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異世界なう―No freedom,not a human―  作者: 逢神天景
第十章 それぞれの始まりなう
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233話 女同士自己紹介なう

前回までのあらすじ!

京助「恋バナしてたよ」

冬子「なんだそれは京助!」

リャン「なんですかマスター誰が好きとかそんな話をしたんですか!?」

リュー「ヨホホ! ……ちなみに何方としていたんデス?」

美沙「皆食いつきすぎですよー。それで京助君……どんな話を」

マリル「はいはい、皆さんそこまでですよー」

キアラ「それでは本編をどうぞなのぢゃ」

「というわけでマスターが帰ってくるまで待ちますか」


「何を用意してくれたんだ?」


 ガチャ、と京助の部屋に入ると、中では結構美味しそうな匂いがしていた。これは肉まんだろうか。


「というかどうやって用意したんだ」


「私が王城の食堂へ行ってちょっと分けて貰って来たんですよー。流石にキョウ君がいないのにお二人を歩かせるわけにはいかないですからねー」


 マリルさんがこちらのブイサインを見せる。言われてみればリューさんはまだしもピアは誰がどう見ても獣人だ。あまり出歩くのは考え物かもしれない。


「ただ京助はもう少しかかりそうなんだ。せっかくの肉まんが冷めるな」


「冷めたら京助君の魔法でちゃちゃっと温めたらいいんじゃない?」


 それはその通りだが、レンチンで温めたものと出来立てには大きな差があると思う。

 部屋の中には六人。キアラさんはベッドに寝転がっているので、座る場所が無い。


「キアラさん、起きてください。部屋が狭いんですがどうします?」


「なんぢゃ……気持ちよく寝ておったのに。誰かが誰かの膝の上に乗ればいいんぢゃないのかの?」


「じゃあ誰が京助君の膝の上に乗るか勝負しようか!」


「アホか! ……まあ、京助の膝の上は冗談にしてもキアラさんがベッドをどいてくれればギリギリ皆座れるんですけどね」


 冬子がそう言うと、キアラはしぶしぶ起き上がって壁にもたれた。ベッドが壁側に張り付いているから出来ることだが、女性なのだから胡坐をかくのはどうかと思う。

 ……あまり自分も人のことは言えないが。


「まあ詰めれば何とかなるか」


「京助君をベッドの真ん中に座らせようね」


 ふんすと鼻息荒くそんなことを言う美沙。冬子はため息をついて、彼女を椅子に座らせる。


「京助をベッドにおしやるならお前はそこだ」


「いや冬子ちゃんがこっちでいいよ? 私はピッタリ京助君にくっつくから」


 あまりにも露骨……というかあけっぴろげな物言いに呆れるが、同時に羨ましくも感じる。ここまで言えれば怖いものなど無いだろう。


「ヨホホ、お茶が入ったデスよー」


 リューさんがそう言って皆にお茶を配るので、冬子たちはそれを受け取って一息つく。


「それじゃあ改めまして。自己紹介といきましょうか」


「ああ、そうですねー。私、正直ミサさん? のこと全然知りませんし」


 マリルさんがそう言って苦笑する。……じゃあよく知らない相手の胸を揉みしだいて罵倒していたということになるのだがそれはいいのだろうか。

 なんて益体もないことを考えつつ、冬子は美沙に目を向けた。


「じゃあえっと、改めまして。新井美沙……こっちで言うならミサ・アライです。美沙って呼んでくださいねー。氷結者なので氷魔法が得意です。京助君には二回救われました。京助君が好きです。よろしくお願いします」


