254話 二人飲みなう
前回までのあらすじ!
京助「イーピンとごたついた後、サリルと飲みに来たよ」
冬子「それにしても前回のイーピンは凄かったな、悪い意味で」
シュリー「ヨホホ、そうデスねぇ。それにしても、なんでキョースケさんなら分かってくれるなんて言ったんでしょうかデス」
リャン「幻想の中にマスターを見ているのでしょう」
マリル「キョウ君って唯我独尊ですけど、必要なことは取り入れますしねー」
キアラ「後はそうぢゃな、周囲に迷惑はかけぬように立ち回ることも多いのぅ」
美沙「それでは本編をどうぞー」
「この店だ。いいとこだろ?」
「へぇ、うん。男二人で飲むにはちょうどいいね」
日が沈んで、少し経って。家で早めの軽い晩御飯を食べ終えた俺は、夜の街に繰り出していた。サリルとギルド前で待ち合わせして向かったのは、『黒い睡蓮』というお店。
なんだか三マナ出そうなネーミングだが、内装はワイワイとした普通の居酒屋という感じ。ここはお酒の種類が結構豊富らしい。
「ここはな、アマイモンの焼酎が美味いんだ。普通はちょっと臭みっつーか、独特な香りがするんだけどよ。ここのは少し高い分、そういうのが少ないんだ」
アマイモン……は、確か甘いトポロイモン。サツマイモに近い味だったのを覚えている。それを使った焼酎ということは……俺はあまり詳しくないが、いわゆる芋焼酎って奴か。初めて飲むから楽しみだね。
中に入り、取り敢えずサリルのおススメを頼んでからお通しに口をつける。
「そういえば、冬子が御馳走になったみたいで。悪かったね、キルスティンにはお礼言っておいて」
お通しは茄子の煮びたしみたいなやつだった。お腹には入れて来たけど、これは結構美味しいからすいすい入るね。
「いやいや、迷惑かけちまったからな。それにキルスも女子AG仲間が出来たのは嬉しいだろうさ」
「ああ、そうか。どうしても女性AGって少ないからね」
正確には長続きする人が少ないと言うべきか。子どもを産んだらAGは続けられないってなるし、どうしても男性よりも安定志向というか早々にリタイアする人が多い。
ベテランが少ない以上、絶対数が男性に比べるとグッと減ってしまう。
「でも辞めてなんの仕事してるんだろうね」
「さあな」
まあ仕事なんて探せばいくらでもあるから、宿屋とかこういう居酒屋とかで働いてるのかもしれないけど。
「はーい、アマイモン焼酎のロックと、水割りでしたねー。お待たせしましたー」
「お、来た来た。キョースケ、お前甘口の酒は平気か?」
「俺はどっちかと言うと甘いお酒の方が好きだよ」
「そんならいいな」
飲みに来て、一杯目がエールじゃないのも久々だ。一緒に来た揚げトポロイモンを真ん中に置き、グラスを掲げる。
「んじゃ、乾杯!」
「乾杯」
キン、とグラスを軽く当ててから一口含む。
「…………っ」
「あん? 大丈夫か?」
「いやぁ……」
なんというか、かぁーッと灼けるような熱さが舌を通って喉を抜けて行った。初めてお酒を飲んだ時もこんな感じだったけど、それの比じゃないね。
そしていつものお酒は香りも一緒に……って感じだったけど、これはダイレクトにアルコールとお酒の味がする。とはいえ香りは嫌いじゃない。結構独特だけど。
ただ、それよりなにより……
「ぜ、全然甘くない……」
「……ああ、お前もしかして果実酒みたいなの想像してたのか?」
こくんと頷く。サツマイモのお酒って訊いたらそりゃ、甘い味を想像する。でもこれは違う、なんかこう……舌にべったり残る感じというか。
決して不味いわけじゃないんだけど、想像していたものと違ってビックリした。
