290話 あいまいなう
前回までのあらすじ!
京助「タローから色々と聞いたよ」
冬子「タローの過去が垣間見えたな」
美沙「なんていうか、日本のことを思い出せたねぇ」
シュリー「ミサちゃんがそんなに暢気でいいんデスかね……」
マリル「いいんじゃないですかー? ……この話が進むと、ちょっと怖いですしー」
リャン「まぁ、マスターたちの元の世界のことですからね」
キアラ「それでは本編をどうぞなのぢゃ」
日本の話がひと段落ついたところで、俺は『トラゴエディア・バレー』についてふと思案する。
「……行くとしたら、かなり大変だろうね」
Sランカー三人でも大変という『バルバミューダ』を超えた先にある、魔族の城。この二つを攻略して、やっと調査に行けるの場所だ。
並大抵の道のりではあるまい。
「『バルバミューダ』だけでも、人生で二度も三度も行きたい場所では無いからな」
タローの苦笑。俺はそんな彼を見ながら、腕を組む。
(これ以上ない、手掛かりだ)
元の世界、地球、日本。
そこに帰る手掛かり。
最終的に『どうする』のかは置いておいて、知らねばならないことだろう。
過去の異世界人が最終的に向かった場所、土地。そこに何があるのか。
「協力に関しては、すぐに答えを出してくれなくていい。どうせ年単位で準備が必要だからな。ただ、それはそれとして――」
チラッと、美沙とリャンに目をやるタロー。
「君ら二人に会わせたい人物がいる。君たちのレベルアップに貢献出来ると思う」
「私たちに」
「ですか?」
何故か分割して問う、冬子とリャン。妙に息ピッタリでちょっと笑ってしまう。
「ああ。これでもミスピアの師だ、次のレベルへの足掛かりはちゃんと用意している。そしてミス冬子、君は次のステージに上っただろう? ささやかながら、祝いも含めて紹介したい人がいるんだ」
冬子とリャンは顔を見合わせ……そしてクルッと俺の方を見た。
「会いたい。いいか?」
「もちろん。リャンは?」
「……そうですね、レベルアップは必要不可欠です」
リャンの言う通り、俺たちはこれからもどんどん強くならなくちゃいけない。吸収できるものはしておいた方がいい。
「それにしても、用意が良いね」
「……最近、亜人族の国が妙にキナ臭い。かの国が攻め込んで来るのであれば、当然あの男も攻略する必要があるだろう」
あの男――覇王。
その名が浮かんだ瞬間、俺はグッと身を乗り出す。
「あれは俺が倒す」
「……君は相変わらず、彼のことになると目の色が変わるな。ま、要するに魔族だけでなく亜人族も攻勢が活発化してくる恐れがある。それに備えて、実力者たちは皆後進を育成しているんだ」
……なるほど。
魔族が攻め込んできているだけじゃなくて、獣人族の国もか……。
そして、そこには覇王がいる。
これは俺ももっと強くならないとね。
「噂だが、あのミスターシロークが、第一騎士団の団長になるかもしれないらしい」
「……第一騎士団の団長って、Sランク並みの実力が無いとダメなんじゃないの?」
「ああ。だから、ミスラノールが鍛えたんじゃないかな」
なるほど、それくらい後進育成に余念がないと。シロークの方がラノールよりも年上のはずだから、後進というと少し違う気がするけど。
「そんなわけだ。どのみち、君たちのように将来有望な若手には強くなって貰う必要がある。理解したかね?」
「ん、わかった。いつ頃会えるの?」
「明日には来るだろう。彼らも忙しいし――修業は、午前中だけとかになるんじゃなかろうか。君らもバカンス中だと言っていたし、ちょうどいいだろう」
いや、冬子とリャンだけ修行してる中、俺たちだけがバカンスを楽しむわけにいかないじゃん……。
