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異世界なう―No freedom,not a human―  作者: 逢神天景
第六章 修行の時なう
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149話 期待と剣

前回までのあらすじ!

天川「盗賊団を……討伐した」

空美「それでは本編をどうぞ」

 洞穴の中を見回ったが特に盗賊団の残りがいるということは無かった。しかし代わりにと言っては何だが、小さな檻をいくつか発見した。

 その中には当然とも言うべきか、恐らく攫われたであろう人が入っていた。いや……亜人族、と言うべきだろうか。


「えっと……だ、大丈夫なのか? その子……」


 井川が天川に問うてくるが、天川だって何も答えられない。なんといっても、初めて見るのだから。

 小さな檻は三つあり、その中の二つには愛玩用と思しき動物が入っていた。衰弱はしているものの命に別状はないようで、天川達がご飯を与えたら嬉しそうに食べていた。

 しかし最後の一つが曲者だ。亜人族の少女、それも明かに乱暴された形跡がある。


「大丈夫もなにも……戦闘力はなさそうだ。このまま連れ帰っても問題あるまい」


 どういう処遇になるのかは分からないが、このような少女に戦闘力があるとは思えなかったし、仮に戦闘力があるとするならばここで捕まるだけになっているというのもおかしな話だ。

 犬のような耳、金色の髪、やせ細っており痣などがあって分かりにくいが……恐らく美女、の卵だろう。天川にロリコン属性は無い。


「念のため、加藤――はいないから、呼心。眠らせる魔法を」


「う、うん。でもその前に怪我を治さないと」


 呼心がそう言ってヒール系の呪文を唱えると、その子がぱちりと目を覚ました。

 よかった、と。そう思った天川は起きるならちょうどいいと手を差し伸べた。


「良かった、目が覚めたようだ。俺は勇者の天川明綺羅。こちら風に言うならアキラ・アマカワ。君は?」


 なるべく人に好かれる笑顔を浮かべて手を差し出すと――バシン! と。手を弾かれ、亜人の少女が一歩下がり構えた。

 それは堂に入ったものであり、我流では無いことは確かだ。

 警戒度を深め、何時でも剣を抜けるようにして天川はその子にもう一度だけ語り掛ける。


「……その、俺たちは敵じゃない。助けに来たんだ」


「嘘」


 たった一言。

 しかしその一言に込められていたのは明確な『殺意』。明らかな『憎悪』。

 やはり今まで叩きつけられたことの無い感情に、天川は怯む。


「嘘、嘘、嘘です。貴方たちは人族、つまり私たち獣人族の敵。誇り高き獣人族を、亜人族などという人の一段下に置いて呼称する汚らわしい民族!」


 今にも噛みつきそうな勢いで怒鳴る少女。あまりに早口過ぎて聞き取れなかった。

 だがその瞳にあるのは『憎悪』だけではない。確かな『恐怖』も存在している。しかしそれでも怒鳴るのを止めない。


「いいですよ、私は屈しません。どうぞ、まだ下は使い物になりませんからね。上ですか? 手ですか? ……生憎、私の身体は姉に比べ未発達なもので。使える部分は少ないですが、どうぞご自由に。ですが体は自由に出来ても心まで奪えると思わないでください、汚らわしい人族。貴方たちは獣人族の敵! 怨敵! ……姉との約束がありますから。殺せとは言いません。ですが、覚悟してください。貴方たちは、絶対に、いつか必ず……」


 尋常じゃない憎悪に、ふと洗脳の可能性に思い至る。

 呼心も同じことを思ったのか、天川の方を見て一つ頷くと呪文を唱えた。


「『天の力よ、救世主にして聖術士たる呼心が命令する。この世の理に背き、悪しき気を祓う慈しみの光を! エクセレントキュア』!」


 清らかな光が亜人族の少女を包み、そして消える。解呪成功だ。


「……さて、どうだ? これで落ち着いて――」


「何ですか、今のは。……奴隷魔法の強化ですか? ふん、飴と鞭の使い分けも知らない人族らしい解決法ですね。魔法は便利でしょうね、私たち獣人族に力で劣るからと言って数で取り囲み魔法を使う。卑劣極まりない」