「かかかっ、そうかそうか。それは悪かったな。初めて飲むならスッキリした口当たりの奴の方が良かっただろ」
「い、いや大丈夫。……強がりでも何でもなく、こういうお酒って分かってれば」
くいっ、とグラスを傾ける。今度は驚かない、というか普通に美味しい。分かりやすく甘かったり辛かったりするわけじゃないけど……これが本当のお酒の味ってやつなんだろうか。
「こういうのはな、こうして」
おつまみをガブッと食らうサリル。そしてそれを飲み込むか飲み込まないかという感じでグッとグラスを呷った。
「かぁーっ! っとまあ、こんな風につまみの味を酒で洗い流すって感じだな」
なるほど。
俺はサリルの言う通り、茄子の煮びたしを食べる。そしてその味がまだ舌に残っているタイミングで、グッと焼酎を飲んでみた。
「……ぷはっ。なるほど……いいね」
さっきはアルコールの味っていうか、無味じゃないけど言い表しづらい味だった。でもおつまみの味が残ってる間に飲んだことで、相対的になのかお酒自体の味がグッと強まって、舌に残っていたおつまみの味が変化して胃に流し込まれた感じだ。
「お、いいか。そうかそうか、この味が分かるなら、将来はいい酒飲みになれそうだな」
「……いい酒飲みって何さ」
苦笑いする。いやまあ、美味しいと思えるものがたくさんあるに越したことは無いと思ってるけどさ。
「ま、あんま無理すんなよ。次はちゃんと割材入っててスッキリした奴頼んでやるからよ」
いい笑顔のサリル。
「飲まし過ぎたらオメーんとこの女房達に殺されるからな」
「だから皆奥さんじゃ無いってば」
チームメイトだよ。
そう言って笑うと、サリルは少しだけ悲しそうな笑みを浮かべた。
「ま……こういうのはタローからも言われてるだろうけどよ」
サリルはそう前置きをしてから、グラスを置いた。
「今日の礼になるとは思ってねえけどよ、まあ……なんだ、お前には後悔しないで欲しいと思ってんだ。これでも可愛い後輩だしな」
「可愛い後輩って……なんだかむず痒い表現だね」
俺がそう言って笑うと、サリルはにんまりと笑みを深める。
「取りあえずもう一杯頼もうぜ。おーい!」
店員さんを呼び、鮭とばみたいなのと追加のお酒を頼むサリル。なんだかんだ言って、今日は飲むつもりっぽいね。
「素面じゃあ、まあちと気恥ずかしいからよ」
「サリルも恥ずかしいと思うようなことあるんだ」
「オメーは俺のことを何だと思ってるんだよ」
豪快に笑い飛ばしたサリルは、グイッとグラスを傾ける。結構ハイペースだ。
「ぷはぁ。……あー、昔の話だがな。俺がまだデビューしたての頃だ。半年くらいの頃だったかな、初めてアンタレスに来たんだ」
サリルはアンタレススタートじゃ無かったんだね。
「その時、初めて担当してくれたのがフィアだったんだよ。あいつもまだまだ新人でよ、何と俺の名前と宿名を間違えてギルドに登録してたんだ」
「へぇ。……あのフィアさんがミスをするなんてイメージ出来ないけど」
「そうだろう? でもな、あいつがそんなことやらかしたせいで、俺は当時周りから『三毛猫』って言われてたんだぞ」
しかも『三毛猫のタンゴ』だったんだ。ちょっと間抜けなエピソードで、プッと笑う。
「んでまあ、その件もあって当然大喧嘩よ。フィアも引かねえからよ、ギルドで顔を合わせるたびに喧嘩してたぜ」
何かイメージに無いな、二人が喧嘩って。いつもサリルが一方的にやり込められてるから。
俺のそんな考えが顔に出ていたか、サリルが苦笑する。
「そりゃお前、女ってのは年を取る度に強くなってくけどよ……男はそんなに変わらねえからな」
「あー……凄い納得」
結局マリルにうちの家じゃ誰も勝てないし。
