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   第八章☆静止衛星軌道

「一馬、何の本読んでるの?」

「『軌道エレベーター 宇宙へ架ける橋』」

「ああ、宇宙エレベーターとも言うね」

「なかなか実用化されないよな」

「ふんぎりがつかないんじゃない?」

「何のふんぎり?」

「コスト」

「そっか」

「高度3万6000キロの静止衛星軌道に基盤を造るんなら、無理に宇宙エレベーターにこだわらなくてもISSみたいなのを造りゃ良いんじゃないかなぁ?」

「どっちにしろ、いろんな関係機関の承諾が必用だよな」

基盤を造ってしまえば、宇宙開発に一気に拍車がかかりそうなものだが・・・

「俺らはまずどこからとっかかる?」

「静止衛星軌道上に秘密基地を造る」

「秘密基地ねぇ」

進一は笑った。

「実際には研究は公的に開示するけどな。言葉的に、良いだろ?」

「そーだね」

いくつになっても子どもみたいだと二人は思っていた。開発研究も冒険みたいで楽しいし面白い。

但し、どこの分野にもひねくれた見方をしてしつこく食い下がって足を引っ張るやからがいるものだ。一馬はできるだけシャットアウトしていたが、進一は少し違う立ち位置でそんな情報には目を通すようにつとめていた。

「俺は一馬の補佐役だから」

進一はそう思っていた。

多分、自分達は相棒としてちょうど良い関係じゃないかと時々考えることがあった。

「人は軌道上に行くのか?」

「まず、機械を送り込んで、人が活動可能な施設を建設する」

「それに解説君が必用なんだね?自分で考えて、行動する機械」

「そう」

「正太郎さんに打診しているけど、今のところ考えさせてくれっていわれてて・・・」

「俺らがちゃんと計画を煮詰めて、納得させられたら、或いは良い返事が来るんじゃない?」

「そうだな」

「やれるだけはやろうぜ」

「おう」

二人はああでもないこうでもない、と語り明かした。


「解説君をよろしく頼むよ」

正太郎が研究に加わった。二人から三人になった。

「オリジナルの解説君はちゃんと保存して、宇宙開発専門の解説君に取りかかろう」

研究を続けていたら、大学生になった亜紅が顔を出した。

「俺らが年取るはずだよな」

「正太郎と亜紅の新婚旅行用の飛行機を造ろうぜ」

「操縦は解説君か?」

「面白いな」

亜紅は将来一馬たちの研究の手伝いをするといって帰っていった。

「頼もしいな」

「ほんと」

いつも笑いが絶えない現場になった。


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