「そうか。まぁ、その辺も含めて彼女らと相談してくれ。私の知人だって暇じゃない、どのみちそんな長期間君らに教えるなんて無理さ。せっかくだし君たちも一か月くらい休んだらどうだ」
バカンスを後ろにずらすってことか……。
「どうする?」
「バカンスの期間はお前次第だろう。修行はしたいが、そこを伸ばすかどうかはお前に任せる」
「え、なんで?」
「お金出してくれてる人の意向次第でしょ、長さなんて。京助君が全額出してるんだから、当たり前じゃん」
……ああ、なるほど。
「じゃあ、一か月くらいいいかな」
「お金的なことを言うならー……向こう三年くらいは働かなくてもよさそうですけどねー」
流石にそれはどうだろうか。
「マスターが気になさるんでしたら、それらも含めてまたみんなで話し合いましょう。我々はチームなのですから」
「……そうだね。ありがと、タロー。とりあえず、紹介してもらった後に考えるよ」
「分かった。では彼らにもそう伝えておこう」
タローは最後にそう笑って、部屋から出ていくのであった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「どうするつもりぢゃ?」
タローと話し終えた後、俺は外に活力煙を吸いに喫煙所へ出たところで――キアラから、呼び止められた。
「何の話?」
活力煙を咥え、火をつける。ゆらめく紫煙が空に溶け、和風な旅館の一角を汚染していく。
「協力するか否か――それ以上に『もしも、元の世界に戻れるなら』の話ぢゃ」
キアラのストレートな問い。
誤魔化そうかと一瞬頭に浮かぶが――キアラの眼を見て、これは本当に答えるまで離してもらえないなと悟りすぐにあきらめる。
「……『こっちの世界に戻ってこれるなら』、俺は一度向こうに戻ると思うよ」
「――おや。思ったよりもすぐに返答したのぅ。かなり驚きぢゃ」
目を見開いて、笑みではなく驚きの表情になるキアラ。少しだけ間を開けて、次の質問をぶつけてくる。
「では……『こちらの世界に戻れないが、向こうの世界に戻れる』なら、どうするのぢゃ?」
彼女は煙管に火を入れて、ぷかっと煙を吐き出した。
俺は煙を吸い込んで、壁に背をつける。
「どうするんだろうね」
「……締まらん答えぢゃな」
「仕方ないじゃん」
元の世界に戻りたい、帰りたい。
俺にとってそれは『当たり前』のことだ。
あっちの世界に残してきた親も気になるし、小説家になる夢もある。あの時の平凡な日常だって……。
「でも、うん。……そうなんだよね」
ほんの少し前までは、こっちの世界に残ることは考えてなかった。
リャンたち、仲間が出来てからでもその気持ちは変わらなかった。
でも、でも。
「……仲間って、そんなに軽いものなのかなって」
「どういう意味ぢゃ?」
「俺が逆の立場なら、一緒に暮らしてるって、その程度? って思うもの」
全部捨てて、元の世界に戻れるほど俺たちの過ごした時間は軽かったのか。
十七年分と、一年分。十七倍も違う、過ごした時間。
でも――この一年間の重さが、十七年間のそれと比べて十七分の一しかない軽さなのかと言えば全然違う。
「でも、やっぱり、うん。『仕事』の『仲間』なら……最後は、別れが来ても、割り切れるって思ってたんだ。思えてたんだよ」
なのに。
もしも、もしも――冬子が、リャンが、シュリーが、マリルが、美沙が、本当に俺のことを好きなのであれば。
俺が元の世界に戻るのは、果たして正しいことなのか。
俺は今、そう思っている。
「好かれているから、と」
「情って、あるよねぇ」
ただの仕事仲間への情と、好きな人への情。友達への情と、好きな人への情。
俺からすれば、違うものだし――きっと、彼女らもやっぱり違うんじゃないだろうか。