「え……」


 依然瞳の奥に燃えているのは暗く、昏い、憎悪。そして確かな恐怖。怯え、

 思わず呼心を見ると、彼女も驚きに目を見開いている。


「えっと……あ、天川君。その子……もしかして」


 追花が震える声で指摘する。


「別に洗脳魔術を受けているとかそういうわけじゃないんじゃ……」


「そんな、まさか」


「……いいから、一度戻るわよぉ」


 後ろから、洞窟の外で待っているはずのヘリアラスの声が聞こえた。遅い天川達の様子を見に来たらしい。

 新たな人間が増えたことで亜人の少女の目がさらに険しくなる。


「ふぅん……まあ、その子を連れ帰るなら覚悟した方がいいんじゃなぁい?」


 どうして、とは聞かなかった。

 代わりに、天川は呼心に睡眠の魔法をかけるように頼んだ。


「呼心、頼む」


「う、うん」


 すぐに寝息をたてる亜人の少女。一つため息をついてから天川は立ち上がる。制圧した盗賊達は井川が転移で役人の場所に送ることになっている。


「じゃあ天川。俺は盗賊団を転移させてくる。木原、行こう」


「お、おう。じゃあ呼心、天川。あたしらは行って来るな」


 そう行って二人は歩き出し、なんとなーく手の甲と甲をちょんちょんと触れあわせている。向こうに行くちょっとの間だけでも手を繋ぐつもりなんだろう。

 アレで付き合っているのを隠しているつもりなのだから驚きだ。


「いいなー……私もアレくらいイチャイチャしたいなぁ……」


 チラッと呼心が天川を見る。天川は見ないフリで頭を振ると、追花が「いいなぁ……」と指を咥えて見ているのが視界に入った。

 その好意のベクトルがどこに向いているのかもわかっているため、気づかないフリしてアイテムボックスから飲み物を取り出す。

 グッと一口飲んで、さてと気持ちを切り替える。


「取りあえずその子が起きないとは思うが俺達はここで待機にするか。あとで井川に一括で送ってもらった方がいいし」


 魔法で傷は治しているが、何があるかわからない。一応待機しておいた方がいいだろう。


「ねぇアキラぁ」


 ヘリアラスさんがスッと顔を近づけてくる。


「何ですか?」


「……さっき、ココロに言われてたけどぉ。アンタぁ、アタシが塔で言ったこと忘れてなぁい? 必要以上に目が怖いわよぉ」


 疑うような目。

 ……忘れるわけがない。魔族とはいえ、目の前で焼け死んだ。

 だがあの時は、完全に燃え尽きてしまい『人が死んだ』という現実感が無かった。言い訳がましいかもしれないが、洗脳されていたことも関係しているかもしれない。

 だが、さっき目の前で本当の遺体を見て。


「っ……」


 手が震えていた。

 怖かった。

 人の命が失われるのが、恐かった。

 魔物ならばもう慣れた、なんとも思わない。

 だが、言葉を交わした相手が。

 人が。

 目の前で物言わぬ『モノ』になる。『者』が『物』になるようで。

 それが、ただただ怖かった。


「そんなんじゃ、本当に大切な時に剣を振れないわよ」


 ふと。

 普段の間延びした声じゃない。真剣な声がヘリアラスから発せられた。


(え?)