 何とも言えない自己紹介をする美沙。とはいえ何故か誰も疑問に思ってない風なのでツッコまないが。


「皆さんは先に会ってますからねー。では私が」


 マリルさんがスクッと立ち上がり、笑顔を見せる。


「私はマリル・ハイネと申しますー。前までギルドの事務員をしていたんですが、今はキョウ君のメイドさんですねー」


「本来は奴隷なんぢゃがな」


「そこうるさいですよー。おつまみ作ってあげませんよー?」


 ニコニコと笑顔でキアラさんを牽制し、そのままお辞儀をするマリルさん。


「ちなみにキョウ君に命を助けられた回数は一回ですけど、助けられただけならたくさんありますよー」


「主にお金関連で、ですけど」


 冬子がボソッと茶々を入れると、マリルさんが無言で睨みつける。怖い。

 そして美沙に手を差し出し握手をして……。


「もちろん、私もキョウ君のことは好きです」


「何だこの地獄みたいな空気」


 冬子のツッコミは空気に溶け、今度はピアが立ち上がる。


「先ほどまで一緒に戦っていましたが、改めて。わたしはリャンニーピア。マスターの従者で、命を二度助けられています。そしてマスターのことは大好きです」


「よろしくお願いしますね」


 ガッチリと両手で握手する二人。心なしか笑顔が怖い。なんでこんなに殺伐としてるんだろう。

 冬子はオアシスを求めてリューの方を見る。彼女は心得たとばかりにニッコリと笑うと、堂々と立ち上がった。


「ヨホホ、ワタシはリリリュリーと申します。キョースケさんとの関係は……彼の師匠で現在は同僚デスね。彼からは一度、救っていただいたデス。そして……その、えっと、きょ、キョースケさんのことが好きデス……」