「……だから、今は分からない」
「今は、のぅ」
「うん。……どのみち、俺は知らなくちゃいけないことなんだ。だったら、考えるのは後で良い」
やるべきことは、やる。
考えるのは、その後で良い。
元の世界に戻る方法は――一方通行かもしれないし、そうでないかもしれない。それは行ってみないとわからない。
でも、知らないと考えることすらできない。
「まぁ、それもそうぢゃな。妾が勇み足ぢゃったかのぅ」
「どうだろう。……俺も今、自分の気持ちが分からない」
タローから元の世界の話が出た時、俺は驚いた。でも、驚いただけだった。泣いたり、喚いたりしなかった。
俺個人の話をするなら――もちろん、帰りたい。母さんと父さんにも会いたい。あの頃の日常を取り戻したい。
冬子と美沙には、出来ることなら戦いとは別の場所で……普通に一緒に生きていきたい。
でも、マリルとシュリーとリャンを何としても守りたい。
ついでに、キアラと一緒に酒も飲みたい。
そして何より――皆と絶対に、離れたくない。
「……ねぇ、全部取る方法って無いかな」
俺の問いに対し、キアラは少しだけ嬉しそうに笑うと――煙管の煙を吸い込んだ。
「……『狂ってはいない』と言っていたのぅ」
「へ?」
「『嫉妬』は、否定せんかったのぅ」
キアラの綺麗で美しい、切れ長の目が俺を射抜く。
「……え、っと」
「お主が自覚しておらんならよい。が、しかし――『全部取る』か。嬉しいのぅ。お主が我がままになっていることが」
「いや、我がままじゃダメでしょ」
俺が言うけど、キアラはニコニコと笑ったまま話を続ける。
「キョースケよ、お主はもっとやりたいことがあるはずぢゃ。気遣いが下手で、無意識に自儘に動くお主は……もっと『他人』に対して、能動的に『求めて』も良いはずぢゃ」
「……能動的に、求める?」
「そうぢゃ。お主にはそれが足りておらん。妾を見よ。どこまでも自分本位、自分基準。世界一の美女であり、同時に世界で一番偉そうぢゃ。しかし――お主は妾のことが嫌いか?」
…………………………。
「いや、まぁ、嫌いじゃ……無い、かな?」
「そうぢゃろう? 一番駄目なわがままは、『誰にも』『何も』言わずに押し通し、その上で人に察させることぢゃ。今までのお主はそれ、『察してくれ』という状態ぢゃった」
察してちゃんほど嫌な存在は無い。
俺が、それ?
「うむ。しかし、いやこれならば安泰安泰。さて、妾はあ奴らを唆し……こほん、思考誘導してくるとしようかの」
「言いなおしても意味変わってないし! 何しに行くつもり――ちょっ、何このモンスター!」
キアラが踵を返し、同時に目の前に魔力で編まれたワイバーンが表れて俺に襲い掛かってくる。
クソッ、キアラめ――みんなに何するつもりだ!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「……京助は、どう思うんだろうな。なんかもっと、目の色を変えるものかと思っていた」
「京助君、思ったより冷静だったね」
「と、いうよりも戸惑っている雰囲気でしたデスねぇ」
冬子たちは部屋に置いてあった饅頭を食べながら、まったりと机を囲む。
「美沙はどう思うんだ? 元の世界に帰る手掛かりになるかもしれないぞ」
「え? 別に。あっちの世界にいるお父さんもお母さんも、弟選んだし……幼馴染は、別の子選んだし。会う意味、あんまりないかな」
彼女にとっては『選ばれる』ことこそ至福であると、常々言っている。その過去に何があったかはまだ聞いていないが――そんな環境なら、戻りたいとは思いにくいのだろうか。
「冬子ちゃんは?」
「……私は、皆と家族になると誓った」