「んで、アンタレスって住んでみると居心地がいいだろ。その時は『黒き尾羽』ってチームにいたんだけどな。リーダーがアンタレスを気に入ってよ。んでまあ、俺の根城の一個になったわけだ」
一般的なAGは二つ~三つの街を行ったり来たりしながら生活する。俺のように一個の街にしかいないAGは珍しい。
「そこから五年くらいしたかな。二十歳も過ぎて、夜の遊びも覚えて……俺は、CランクAGになった。ひい、ふう……えー、そうか。もう十三年前か」
十三年前なんて、俺はまだ五歳とかそこらだ。改めて、目の前にいるAGは大先輩なのだなと感じる。
十三年後か、俺はどうなっていることやら。
「その時にはアンタレスのAG、って感じだった。俺はCランカーになる時に独立して『白い尾翼』を立ち上げた。最初はケヴィンともう一人の三人チームだったよ」
へぇ、ケヴィンは立ち上げメンバーなんだ。
「担当はフィアだった。……お前からすりゃ大したこと無いかもしれないが、二十代前半でCランクっていうのは結構調子に乗れるレベルだ。俺はブイブイ言わせて、色んなところで女を買ったり酒を飲んだり、さんざんやったよ」
サリルは酒豪だし、今でも娼館街の常連だしね。
「当然、ブイブイ言わせてる奴が狙うのは一番美人な受付嬢よ。……でもなぁ、なんつーか喧嘩友達みたいになっててよ、正直そんな気分じゃ無かったんだわ。顔を付き合わせりゃ喧嘩して、ギャーギャーくだらないことで言い合って」
惚気にも聞こえるけど、サリル的には惚気でも何でもないのかな。
「そんなある日、フィアが……シリウスのギルドに移籍しないかって話が来たって言い出したんだ。大出世だよ、アンタレスからシリウスのギルドなんてな」
そういえば、フィアさんが以前シリウスのギルドに……とかなんとか。
マリルかシェヘラか、どっちかは忘れたけどそんな話をしていたな。
「……それを聞いて、俺は初めて焦った。慌てたよ。……あいつが遠くへ行っちまうってな」
だから、とサリルは言葉を切った。深い悲しみと……後悔をにじませた瞳で。
「俺はフィアを呼び出した。そして……こう言ったんだ。『俺が、BランクAGになったらシリウスにも行ける。そしたら……伝えたいことがあるんだ』って」
「ひゅう、カッコいい」
俺は下手な口笛を吹いてから、活力煙を咥える。灰皿を店員さんから貰い、火をつけた。
「サリルもいる?」
「……俺はこれがある」
サリルはそう言って自分のタバコを咥える。火をつけてあげると、彼は煙を肺まで吸い込んで大きく吐いた。
「俺はそこから、がむしゃらに働いたよ。強い魔物がいるって言われたら飛んで行って戦いに行った。フィアがシリウスに行くのはいつになるか分からねえが、確実に行くだろうと思ってたからな」
まあ、フィアさんはどう見ても有能だしね。今だってギルドで誰も彼女に逆らえないだろうし。
「一か月経ち、二か月経ち……半年が経った。本当ならばもうフィアはシリウスに居なくちゃいけないはずだ。そう思っていたら、噂が流れて来たんだ。あいつがシリウスのギルドへ行く試験を辞退したってな」
ぷかっ、と煙を吐き出すサリル。
「慌ててあいつのところに確認しに行ったらよ。『貴方が連れて行ってくれるんでしょ?』って」
「……えっ、めっちゃいいじゃん。超ロマンスじゃん」
つい俺の口調が変わるくらい驚いた。二人がそんな青春……いや青春って言うには微妙な年齢だけど、まあそんな感じのことをしていたとは。
「それでそれで?」
俺がグイッと身を乗り出すと、そのタイミングで二杯目のお酒がやってきた。ついでにおつまみも。