 真っ赤になってモジモジしながらそんなことを言うリューさん。そして冬子の方を見ると「場は温めておきました!」みたいな雰囲気でウインクをしてきた。


「いや何でそうなるんですか!?」


「えっ!? あ、トリは任せろ的なことかと思ったんデスが……」


「いや違いますから違うから! この地獄のような空気を変えて欲しかっただけで……!」


 冬子がそう叫ぶがもう遅い。美沙がニッコリと笑顔になってリューさんの手を取って握手をする。

 さしものリューさんも顔が引きつっているが、一応笑顔を返してその手を握り返した。そして何故か美沙の視線が冬子の方にも向く。


「で? 冬子ちゃん、自己紹介は?」


「は? ……いや、何を言ってるんだ美沙。私とお前はもともとクラスメイトだし、昨日も一緒に戦ったし――」


「冬子ちゃん、自己紹介は?」


 冬子の発言を遮って笑顔の圧をかけてくる美沙。チラリと部屋のドアを見ると、いつの間にかノブが凍らされていた。逃げ場はないらしい。


「……佐野冬子。京助との関係は……元クラスメイト、友達、そして今は同僚か」


「それで?」


「京助に命を助けられた回数は……たぶん三回。アラクネマンティス、ゴーレムドラゴン、そして覇王だからな」


「それで?」


「……ああその通り。私も当然京助のことが好きだ! じゃなきゃ一緒にいるものか!」


 何故か周囲が「バレバレなのに何故隠そうとするのか」とか「そもそも隠せているつもりだったのか」とか聞こえてくるが無視。

 美沙は冬子の宣言を聞いたうえで……微笑み、やれやれという風に首を振った。


「やっぱりハーレムなんだね、『頂点超克のリベレイターズ』」


「京助は絶対に否定するだろうが、はたから見たらそうだろうな」


「まあ客観的な視点は大事ですね。マスターが気づいているか甚だ疑問ですが」


「ヨホホ……ま、まあキョースケさんはきっと純粋なんデスよ。きっと」


 苦笑いするリューさんだが、一切フォローになっていない辺り、京助の鈍感さに対しては思うところがあるのだろう。

 というか……


「あれだね、京助君って……四人から好かれて、しかも同じ家に住んでてずっと一緒にいて、それでいてなお気づいてないんだね。凄いね」


「冷静に整理するとそういうことになるな」


 冬子がそう言って頷くと、ピアが真剣な表情で顎に手を当てた。


「……マスターは、もしかして女性を愛せないのでしょうか」


「いや流石にそれは無いと思う」


 前の世界で、男子同士の友情を越えた情熱をぶつけ合う本を彼に見せたことはあったが、あまり興味を示さなかった。普通に読み物として読んで感想をくれた。

 ……どこまで行ったらNGになるのか楽しくってRがつくものまで読ませたのは内緒だ。しかも全部普通に感想くれたし。


「キョウ君ってば私が手を繋ごうって言っても微塵も『そういう』空気出さないんですよねー」


「えっ……ま、マリルさんはキョースケさんと手を繋いだことがあるんデスか……?」


「キスした人が何を言ってるんですかリューさん」


「というかキスされてるのに好かれてるって思わないのは重症では?」


 そういえばアレでもダメならそれ以上しかないような。……いやそれ以上とは?


「何にせよ、マスターに女性を……というか恋愛を意識させるのは至難の業ですね」


「至難の業というか、殆ど無理な気がしますねー。のんびりいってもいいんじゃないですかー?」


 マリルさんが暢気なことを言った瞬間、美沙がにやりと楽しそうに笑う。


「そうですね。のんびりいきましょうのんびり! その間に私は京助君の子どもを孕みますから」


 語尾に音符でも付きそうなほど弾んだ声を出す美沙。冬子もリューさんも顔を引きつらせ、ピアさんがうんうんと頷いた。


「いいことを仰いますね。確かにマスターはどちらかというと責任感の強いタイプで、押しに弱いですからね。押して押し倒して最後まで行ってしまえば勝ちでしょう」


「いやさせないからな? 特に美沙」


 冬子が美沙の頬を引っ張って制裁を加えると、


「ヨホホ……でも、ワタシが押し倒した時はかなり抵抗されたデスよ」


 リューさんがちょっと苦笑してそんなことを言いだした。……押し倒した?


「あの、リューさん……それは聞いてないんですけど」


「えっ」


 なんか素で驚いた表情になるリューさん。


「……今のは無かったことに」


「ならないので白状してください」


 ピアに背後を取られ、腕を拘束されるリューさん。彼女はしょんぼりした表情で、領主と戦う前に押し倒したことを白状した。


「京助……あいつ、隠していたな……!」


「何というか、それで自制するのってもはやマスターにはついてないのでは……?」


「そうぢゃの、キョースケはチ〇コついてないのかもしれんのぅ」


 ピアがぼかして言ったセリフを拾うキアラさん。その流れで大人組がもはやぼかさずに喋り出す。


「かもしれないですねー。私も結構、露出多めの服で迫ってるんですけどキョウ君の下半身に響いてない節ありますしー」


「マスターはアレですかね、結婚するまでセ〇クスはしないとか思ってるんでしょうか」


「童貞あるあるぢゃな。お互い清く初夜を迎えたいとかそういう」


「っていうかそもそもキョウ君が脚フェチなのは分かってますけど、他にガン見してるところってありましたっけ」


「脚以外ですと……うなじ、わたしたち獣人族の耳、何だかんだ言って胸ですかね。トーコさんのヒップラインをジッと見ていたこともありました」


 唐突に名前を出されてビクッとなる。下ネタ大会は苦手なのだ。

 これ以上そっちの方に話がいかないように、そっと軌道修正する。


「その、あの……京助の性癖とかそういうことは置いておいてですね。あの、ほら。一応、美沙が新たな仲間になったんですから、美沙と打ち解けるような話を……」


「ではミサさん、キョウ君のどんなところに濡れます?」


「マリルさん!?」


「んー……やっぱりあの獲物を前にした時の目というか、敵を前にして獰猛な雰囲気を漂わせてる時とかはもううっとりしちゃいますねー。こう、疼くというかきゅんと来るというか」