京助と、ピアと、リューと、マリルと、美沙と。
「家族になるからには、共に生きるものだと思っている」
温かいお茶にふぅふぅと冷ます。
「……私は両親と兄に、感謝している。育ててもらった恩だ」
彼らが、冬子にとっての家族だった。
しかし――冬子は彼らにとって子供。気の置けない中ではあったが……同等の関係じゃない。
冬子が子どもである以上、最後は『自立する』ことが彼らに対する最大の恩返しだろうと思っている。
だから、もしも日本の家族と新たな家族。どっちかを選ばなければならなくなったら……。
「私は自立を選ぶ。子どもは必ず独り立ちしなくちゃならない、そう教わってきたからな。きっと、今がその時なんだと思う」
覚悟を持って、皆と生きる。
それが、冬子にとっての答え。
「だから、元の世界に戻る方法を知っても……それが一方通行ならば、私はこの世界に残ろうと思う。京助も説得する」
方法は……今は思いついていないが、その時になったら考えよう。
「それに、元の世界に戻る方法を知るころには――私たちは皆で京助の奥さんになってるはずだしな」
「そうですね。マスターの子供もこさえて、皆で哀願すれば帰るなどと言うことも無いでしょう」
そう言って皆で笑う。京助を落として、ハーレムを認めさせて、奥さんになっているはずだ。そうなれば、京助も迷うことは無いだろう。
(……でも、結婚式に両親を呼べないのは寂しいな)
そればかりは、心残りだ。
「さて、ワタシもキョースケさんと一緒にタバコを吸ってくるデスかね」
「あ、私も――って、キアラさん?」
キアラさんが転移で現れると同時に、外で大きな魔力反応が。京助も気配も大きくなり、どうも旅館の上空で空中戦を繰り広げているらしい。
「い、一体何が」
「ああ、気にせんでも良い。それよりも、お主らに言いたいことがある」
ニヤッと笑うキアラさん。
久しぶりに――神様らしい、邪悪な笑みだと思った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「みんな、無事か!」
ガラガラ! と勢いよく部屋に入ると――そこでは、のんびりまったりする冬子たちしかいなかった。キアラは一体どこへ。
俺が部屋の中を魔術で探ろうとしたところで――リャンがいきなり、俺の手にタオルを載せてきた。
「まぁまぁ、マスター。そんなことよりも、汗をかいたようですしお風呂へ入ってはどうですか?」
「お風呂はおいておいて……キアラ来てないの?」
ニッコニコな笑顔のリャン。俺はそんな彼女にやや違和感を覚えつつも――汗をかいたことは間違いないので、タオルを受け取る。
「まぁまぁ、京助君。露天風呂が貸し切りなんだよ? 家族風呂に入るしかないでしょ!」
俺の問いに答えず、そんなことを言いだす美沙。そのことに首を傾げつつも、とりあえず彼女の言葉に首を振る。
「え……でも、この宿って水着で入るんじゃないんでしょ? せっかく旅館に来たんだし、タイミング合わせて入りたくない?」
グイグイと家族風呂の入り口の方へ押される。いや、こう……男湯と女湯の前で「じゃあ、何分後に」と約束をしてから合流するっていう、あれをやりたいんだけど。温泉宿に男女で来たら、あれをやるのが『お約束』ってやつだろう。
しかし今度はシュリーが俺をぐいぐいと押してくる。
「まぁまぁ、デス。だってキョースケさん……私たちの裸、ほかの人に見せたくないって言ってたじゃないデスか」
「い、いや、女性同士なんだからそこは……」
「まぁまぁ、マスター。せっかくなのですし貸切風呂を楽しみましょう。今なら月も綺麗ですよ?」
「まぁまぁ、キョウ君。そっちの方が色々と楽しいですよー」
色々と?
