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異世界なう―No freedom,not a human―  作者: 逢神天景
第九章 王都救援なう
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220話 再鍛なう

前回までのあらすじ!

京助「天川って本当に主人公属性だよね」

冬子「まあ……勇者だしな」

マリル「あのシムラって人も結構頑張ってますねー」

リャン「というか、剣士、魔法師、そして……まあ弓兵? と、結構バランスのいいパーティーですね」

キアラ「とはいえ、回復系の能力がおらぬからのぅ」

リュー「それでは本編をどうぞデス!」

 志村から唐突に電話が来たときは驚いたけど、俺たちのやることに変わりはない。この王都から魔物を一匹残らず駆逐するのだ。


「おっと」


 目の前から迫るハンマーオーガを拳で受け止め、そのまま水弾で脳天を撃ち抜く。ズバァン! と小気味いい音が響き、その体が溶ける。魔魂石もアイテムボックスに仕舞い、いっちょあがりだ。

 俺がさてと顔を上げると――冬子の背後から透明な魔物が迫っているのが見えた。擬態系の魔物だろう、放っておいても冬子が気づくだろうが念のため風の刃で処理しておく。

 スパン、と首を落とされたその魔物はスパイクカメレオン。舌が棘鉄球のようになっている厄介な魔物だ。

 辺りを見回すと他の魔物は見当たらない。この区画の掃討も終わったか。


『京助、こっちも終わった。次は?』


「キョースケよ。そこから北に五キロと伝えるのぢゃ」


「ん。北に五キロってさ」


 ケータイで志村に次の指示を。向こうは向こうで井川の転移で飛び回っているらしい。井川の魔力が掃討まで保つだろうか。


「その時は志村が何とかするか」


「京助、こっちは終わったぞ」


 冬子が魔魂石をアイテムボックスに仕舞いながら報告してくれる。俺はそれに笑顔で返事をしてからさてと気合を入れ直す。


「次は――っと、この魔力は」


 キアラに負けず俺も探知しようかと気合を入れた瞬間、消えかけている魔力を探知した。敵にやられたか、それとも別の理由か。ともかく死にかけの魔力だ、助けねば寝ざめが悪い。


「ヨハネス、エイムダムの感覚からこの魔力の場所分かる?」


『カカカッ、チョット待て。ンー……アア、ヤベェナァ! キョースケ、テメェに情報送るゼェ!』


 ヨハネスから情報が伝達される――と、これは早く行かないとマズそうだ。

 俺の使命――というか依頼はこの王都を救うこと。それは王都の人民を守ることも含まれているだろう。

 となれば、救いに行くべきだ。


「俺一人で――いや、コミュニケーション取れる人がいた方がいいか。冬子、キアラ! ちょっと来て!」


 二人を呼ぶと、冬子は目の前の魔物を切り払い、キアラはテキトーにその辺を爆発させてからこちらへ駆け寄ってくる。


「どうした?」


「死にかけてる人がいる。魔物に襲われて……というわけじゃなくて割と特殊な状況みたいだ。取りあえず俺と冬子が見に行くから、キアラはいつでも連絡を取れる状態にしておいて」


「私も行くのか?」


「うん。俺一人じゃちょっと」


 キアラは何か言いたげな顔で俺を見つめるが、特に何も言わずコクリと頷いた。


「ではこちらは妾達でどうにかしておこう。何かあれば連絡してくるがよい」


「ありがとう。じゃ、冬子こっちに」


 俺は彼女の手を引き、他の四人にニッと笑ってみせてから足に風を纏った。


「じゃあリャン、シュリー、キアラ、新井。お願いね」


「「了解」」


「うむ」


「は、はい!」


 四人が転移するのを見届けてから、俺たちも飛び上がる。

 やれやれ……なんでぶっ倒れてるのか。難波は。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 毒の進行は多少、緩められた。しかし完全に停止、除去することが出来ない。これじゃ寿命がほんの少し延びただけだ。