「乗るな美沙戻れ!」


 思いっきり彼女の口を塞いで止めると、美沙はその拘束をするりと抜け出して、冬子の手を握ってきた。


「じゃあ冬子ちゃんは無いの?」


「へ?」


「京助君のどこに濡れ……ドキドキするか」


 乙女が口に出してはいけないセリフを言いかけて修正する美沙。女子会の時はガンガン下ネタを言うタイプなんだろうか彼女は。そんなイメージは無かったが。


「……私は、別に……」


「トーコさん、以前マスターが煙草を吸う仕草がセクシーとかなんとか」


「あああああ! い、いや違う! 確かに言ったかもしれないがそんな、濡れるとかそんなことは私にはなくて!」


「ただいまー」


「私は確かに京助が煙草を吸うシーンはいつ見てもかっこいいとおもお帰り京助、まだ入ってくるなぁあああ!!!」


「あべし!」


 ゴッ! と京助のボディに思いっきり膝蹴りをかます。北斗神拳〇承者にやられたみたいな声を出せるなら余裕はあるのだろう。

 彼をいったん部屋の外に追い出し、冬子は全員の方を向いて仁王立ちになる。


「何をさせるんですか!!!」


「いや気を抜いたトーコさんが悪いんじゃ……」


「シャラップだピア! とりあえず落ち着きを取り戻してから京助をまた部屋に入れるぞ!」


「落ち着いてないのはトーコさんだけな気がしま――あー、私の胸を下から跳ね上げないでくださいトーコさん、私が悪かったのでー」


「ぬがぁあああ!」


「マズいですね、トーコさんが壊れました」


「ヨホホ! ちょっと落ち着くデスよトーコさん!」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 男子特有のドタバタを終え、部屋を片付けてから……各々、お昼ご飯と相成った。後でキアラに壊れ物は直してもらわないと。