サリルに習った飲み方でおつまみ、お酒の順番にグッと呷る。ああ、確かにこれは美味しい。
「ぷはぁっ」
「くはぁっ。あ~、美味え」
サリルも焼酎ロックをがぶっと飲み、勢いよくグラスを置く。
「そこから……三年くらいかな、死ぬ気で働いたよ。俺の人生で一番働いたんじゃねえかな、あの時期は。メンバーも入れ替わりつつ、『白い尾翼』をそれなりのチームにしていった頃……とある魔物と出くわした」
とある魔物。
グラスをグッと……潰れそうな勢いで握ったサリルは、そのまま一気にお酒を口の中に流し込んだ。
「お水貰おうか?」
「いらねえ。それより酒だ。すみませーん!」
お水二杯と、お酒を二杯頼む。俺も二杯目飲み終わってたよ、いつの間にか。
「ハンマーオーガ。Bランク魔物が出たって聞いて、俺は当時のメンバーと一緒になって狩りに向かったんだ。こいつを倒せば、Bランク。三年越しに、フィアとの約束を果たせるってな」
勢いはあるが、覇気のない声。
「ハンマーオーガを討伐したが、俺は全治半年の重傷、メンバーの一人は死亡、一人は再起不能。一番傷の浅かったケヴィンですら一か月以上、治るまでかかった」
声のトーンを落とすサリル。今のサリルからは考えられない大敗だ。そこまでなる前に、サリルならちゃんと逃げる。
それほど……焦ってたってことなのか。
「無事だったメンバーは田舎の親元に帰って、俺とケヴィンだけがアンタレスに残った。でもその日、俺は悟っちまったんだ。ああ、BランクAGなんて夢のまた夢だったんだ、ってな」
夢のまた夢。
明るい言葉として、前向きな言葉として使われるのが『夢』という単語だけど……こうして聞くと、痛いほどに悲しい言葉だね。
「暫くしてフィアが見舞いに来てくれたんだが……俺は、会うのがしんどくてよ。だから寝たふりして、手紙をそっと書いておいたんだ」
手紙なんてまたお洒落な。
……という茶々は心に仕舞い、頷いてサリルの言葉を促す。
「『俺は、シリウスに行けそうもない。お前の夢を奪って済まなかった。これから俺は、アンタレスでずっと働く』ってな」
「……ああ」
サリルが何を言おうとしたのかは……流石に、何となく分かる。これで『向こうで一緒に仕事しようぜ!』とかだったら、足の骨を三、四本折られても仕方が無いからね。
でも、それは無理そうだと。だから、一人でシリウスに行ってくれと。
「ただ……俺が、最初のチャンスを不意にしちまったせいだろうな。あれからフィアがシリウスに行くって話はパタッと無くなっちまって……」
グッと、酒を飲み干すサリル。
「俺のせいだと思ったよ。あいつが幸せになれなかったのは。あの時、俺が引き留めていなければ……きっと、あいつはシリウスに行って、もっと有望なAGと一緒になって……そうじゃなくても、もっと出世して。とにかく、あいつの全ての可能性を奪ったのは俺だ」
酒が回って来たか、少しだけ俯きながら喋るサリル。
「何度も見合いをセッティングしたし、フィアから渡された依頼はどんな奴もこなして、あいつの評価が上がるように頑張った。……でも、あいつはアンタレスから離れなかった。誰とも、付き合わなかった」
サリルは項垂れて、トポロイモンの揚げ物を食べる。
「あいつは……無茶苦茶美人だ。有能だ、飯も美味いし……あいつ掃除も出来るんだ。何でも出来るスーパーウーマンだよ。だからよ、俺みてえな奴をほっとけばいいのに……あいつも、強情だからな」
「優しいとかじゃなくて、強情なんだ」
「おお。あいつはたぶん、あの時の選択が間違いだったって思いたくないんだろ。失敗なんて許せないタイプだからな。だから……今でも俺の世話を焼くんだろ。今でも……俺の、腕の中で眠るんだろ」
