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   第五章☆種子島探訪

「休みを利用して種子島に行こうぜ」

進一が提案した。

「何しに?」

「JAXAのロケット打ち上げを近くで見るんだよ」

「日程とかは?」

「一応、打ち上げ予定だけど、何かでずれることもある」

「うーむ」

唸る一馬を尻目に進一はどんどん計画をたてて準備していった。


「何時間かかるんだよ?」

九州に住んでいるとはいえ、鹿児島まで陸路の車は遠かった。


「ここからどうするんだよ?」

鹿児島港からトッピー(飛び魚の意味)という船で更に波に揺られて数時間。


「今日中に着かないじゃないか‼」

種子島の港から乗り合いバスでうねうねと続く道を行く。


「関係者以外立ち入り禁止?」

はるか彼方にJAXAの打ち上げ施設が見えた頃はもう夕方近かった。


「残念。打ち上げ延期だって」

一馬はその場にしゃがみこんだ。


「あれ、あの観光バスJAXAに入ってった」

「・・・ちゃんと下調べしたのか?」

「いや?」

「頼むぜ、おい」

「今日はバスでちょっと引き返して、町中の「ゆり」って旅館に泊まろう」

「ああ、そういうのは押さえてあるんだ!」

「明日は名所巡りして、お土産をゆうパックで送ろう」

「観光かよ?」

「観光だよ!」

「楽しむぞー」

「オッケー」

一馬はかなりなげやりになっていた。

「トビウオの一夜干し、サトウキビ、エトセトラ」

歩いていると、ホテルの海岸でサーファーが何度もトライしている風景があった。

「ここのホテルには泊まらないのか?」

「打ち上げ見に来てる他の奴等で予約一杯」

「で、なんで中に入るんだ?」

「絵はがきとか宇宙関連のお土産満載」

「楽しいな?おい」

本当だろうか。

「月曜日だったから博物館みたいなの今日は入れなかったぞ」

「明日があるさ」

「引き返すんだろう?」

「そうとも言う」

ベタに海岸で「海のバカヤロー」とか叫んでみた。


「おい、一馬」

「なんだよ」

「カーモリ」

「?」

「種子島の言葉で『家に帰ったか』っていう意味だって」

石碑の文字を二人は見た。なぜだかここにきた意味がこの言葉にあるような気がした。


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