「ああ、そうだ京助殿。お昼ご飯の後に話があるで御座る」


「え? なんで」


「いや」


 俺の背後に誰もいないことを確認してから、そっと耳打ちしてくる志村。


「……姉と生き別れになった獣人族の子を保護しているんで御座る」


「――っ」


 そうか、と俺は一つ呟いてから笑顔を作った。

 ……リャンの話については以前に少しケータイで話していたから、頭に入れておいてくれたのだろう。


「なるべく早く会わせてあげたいけど……そっちの準備もあるだろうから一時間後で」


「了解で御座る。まあ拙者も同じ方向なんで御座るがな」


「俺もだぞ清田」


 どこから生えてきた天川。俺と志村が耳打ちしたのは聞いていなかったようだが……。


「いや、その……井川も難波も彼女の方に行ったから寂しくてこっち回ってきたんだ」


 ハーレムイケメン主人公のくせに情けないことを言う天川。勇者が友人にフラれて凹んでる漫画とか読みたくない。

 そんな二人と一緒に俺の部屋まで行くと……何だか中が騒がしい。何故かドアノブが凍ってるし。


「なんだか狭い部屋でギャーギャーやってるで御座るな」


「あの部屋の中に六人も入ってるのか……?」


 ちょっと引いた感じの天川と、のんびりした雰囲気の志村。俺はそんな二人に何も言うこと無く、凍ったノブを溶かしてから部屋の扉を開ける。


「ただいまー」


「私は確かに京助が煙草を吸うシーンはいつ見てもかっこいいとおもお帰り京助、まだ入ってくるなぁあああ!!!」


「あべし!」


 ゴッ、と思いっきりボディに冬子の膝が入り、壁に叩きつけられる。ダン! と物凄い音がして俺はズルズルと地面に落ちた。


「京助殿の彼女はいつでも刺激的で御座るな」


「別に彼女じゃないけど、ちょっとお転婆だね」


 俺はお腹を押さえつつ、よいしょと立ち上がる。


「というか清田。壁が凹んでるけど大丈夫だったのか?」


 俺が着弾したところを見てみると、確かに人の形に凹んでいる。後でキアラに直してもらわないと。


「このくらい日常茶飯事だからね」


「京助殿のところは暴力系ヒロインだったんで御座るか」


「いや、訓練でやり合うから」


 流石に普段から何も無いのに殴られたりはしない。女子同士でも喧嘩していることは殆どないんじゃなかろうか。


「どうせ冬子が他の皆に揶揄われて壊れたんでしょ」


「壊れるまで揶揄うとか凄い集団だな」


 天川が感心したように頷く。いや何で感心してるのさ。

 俺は活力煙を咥え、天川から奪い取られる。


「……城内は禁煙だ」


「風魔法で換気するから煙たくはならないのに」


 そういう理由で吸っちゃいけないわけじゃないだろうけど。俺はため息をついて活力煙を仕舞い、代わりに飲み物を取り出す。


「んー、いつになったら入れるかな」


「拙者らとお昼食べるで御座るか? 何かまだドタバタしてるようで御座るし」


 徐々に音は小さくなっているとはいえ、中はまだ慌ただしいようだ。っていうか俺が入れないって何してるんだろう皆。


「女子会で御座るかなぁ。最近、マールとシャンが女子会を覚えて拙者を仲間外れにするんで御座るよ」


「あー、分かる。俺もたまにハブられる」


 何かほんわかした会話だが、志村からは妹や娘が思春期に入って喋ってくれない……みたいな寂しさを感じるけど、天川からはモテ男の鬱陶しさを感じる。


「清田は?」


「俺は特に無いかな。割と単独行動多いし」


 俺が一人で行動することも、皆が一人で行動することも多い。俺が一人で行動してる時に皆が女子会をしていたなら、俺に感知できることでは無いしね。


「京助殿のところはあんまりハーレム感無いで御座るな。そこまで京助殿に依存していないというか」


「別にハーレムじゃないからね」


「というか、あんまり待つようなら俺たちと食うか?」


「人のハーレムで食事をする趣味は無いよ、俺は」


「天川殿のアレはまさにハーレムって感じで御座るからなぁ」


「だから俺も別にハーレムでは無くてだな……」


 そんな話をしていたら、ガチャリと扉があいた。中からはちょっとボロボロになった冬子が出て来た。


「……京助、入れ」


「なんでそんなに疲れてるのさ。……まあいいや、じゃあ志村後でね」


「で御座るなー」


 手を振って去っていく志村と天川を見つつ、部屋の中に入る。中は不自然なまでに綺麗に整頓されてる……これ、キアラの魔法で戻したね。


「で、さっきまで何やってたの」


「女子会だ京助」


「女子会に男子が入ったらぶん殴られるものだよ、京助君」


「女子会は男子禁制ですからね」


「女子会に出入りする時はキョウ君も女子にならないとダメですよ」


「ヨホホ……女子会はその、男の人が聞くには少し刺激が強いですからね」


「要するに下ネタ大会ぢゃ」


「「「「「「キアラさん!?」」」」」」


 キアラが全員からツッコミを入れられている。珍しい光景……でも無いか。っていうか下ネタ大会って何? 俺が入っちゃいけないほどの話を日中からしてたの? えっ?

 ……でもここで動揺すると何か負けた気になるから冷静に努めよう。


「下ネタ大会でも何でもいいけど、ご飯食べようか。それとリャン、後でちょっと一緒に来てね」


「キョウ君、少し顔が赤いですよ?」


「さぁ食べよう食べよう! 俺が温めなおしてあげるからね!」


 俺は用意してくれていたお昼ご飯(肉まんらしきもの)を温めなおしつつ、皆に渡す。


「何かあるのですか? はっ、まさかやっとわたしにも春が……!」


「えっあっ、いや、違う違う。んー……会わせたい人がいるんだよ」


「マスターのご両親!?」


「だから違うってば! ……まあいいや、取り敢えず食べよう。いただきます」


「「「「「「いただきます」」」」」


 さて、リャンはどんな表情を見せてくれるのやら。

京助「皆の仲が良さそうで何より」

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