腕の中で、ね。
「俺は……あいつのことを幸せにしてやれねえ。だから、結婚も何も出来ねえ。でも、あいつは『幸せだ』って思いたがる。だから俺の世話を焼いてくれるし……今でも、優しくしてくれる。それで、俺は未練たらたらだから……突き放すことも出来ねえ。何もかも中途半端で、あいつのことを何とも思ってやれないのが……俺、だ。もうあの日から十年だぜ? 若手のAGが一人前のAGになれるくらいの時間が経っちまった」
そうか、その話って二十六くらいの頃の話なのか。
「あの時、諦めないでBランカーを目指してたら。もしくは、いっそ開き直ってあいつと結婚でもしてたら……何も、俺は選べなくって、選ばなくって。それで歳だけ取っちまった」
サリルはそう言うと、灰皿に活力煙を押し付けた。そしてグラスを掲げる。乾杯するみたいに。
俺も思わずグラスを掲げると、サリルはフッと笑った。
「だからよ、キョースケ。若いうちだ、若いうちにハッキリさせとけ。何を悩んでんのか知らねえけどよ、今のうちに選択すれば……後悔出来る。やり直せる。選ばないと、何も動かない。何も動かないと……どんどん、動けなくなるんだ」
今のうちに選択すれば、後悔できる。
不思議と、サリルの言葉が胸に突き刺さる。
「いいか? 人生で本当の『失敗』があるとすれば、それは『何もしない』ことだと俺は思ってる。自分で、選べば、選択すれば……どんな結果であれ、前に進める」
「至言だね」
「酔っ払いの戯言だ。……ま、お前の周りは有能なヤツばっかりだからな。たまにはこういう失敗談もいいだろ。成功体験ってのは、様々な要因が絡まり合ってるからどこを真似すればいいか分からんが……失敗談ってのは、だいたい何が悪いのかハッキリしてるからな」
それは確かに。
俺はフッと笑い、サリルのグラスに自分のグラスを軽く当てる。チン、と軽い音を鳴らしてからグッと流し込んだ。
「ああ……さて、今夜は飲もうぜキョースケ!」
「いいよ。どうせ明日は予定も無いし」
サリルはニコニコと、少し無理のあるような笑みを浮かべる。でもまあ、彼の言うことは理解出来るしそうすべきなのだろうと思う。
(選択か……)
サリルが今回、イーピンのことを俺に行って来たのは……その選択の一つだったのだろう。どうにもこうにもならない、ってわけじゃ無いのだろうが……一番彼にとっていいと思う『選択』をしたわけだ。
それが良いとか悪いではなく、立ち止まってはどうにもならない。
(ああ、そうか)
俺は立ち止まっているのか。
誤魔化しているつもりで、俺は前に進もうとすらしていなかったのか。そんなことにも気づいてなかったのか。
……グッとグラスを掴むと、俺は焼酎の水割りを流し込む。勢いよく流れ込むアルコールの熱さが、俺の体温をカァーッと上げる。
「……よし、もう一杯飲むか!」
「お、なんだキョースケ。一気に行くじゃねえか。飲め飲め!」
サリルが店員さんを呼んで、酒の追加を頼む。もう何杯目だったか、俺もサリルも来ると同時に空にするレベルで飲んでいく。
「ぷはぁー! サリルは飲むとアックスオークみたいに赤くなるんだね」
「ぷあぁー! あ? 誰がアックスオークだ。俺はちゃんと野菜も食ってるから魔物じゃねえよ!」
「いやそこじゃないでしょ。確かに魔物は生物以外食べないらしいけどさ!」
「俺は焼いた肉も食うしな!」
わっはっは、と酒を飲みながら軽口を叩く。
彼の言う十年後、二十年後も――こんな風に笑っているために。
俺は、どんな選択をすべきなのか。
サリル「まさか酒飲んだだけで終わるとは」
京助「芋焼酎美味しいよね」