 と思う間もなく、ヘリアラスの蹴りが天川の腹に入った。


「げふぅ……」


 壁に吹き飛ばされ、めり込む。何とか立ち上がるが、尋常じゃないダメージが腹に残っている。


「あ、明綺羅君!」


 すぐさま呼心の回復が入るが、それでも痛みは抜けきらない。


「天川君!」


「貴方たちは手を出さないで!」


 ビシッ、と空気が震える程の声を出すヘリアラス。口調、語気、声量、どれをとっても初めて聞いた。

 異様な光景に、その場の全員が凍り付く。

 ヘリアラスは周囲の空気は気にせず、天川に向かって問いかけてくる。


「問うわ。……アキラ、貴方は何のために剣をとったの?」


 目つきすら違う。今までとは違う、神々しさすら感じる目つきだ。


「答えなさい、アキラ!」


 怒鳴られ、グッと腹の下に力を籠めてから言い返す。


「……皆を、守るため」


「皆って、誰? ココロ? そこのキキョー? それともアタシ?」


 即座に質問が飛んでくる。

 一瞬口ごもるが、すぐに答えを返す。


「皆は、皆です。俺の仲間、全員だ」


「なら敵は見捨てるの?」


「は?」


 間髪入れず問われた言葉に、間抜けな声を出してしまう。

 ヘリアラスは目つきをさらに真剣な物にして、問いを重ねる。


「誰を守るのか、ちゃんと決めているの? 皆って、誰?」


「だから、俺の仲間……」


「仲間だけなのね?」


 さらに目つきを鋭くするヘリアラス。

 流石に何のことかわからず、天川は言い返す。


「一体何なんですか、ヘリアラスさん。いきなり……」


 今までの付き合いで、彼女は大事な時以外はそんなに口を開かない性格なことは知っている。また、天川達に隠し事があることも。

 しかし、理不尽に何かをしてくるタイプでは無かったはずだ。

 つまりこの状態にも、彼女なりの意図をもってやっているはずだ。


「……アキラは、何のために戦うの?」


 最初の質問に戻った。

 仲間のため、そのはずだ。

 しかし最初と違い、即答できなかった。


「もしかしたら……あの子と出会わなければもう少し早くこの答えを出せたかしらね」


 ヘリアラスは……少しだけ、失望したような顔になる。初めて見る顔だ。


「……アタシは、人が死ぬのが嫌いなの」


 一言、たった一言呟かれたその言葉。

 しかし……今までにない、重みがそこにあった。


「枝神になってから、アタシは何のために技を磨いたのか忘れたわ。でも……」


 そこまで来て、ヘリアラスは苦しみだす。驚いて駈け寄ろうとするが、彼女が手を出して押しとどめたので足を止める。

 彼女は胸を抑え、ぜぇぜぇと言ってから体を持ち直した。


「今のはダメなのね……そう。ならいいわ」


 ヘリアラスはバサッと髪を振り乱し、グッと胸を張る。


「ならこれは……いいみたい。アキラ? アタシが何であなたに神器を与えたと思う?」


 塔では、顔が好みだったからと言っていた。それが本心ではないことは理解していたが。


「取りあえず……期待外れなら、アタシも少し考えがあるわ」


「何を……」


 そう言いかけた時だった。

 次の瞬間、ヘリアラスの蹴りがいきなり呼心の方へ飛ぶ。

 驚くよりも先に体が動く。『職スキル』を発動。『飛斬撃』で割込み、さらに『激健脚』を発動して盾になるように呼心の前に移動する。

 しかし今度はヘリアラスが追花に攻撃対象を変更。やはり盾になるように回り込む。


「へ、ヘリアラスさん――」


「ならこっちね」


 と、その様子を見守っていた阿辺と難波に標的を変更。天川はわざわざ回り込んでいるが、ヘリアラスは体の軸を変えるだけで攻撃対象を変更できるのだ。間に合うはずもない。


「く――!」


 止むを得ず、天川は『剛力』を発動。さらに剣の腹でヘリアラスのボディを狙う。

 腕を蛇のように絡ませ、剣を逸らすヘリアラス。ひるまず、天川は体を密着させるほど近づき、ヘリアラスの服を掴む。


「何をするんだ!」


「さぁ?」


 不敵に笑ったヘリアラスの姿が消えた。驚きに目を見開くと、まるで溶けたかのように地面にしゃがんでいた。何という体の柔らかさか。

 そしてその状態から片手を地面に付き、伸びあがるように両足蹴りを食らわせてくる。何とか剣で弾き、両手で構え――片手に、ヘリアラスの服が握られていたことに気づく。どうも、彼女がしゃがんだ瞬間に脱げたらしい。