 ユラシルは頭脳と『職スキル』をフル回転させながら、部屋の薬を調合していく。マサトを救うために、彼と共に明日を歩むために。


「何が……何が足りないの!」


 叫べども、誰かが答えを返してくれるわけもない。今彼を救えるのは自分だけなのだ。

 毒の進行を抑えたと言っても、それは彼が死ぬタイムリミットを伸ばせただけで根本的な解決になっていない。どうにかして毒そのものを除去する必要がある。

 涙すら出ないまま、ひたすらに頭を回転させる。何でもいい、マサトを救う方法を。


「もう少し、もう少しなのに!」


 耳を心臓に当てると、とうとう心音が聞こえなくなっていた。マズい、毒を入れられた直後はあんなにも早鐘を打っていたというのに。

 何か、何か――


「な、難波! 大丈夫か!?」


「誰にやられたんだか。……毒を使う魔物なんて面倒なのがいたかな」


 ――と、そこで。

 水の蛇をかき分けるようにして二人の男女が入ってきた。両方ともマサトと同じ黒髪で、素人の自分でも分かる程エネルギーを秘めている。二人ともマサト以上。


「時間が無さそうだ。ちょっと診せて」


 黒髪の男性は槍を持ったままマサトの身体に触れる。魔力でマサトの身体を包み込んで隅々まで観察していっている。

 数秒そうしていただろうか。包み込む魔力を消すと、黒髪の男性はすくっと立ち上がる。


「うん、OK。毒は何となく解析出来たみたいだ。冬子、心臓マッサージお願い。あ、人工呼吸は冬子がやっちゃダメだよ」


「いいのか、心臓マッサージしても」


「良いらしい。そういう毒じゃないって」


 何故か他人事のように言う黒髪の男性。同行している女性に指示を出すと、そのままユラシルの後ろにある棚に近づいて勝手に薬の小瓶をいじりだした。


「ちょっ……! その棚は素人が触ると危ないです!」


 慌ててユラシルが止めに入るが、黒髪の男性は意に介さず薬品棚を漁る。一応他の瓶を倒さないように慎重に、それでいて素早く一つ一つ確認する。


「問題ない、とは言わないけど今は時間が無さそうだからね。うん、これとこれとコレで合ってるかな」


 やはり少し他人事のようにそう言うと、ユラシルにいくつかの瓶を渡してくる。ユラシルが既に試したものもあるが、いくつか本当に効くのか分からない物もある。

 彼はそれを机の上に置くと、どこからか紙とペンを取り出す。文字自体は読めないが、彼が描いているのは恐らく薬品を扱う時の器具。フラスコに薬品を入れて熱した後、氷水に入れて……最後に漏斗で濾す。

 さらさらと書かれていくのは薬品の名前。何故か「見たまま書けばいいんだよね」なんて呟いているが、そのペンの動きに迷いはない。

 彼のやりたいことが分かってきた、確かにこれならマサトを救えるかもしれない。


「ん、完成。俺に出来るのはここまで。ホントはキアラも連れてきたら良かったんだけど、何とか対応出来る人がいてよかった。悪魔に頼り過ぎるのもどうかと思うし」


「なんでキアラさんを連れてこなかったんだ?」


「王都の殲滅速度の方が優先だと思ったのと、毒だとは思わなかったから。重傷とかなら俺も応急手当できるし回復薬も持ってるし」


 よくわからない会話をしている二人をよそにユラシルは今日一番の集中力で彼から渡されたレシピ通りに『職スキル』も用いて調合する。


(マサト……お願い、もう少しもって!)


