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   第十章☆アンドロイドの脳

静止衛星軌道上に基地を造るために、関係機関に片っ端から同意を得るのに一苦労した。

JAXAを通じて海外の宇宙開発機関に了承を得る代わりに、ISSに物資を送る技術と機会を提供することになった。

「日本のきぼうブースでは、主に無重力下で生物がどう生きるかや、タンパク質の構造を研究したりしてるよな。だけど、俺の関心がある研究分野は、ここいら辺りまでしか手伝えないなぁ」

正太郎の言葉に、一馬と進一は顔を見合わせた。

「正太郎さんは、次に何を研究するつもりなんですか?」

「アンドロイドの脳」

「どうやって研究するんですか?」

「脂肪でできた本体の表面に特殊なカビを植え付けて、電子パルスを流し入れ、疑似脳髄を造り出す」

「!」

「無重力以前に、地上で作れるかを試したいんだ。もちろんこれからもできるだけ手伝うつもりではあるけれど、主要な研究はそちらに力を込めたいと思ってる。すまないね」

「いや、ここまで手伝ってもらえただけでも、俺達、本当に助かりました」

「あのぅ、解説君の頭脳って、AIじゃないって以前言ってましたよね?そのアンドロイドの脳に近いんですか?」

「いや。一応、あれはブラックボックスで、種明かしはできないんだ」

「へええ」

進一が珍しく本気で感心していた。

一馬は、以前、人格交換のブレーンマシーンを造ったことがあったので、正太郎の言うアンドロイドの脳の研究に心ひかれる部分もあった。

「人間の脳の研究をした時に参考にした研究論文なんかが高橋山の研究施設にあるんですが、要りますか?」

「本当かい?助かるよ」

ちょっと感慨深い思いで三人はお互いを見た。

「自分の夢を追いましょう!」

「ああ!」

正太郎は一馬と進一とかたい握手をした。




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