部屋の中を見回しても、キアラはいない。彼女の気配も感じられないし、何もしてないのかなキアラは。
よくわからず、困惑していると……冬子と目があった。
「京助。……私は、覚悟を決めた。お前も、覚悟を決めろ」
「え、なんで冬子だけベル○ルクみたいな画風になってるの? 何かやばいことでも起きたの!?」
「……まぁ、気にするな京助。大丈夫だ、安心してお風呂に入ってくれ」
冬子にまで言われる。
……まぁ、キアラが出したモンスターはすぐに倒したからね。もしかしたら、キアラが皆を洗脳する時間が取れなかったのかもしれない。
それならば、彼女らの言う通りお風呂に入ってもいいだろう。汗かいちゃったのは本当だし。
「……そこまで言うなら、入ってこようかな。でも、本当に大浴場じゃなくていいの?」
「ああ。さあ、入ってこい」
冬子がこっくりとうなずくので、俺は彼女らに押されるがまま脱衣所へ。
中は比較的広くて、タオルなども置いてある。この辺は本当に日本のままだ。
着替えは浴衣……の、パチモンが棚に入っていたのでそれを籠に入れ、パンツが部屋に置きっぱなしであることに気づく。
「ま、皆が入ってる間に履けばいいか」
服を脱いで、タオルを肩にかけて露天風呂の方へ。かぽーん……という擬音がどこからか聞こえてきそうなほど、そこは『露天風呂』だった。
石畳と、横に備え付けられた体を洗うスペース。やや手狭ながら、それでも十五人くらいは軽く入れそうな広さの岩で囲われた湯船。
我が家のお風呂も五、六人では入れるくらい広いけど、それでもこの解放感は圧倒的だ。
外からは見えないように竹柵と、木でおおわれており、洗い場の上にある屋根も何もかもが露天風呂そのものだ。
懐かしい――という気持ちを押さえながらかけ風呂をして、とりあえずシャカシャカ体を洗う。男なんて烏の行水。さくっと髪まで洗い終えた俺は、透明な温泉にざぶんと浸かった。
「ああ~~~~~~~~~~……ああ、ああ……」
……もう、何も言えない。
何も言えない、ああ……温泉だぁ……
「これは確かに……一人で楽しめたのは良かったかも……」
泉質は分からないけど、なんかHPゲージが回復していくような気がする。気がするっていうか、間違いなく回復してる。
これはダンジョンの疲れも取れる……
「ああ~~~~……うう……あ~~~~~……」
ああ~…………うう~……ああ……。
染みる……
「ああう……」
脳が無くなったような感覚……これ、これ。なんだろう、普段のお風呂と変わらないのに、温泉に入ると脳を丸洗いしているような感覚になる。
ああ……これだよ、これ……。
「な、なぁ。本当に行くのか?」
「大浴場に入る前はちゃんと洗わないとダメだよ?」
「ぢゃからほれ、妾が洗ってやると言っておるぢゃろ」
「わぷっ! き、キアラさん! いきなり全身を丸洗いしないでください!」
「でもこれで、そのまま湯船にダイブ出来ますねー」
「ダイブは駄目でしょう。一応、タオルでも巻きますか?」
「バスタオルを中に入れたらだめだ……うう……普通のタオルじゃ隠せない……」
「え? 冬子ちゃん、凹凸無いのに?」
「私は背が高いからな」
「ああ、ギブギブギブギブギブ! こ、コブラツイストはやめて!」
「ヨホホ……あ、あの……恥ずかしいんデスが……」
「タローさんにも言われたじゃないですかー。そろそろ一発、男女じゃないと出来ないことでアピールしていかないとー」
「いや、そうかもしれないが……」
「妾がちゃんと対策すると言っておるぢゃろ。ほれ、ちゃんと胸を張って堂々とせんか」
…………あー……温泉、気持ちいい……
やっぱ、こうやって偶にはのんびりと命の洗濯をしないとダメだね……。
それにしても、脱衣所の方が騒がしいな。俺たちの貸し切りのはずなのに……
…………俺、たちしか、いないのに?
なんで、俺が、入ってる、時に、女の子の声が?
(…………あれ?)
ガラガラッ。
お風呂場の扉が開く音。
そしてその向こうから入ってきたのは――六人の美女だった。
タロー「しかし、嫉妬に狂った男は怖いものだ」




