって!」


 意味のわからない言葉を発したエリカに俺は声をあげたが、当の本人はもの凄く顔を赤くしている。

 ……こういうのを自業自得って言うんだろうな。


「……はぁ。本当に何もないから。っていうか、35歳のおじさんがレミーみたいな女性に何かできるとでも思っているのか?」

「それは! ……ぅ……ん」

「え? なんだって?」

「な、なんでもないですよ!」


 突然怒鳴られてしまい、その後は馬車の後ろの方に引っ込んでしまった。

 何かしたかと少しだけ視線を他の人に向けたが、ヒロさんとバージルは肩を竦めており、ギースは首を傾げている。

 ……状況を理解できていないのは、俺とギースだけのようだ。


「とりあえず、食事にしましょうか」

「そ、そうですね! そうしましょう!」

「私がシュティナーザへ来るたびに立ち寄っている酒場に向かいましょう。とても美味しい食事を楽しめますよ」


 場の空気を変えるため、俺はヒロさんの案内に従って馬車を走らせる。

 そして、酒場に到着するまでの間ずっとエリカは一番後ろで膝を抱えていた。

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