「ゆうっきっのすっずがっ、りんりーんりーん」


「京助、そうじゃない。そっちの歌じゃない。っていうか真面目にやれ!」


「まじっ、めはっ、まじっ、めだよっ。冬子、交代。……依頼に関わってるからねー」


 背後では二人がかわるがわる心臓マッサージを繰り返している。聞いたことのない言語の歌を歌いながらだが、必要な強さで押し込んでいるのは間違いなさそうなので大丈夫だろう。

 スキルの青い淡い光が自身の手を包み込む。完成だ。それを素早く注射器に入れ、マサトの方へ。


「どいてください!」


「ん」


 心臓マッサージをしていた男性を押しのけ、マサトに馬乗りになる。上半身の服はもうはぎとってある。胸骨からちょうど指二本分、そこに心臓がある。


「マサト、マサト! 戻ってきて!」


 叫びながら、丁寧に針を刺す。彼の柔らかい筋肉はするりとそれを飲み込み、心臓付近に到達する。祈りを込めてピストンを押し込んだ。

 針を引き抜き、そのまま心臓マッサージに移る。人工呼吸も加えて。


(マサト、マサト、マサト! お願い、お願い帰ってきて!)


 一秒、二秒、三秒――


「ガハッ」


 ――ヒュッ、と。口内から息を吸われる。そのままマサトは跳ね起きると、ユラシルを背後に庇ってからアイテムボックスの剣を取り出す。


「誰だお前らっ! ……って、清田? 佐野?」


「マサト!」


 上裸、膝立ちでユラシルを庇うマサトに背後から抱き着く。マサトはぎゃふん! と言いながらその場に倒れ伏した。


「マサト! マサト、マサト……っ! 嗚呼、マサト! 良かった、良かった……生きてて、生き返ってくれた。マサト! マサト、マサト……貴方まで失うかと思った……!」


「ゆ、ユラシルさん。……そうか、俺、毒を。志村のアレで。それでも、俺、生きて――んむっ!」


 振り返ったマサトの唇に、自身のそれを重ねる。舌を滑り込ませ、そのまま彼を貪る。彼が生きている――その事実を、全身で受け止めたかった。

 永劫にも思える一瞬を経て、全身を彼と密着させる。滝のように流れる涙を彼の胸板に吸い込ませ、グリグリと顔を押し付ける。


「ゆ、ユラシルさん。その、俺汗臭いんでそろそろ離れて貰えると……あと、俺、ファーストキスっつーか、その……」


 マサトが困ったような表情でやんわりとユラシルを押しのけようとするが、それを無視して更に抱きしめる力を強める。


「私もファーストキスよ。安心して」


「いやそうじゃなくて。そこじゃなくて。……その、俺、裸なの恥ずかしいっつーか……」


「なら私も脱ぎましょうか?」


「違うッス! 人! 人! 人が見てるんで! なんならアイツら俺のクラスメイトなんで!!」


 そこまで言われてハッと気づく。気まずそうな表情で四つの眼が自分とマサトを捉えていることに。

 カッ、と顔が熱くなるが今さら遅い。二人は気まずそうに視線を逸らしてから……クルリと踵を返した。


「その、ごゆっくり……」


「リア充、爆発しろ」


「ちょっ! まっ、清田! 佐野! これは違くて、っていうか待て!」


 マサトが慌てて二人を呼び止めるが、勢いよく立ち上がろうとしたせいでふらりと倒れこみそうになる。

 キヨタと呼ばれた男性はマサトの身体を抱き留めると、その場に座らせた。


「何があったの? お前ら異世……んんっ。お前ら勇者勢が苦戦するような魔物、いた?」


「色々あったんだよ。あと、なんつーか『その他大勢』みたいな言い方やめろよ。なんか、嫌だ」


「――そう。それは悪かったね。じゃあ難波、何があった?」


