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第九章☆解説君、飛行機を操縦する
飛行機の操縦のゲームで、『Fright Simulator』というのがあった。さっそく取り寄せて、解析して解説君に操作を覚えてもらう。
次に、最寄りの空港に隣接する航空サービスの施設に赴き、数ある飛行クラブの中から研究に協力してくれる飛行クラブを探しだし、実際に一馬たちも空を飛んでみた。
ビーチクラフトという機体で、長崎空港や宮崎空港や熊本空港などに飛んだ。
「専ら晴れて風が強くない日を選んで飛んでますね。それでも、操縦の仕方によって気圧の変化とかに体がついていかない人、体質的に飛べない人もいます」
山岳地帯の上空を飛んだ後、急降下して、耳抜きがうまくできずに耳がしばらく痛いこともあった。
進一はいつも観光気分で、長崎空港のお土産ショップでハウステンボスのチューリーちゃんのぬいぐるみを恵美にと買ったりして楽しんでいた。
「肝心の解説君に操縦を教えるのに、俺らもライセンスとれるくらい勉強した方が良いかな」
「なんか本格的だなぁ」
「当たり前だろ?」
「操縦席に教官に乗ってもらって、副操縦席に誰か乗って手順とか感覚とか取得する。それから解説君の出番だ」
「日本でライセンスとるよりアメリカの方が安くつくらしい」
「行くのか?アメリカ」
「う~ん」
三人とも日本から離れたがらなかった。
「宇宙開発って言ってる位なのに、日本から出れないのか」
正太郎が苦笑した。
「俺は日本が一番良い」
「俺も」
「しょうがないなぁ」
「正太郎さんは新婚旅行で解説君の操縦する飛行機に乗るんですよ?」
「行き先は、種子島くらいまでにしとこうか」
「とほほ」
「それでも、ライセンス取得はしようぜ」
「オッケー」
三人はこぶしを打ち合わせた。
計画は頓挫しそうなときもあったが、なんとか順調にいった。
小型機の操縦席に正太郎が乗って、副操縦席に解説君を乗せて何回か飛行した。
「You have control」
そう言って正太郎が操縦権を副操縦席に回した。
「I have」
解説君が答えて、操縦を開始した。
後部座席で一馬がデータをとっている。
万が一のために進一は地上からサポートした。
「よっしゃ!正太郎さん、いつでも亜紅ちゃんと結婚できますよ」
「茶化すんじゃないよ」
こうして、解説君は飛行機の操縦ができるようになった。




