六、知識
なんでも、この世界で人間は、合計千億もの星々を行き来しているらしい。詳しくは知らないらしいが、平均すると、一つの星に三億人ほどの人が住んでいるという。すごい。
そして今いる星は全体から見て、比較的真ん中のほうにあるらしく、ド真ん中の星には十三神と呼ばれる、不死身の肉体を持つ激強集団がいるらしい。
死にたくなければ十三神のいる星にいかないほうがいいらしい。十三神にあっても、敵対せず、殺されそうになったら『ブラック』と言えば生き残る確率が上がるのだそうだ。
星が多いということは、それなりに国も存在し、戦争が絶えないのだとか。中でも、三大国と呼ばれる、神国、トタリア帝国、竜神国が関わる戦争は凄まじいらしい。
「まあ、ざっと話すとこんなかんじだな。あ、今俺が使っている言語は日本語だが、世界的に使われている言語はノロック語だ。何か質問はあるか?」
「魔法について教えて下さい!」
折角、異世界に来たのだ。使ってみたい。
「う〜ん、ぶっちゃけ魔法は才能だからな。できる奴とできない奴がいる。ついでに言うとお前に才能は無い。」
「ソ、ソウナンデスカ……」
これが、余命宣告された人の気持ちなのか……
魔法……
使いたかった……
「そっちの嬢ちゃんのほうは、才能あるな」
そう言うと、ベンジャミン•マーティンはずっと黙って話しを聞いていた少女の方を向いた。
魔法……ウラヤマシイ……
「ああ?そういえば名前聞いていなかったな。」
言われて見るとベンジャミン•マーティンさんにしっかりと名前を言っていなかった。
「黄泉疾風です。」
「水無瀬日和です。」
少女も便乗して名前を言った。
ん?水無瀬、水無セ、水ナセ、ミナセ?
ヒ、ヒヨリ?
俺の想い人の名前じゃん!