 そう言われてマサトは少し困ったような顔をしてから……ポリポリと頭を掻いた。


「あー……なんつーか、何かを隠そうとしてるとかじゃねえんだ。マジで入り組んだ話だから割愛してぇだけだ」


「隠し事はためにならないぞ、難波。私たちはお前を責めたいわけじゃないんだ」


 サノと呼ばれた女性がため息をついてそう言う。マサトは慌てたように手を振って、苦笑いを浮かべた。


「いやいや、マジマジ。端的に言うならこの毒はパワーアップの代償。んで、俺がこうなった原因は既に俺がぶっ倒したんだ」


「じゃあこの近辺に俺らが対処しないといけない敵はいない?」


「ああ」


 キヨタとマサトの間で視線が交差する。数秒お互い見つめ合ってから……先にキヨタの方が視線を逸らした。


「冬子。俺の責任でこの場に魔物はいないと判断する。これ以上時間を使うのは無駄だ」


「ああ、私もそれでいいと思う。……ただそれ以上に」


 サノは視線を部屋の奥にやる。毛布にくるまってブツブツと譫言を呟いているセシルを見て、キヨタはどこからともなく瓶を出した。

 そしてセシルに近づくと、彼女の額に手を当てる。彼が手を離すとセシルはスッと目を閉じた。どういう理屈か分からないが、彼が眠らせたらしい。


「キアラに診せても無理そうだ。難波、三人とも近くの避難所でいい?」


「は? いやいや、俺は戦うぞ。こっからじゃねえか、俺が復活すんのは」


 立ち上がろうとするマサトを慌ててとどめる。キヨタはそんなマサトの額を小突き、口に瓶を押し込んだ。


「もごっ!」


「お前は彼女から熱いベーゼを貰って復活した気になってるみたいだけど、身体はガッタガタだ。そんな状態で戦場に送り込むバカがこの世のどこにいると思う?」


 マサトはギラリとキヨタを睨むが……次第にその眼を伏せていく。少し冷静になって理解したのだろう。己が即座に戦場に出れる体じゃないと。

 マサトは悔し気に顔を歪めると、瓶を握りつぶした。


「ならせめて王城に連れてってくれ。あそこなら温水先生と空美がいる。即座には無理でも素早く戦線復帰できるはずだから」


「それくらいなら。冬子、彼女らを抱えて」


「あ、ああ。……っていうかコレ、なんで私も連れてこられたんだ?」


「へ? 難波が聞き分け悪かったら冬子に説得してもらおうと思って」


 マサトは一体どう思われているんだか。

 ともあれキヨタがマサトを抱え、ユラシルとセシルはサノが両脇に抱えた。いやこの持ち方は……。

 そのまま雨の降る野外へ出ると、キヨタは槍の石突で地面を突いた。


「転移は出来ないからマッハで……は無理かな。亜音速でぶっ飛ばすよ」


「へ? 清田、お前何言って――」


 マサトが口を開けたのはそこまでだった。とんでもない暴風が巻き起こったかと思ったら次の瞬間、ユラシルたちは雲の上にいたのだ。


「え? え? え?」


「き、清田ぁぁぁぁあくぁwせdrftgyふじこlp」


 マサトが声にならない声を上げるが、ユラシルは視界がグワングワンとなっていて現状を理解出来ない。ただ取りあえず、星が綺麗だ。


「冬子、大丈夫?」


「私は慣れてる」


「そ。――じゃ、行くよ」


「いや気遣うのはテメーの彼女じゃなくて俺ら――あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」


 マサトの絶叫をBGMに、物凄い速度で空を駆ける。そして気づけば見知らぬ場所に着いていた。門があり、周囲には木々――ここ、王城の裏門かなにか……?

