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泥酔日記

作者: 柳葉魚太郎

 世界が回転している。身体中がかっかとしていて、自分は今酔っているのだと実感した。どんどんと自分の認識する世界が狭まっていくのを感じる。今自分がどの国の、どの地域の、どの家の、どの部屋にいるかなどもうどうでもよくなった。世界が収縮する。自分の意識は自分の中へ中へと沈み込んでいった。対話は、目の前にいる友人ではなく、自分との対話へとシフトしていく。友人との会話はもはや会話の体を成していない。自分がどういう考えを持っているかを世界に発信し、それを自分の耳で聞いて、咀嚼し、自分の中へ帰っていくだけである。自問自答ですらない思考のループを行うことしかできない。人間は自分の認識する世界にのみ働きかけることができるからだ。目を開けているのも億劫なので目を瞑った。もう目の前の友人を認識することもできない。言葉を発する必要もなくなった。グルグルと頭の中を回転する思考を眺めながら深い眠りについた。

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