 だが、だが。

 ヘリアラスの服はもともと、踊り子のようなきわどい服で……上は装飾の付いたビキニのようで……。


「……明綺羅君?」


「天川君?」


「……アキラ、やるわね。でもここからよ!」


「いや服を着てくれ!?」


 ……結果、ヘリアラスは両手で上半身のきわどいところを隠しながらニヤリと笑う状況になってしまっていた。


「と、取りあえず阿辺君と難波君は出て! 出て行って!」


 追花が強引に二人を追い出すと、ヘリアラスは上半身を隠したまま天川に襲いかかった。今度は――殺気、つきで。

 その殺気に中てられ、思わず服を放り投げ剣を正眼に構える。


「ふっ!」


 動きが見えなかった。

 しかし、体がまるで誰かに操られているかのように動き、心臓を狙われた一撃を防いだ。さらなる連打も、肩、肘の攻撃は防げなかったが、顎、側頭部の攻撃はなんとかいなす。


「くっ……!」


 守ってばかりではじり貧だ。そう思った天川は即座に攻撃姿勢に入る。ただ、加減をしている余裕はない。


(本気で……!)


 練習通り。ラノールさんと戦っていた時のように剣を振るう。敵の首、心臓、手の腱、ラノールさんが隙をよく見せていた部分に攻撃するが、なかなか攻撃は通らない。

 ヘリアラスの攻撃も考えていたら間に合わない。脊髄と経験が囁く通りに剣を振るい、何とかしのぐ。


「アキラ……中々ね。いえ……これはラノールって子が上手みたいね」


 右下から蹴り上げられた足を剣で防ぎ、ここだとばかりに片手で掴む。今両手が使えないヘリアラスなら、こうしてしまえば動きを封じられるはずだからだ。

 しかしヘリアラスは――両手を普通に地面につき、そこを支点にして回転蹴りで天川の剣を弾き飛ばした。

 予想外の出来事に動きが止まる。そのままヘリアラスはどことは言えないところを揺らしながら思いっきり天川を蹴飛ばした。


「ぐはぁっ!」


「「きゃああああああああああ!!」」


 二人の悲鳴。ゲホッと咳をしながら立ち上がろうとすると、ヘリアラスがこちらを見下ろしていることに気づいた。


「……さぁ、そこに武器があるわ。手に取りなさい」


 ヘリアラスの目線の先には、剣が。ヘリアラスからもらった武器――神器、『ロック・バスター』。

 一瞬で戦況を変える『兵器』であり、振るうだけで文字通り地形が変わる。

 そんな最強の武器を……ヘリアラスは、使えと言う。


「俺、は――」


 ここで、剣を取るのは正しいのだろうか。そんな甘い選択が許されるんだろうか。相手の意図を汲み取れず、自分の想いも伝えず、ただ殺し合いの兵器を振るう。それが勇者として正しい選択なんだろうか。

 彼女が天川を襲っているのは……自分が『相手を殺さない』なんて『甘い』選択をしたからだろうか。

 いや……違う、気がする。


「貴方は何のために戦うの? 仲間を守るためじゃないの? ……なら、どうするべきかわかるでしょう?」


 眼が冷たい。

 だが殴られて逆に落ち着いたのか、彼女の目に宿っている冷たさが殺意ではないことが理解出来た。


(俺が戦う……理由)