 とんでもない場所に連れてこられてしまった、バレたら打ち首じゃなかろうか――マサトが王城勤務なのは知っているが。


「し、死ぬかと思った……」


 ドサリ、と乱暴に降ろされたマサトが呆然とした表情で呟く。ユラシルは彼女の手からするりと抜けて着地し、セシルはその傍らの木にトーコの手でそっと降ろされた。


「数分前まで実際死にかけてたじゃん」


「そういうこっちゃねえよ! って、叫ぶと痛ぇ……」


「難波。痛みは生きている証だぞ」


「佐野までボケんじゃねえ! お前らバケモンと違ってこっちは体中痛いんだよこっちは! あ痛たたたた……」


「リア充だから爆発したんでしょ、血管が」


「テメーに言われたかねえな」


 マサトは二人に怒り笑いという奇妙なものを見せながら、ふらふらと立つ。ユラシルはそんな彼に寄り添うと、そっと支えた。


「じゃ、無理しないようにね」


「難波、ちゃんと空美に診せろよ?」


「おう、もちろん。取りあえず、俺は出来ることをやるさ」


「それでいいと思うよ」


 じゃあね、と言って空へ消えていくキヨタ。それをぼんやりと眺めたマサトは大きなため息をついて地面に座り込んだ。

 そして数秒、空を見つめてから……改めて、ユラシルの方を振り返った。


「――っ」


 息を呑む。彼の瞳に吸い込まれそうで。

 マサトはユラシルの手を取ると、グッと引き寄せた。絶対に離さない――そう感じられる程強い力。

 今まで通りの優しい瞳、なのに何故か吸い込まれそうになる。


「ユラシルさん……俺、さ。ずっとずっと……どうしようも無い奴だったんすよ。その場しのぎ、明日も考えず、何も生まない、何も達成しない。そんな日々をずっと過ごしてたッス。たぶん、セシルさんに言い寄っていたあの時も……セシルさんが好きだったんじゃない。彼女が何となく欲しい、それだけで俺はあの花屋さんに通ってたんす。俺は結局、人生で一度たりとも本気じゃなかった」


 でも、と。

 マサトは一つ区切りを入れてから笑顔を見せた。


「ユラシルさんに連れ出してもらって、何回か遊びに行って。何でか、貴方のことしか考えられなくなっていっていたんす。たぶん、そうじゃなけりゃあの時――きっと、助けに行けてない」


 何かを見抜くように、見透かすように。

 ユラシルはつい逃げそうになって、マサトに手を握られていることを思い出す。ああやっぱり、このためだったのか。

 マサトは分かっていたのだ、こんな展開になったらユラシルが逃げることを。


「生まれて初めて、本気になれた。貴方がいてくれたから。……ユラシルさん、好きです。大好きです。俺、ユラシルさんのこと……たぶん、今後スゲェ色々あると思うんです。それでも、それを全部全部ひっくるめて、守りたい。一緒にいたい。それくらい、貴方が大好きです」


 飾り気がなく、取り違えの余地も無いストレートな言葉。先ほど感極まってディープキスをかました手前、自分の気持ちは彼に筒抜けだろう。

 そして――全部、ひっくるめてという言葉。

 脳裏によぎるのはボロボロになった店、心を喪ったセシル、この騒動のせいで生きているか分からない両親。

 それらを、全部。

 吹っ切るには重いそれらを、彼は一緒に背負いたいと言ってくれている。


(ああ――)


 甘えて、しまいたい。

 自分より年下の彼に。

 逡巡したからか、マサトに腰を抱かれる。逃げられないだけでなく密着せざるを得なくなる。

 もうそれで、ユラシルの心は完全に折れてしまう。愛しい人の力強い手で抱かれて、安心しない人間がこの世のどこにいるのだろうか。

 ほんの少しだけ黙った後……マサトに体重を預けた。


「ユラシル。ユラシル、って呼んで? マサト。これからは……恋人、同士なんだから」


「――ッ! は、はい。じゃねえ、ああ。ユラシル!」


 ぱぁっ、と笑顔になるマサト。そのまま背中に手をまわしギュッと抱きしめられた。ユラシルも彼の背に手をまわし、抱きしめる。

 ――これから考えなくてはならないことは多いだろう。

 だが、それでも彼とならやっていけるはずだ。

 マサトの唇がゆっくりと近づいてくる。ユラシルは彼の頭に手を回し、それに応えた。

 空はもう、白み始めていた。

難波「あー、強くなりてえ」

ユラシル「マサトなら大丈夫」

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― 新着の感想 ―
[良い点] いやぁ、なんて心温まる希望に満ちたエンディングなんだ。 ハッピーエンドって素晴らしいですね。 [気になる点] ここで完結となるとキョースケのその後とか勇者と魔王の戦いだとか、色々気になると…
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