 グッと、剣を握る。

 それを杖代わりにして立ち上がり、ヘリアラスを見つめる。


「それでいいんじゃない?」


 太ももを拳で打ち付け、足の震えを無理矢理止める。困惑は後、今はやるべきことをやらねばならない。

 即ち、仲間を守ることを。


「神器、解放――」


 力が集まる。

 腕の中で暴れる『力』。それを無理矢理制御し、剣を強く握りしめる。


「砕け散れ! 『ロック・バスター』!!!」


 轟! と。

 尋常ならざる『力』が吹き荒れ、空間がたわむ。

 神器、『ロック・バスター』。その力を解放して――


「ふっ!」


 ――呼心と、追花を守るように自分たちを岩で囲んだ。

 ドームのような岩を出せるかどうかは分からなかったが、『岩魔術』なだけあってこの程度なら造作も無かった。

『ロック・バスター』から生み出される岩は頑丈だ。いくらヘリアラスが強くともすぐに破壊出来るわけはない。

 ならば、天川が死ぬまでは……外にいる二人が傷付けられることは無いだろう。

 一つ息をつく。そして天川は神器を元に戻した。ヘリアラスに向けたままではあるが、普通の丈夫な剣に元通りだ。

 その隙を逃すヘリアラスではない。一瞬で天川まで距離を詰めると、人間なら首から上が吹き飛ぶであろう威力の蹴りを放ち――ピタリ、とギリギリのところで止めた。


「……アキラ、何の真似?」


 怪訝な顔をしているヘリアラス。

 それを気にせず、横合いに落ちていた服も彼女に返した。それを受け取り、足を降ろすヘリアラスに天川は真剣な瞳を向ける。


「違う、と思うからです。貴方にこれを向けるのは」


「なんで?」


「俺は勇者です。……何が勇者なのかは分かりませんが、それでも今、貴方に神器を向けるのは違う。それだけはハッキリわかります。だって、貴方も俺の仲間だから」


 そう、何が正しいのかは分からない。

 しかし、絶対に分かることはある。

 仲間だけは、必ず守る。自分が勇者である以上は、必ず。

 キッパリと答えると……ヘリアラスはため息をついてからその場に座り込んだ。胡坐をかいて少し不満げに。しかしどこか誇らしげに。


「……もう少しだけ、答えを待ってあげる。相手の急所を的確に狙って、自分の急所は確実に防ぐ……ラノールって娘はいい指導をしているみたいだし。剣の使い方は分からないからそれは良かったわ」


「ヘリアラスさん……」


「ただし、もう少し待っても貴方がその場にいるようだったら……神器は、取り上げるかもしれないわ。それだけは覚悟してちょうだい」


 少しホッとする。取りあえず答えの猶予をくれるらしい。神器を取り上げられてしまうかもしれなかったのかと思うとぞっとするが。

 きっとこの戦いは……未だに迷い、答えを出せないまま『力』を振るっている天川への『注意』と『激励』を兼ねたものだったのだろう。


(……本当は)


 分かっていた。このままじゃいけないということを。

 でも、心の中でブレーキがかかる。人を殺していいかどうか、などという倫理的な部分ではない。もっと大きなことだ。


(俺は……勇者だ。勇者は、『誰かを守るため』だけに『誰かを殺し』てもいいんだろうか?)


 この世界には……例えばヒルディのような命を奪わないと味方が全滅してしまうような敵だっている。それを殺さないで味方に甚大な被害が出たら元も子も無い。

 それでも……勇者は、神様じゃない。だからこそ、殺す相手を、救う相手を勝手に決めていいんだろうか。


(……分からない)


 だから、きっと。

 この答えが出せた時……勇者になれるのだろう。



京助「キアラが襲い掛かってきたら困るからやらないでね」

キアラ「何故妾が襲い掛かると思っておるんぢゃ」

冬子「前科があるんじゃないですか?」

キアラ「それはベッドの中だけぢゃ」

冬子「きょ、京助!?」

京助「いや何もなかったよ?」

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