幕開け 俺の姉を紹介します。
ふとした思いつきで始まりました。
こんな作品ですが少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
皆さんには「姉」という生命体はいるであろうか。
姉とは一般的に弟を弄び、女性不信に陥らせる厄災のようなものでこれを回避するのはきっと不可能である。
彼女たちの悪意無き行動が弟の心と財布を凍えさせていく。
――――――――――――――――しかし…。
諸君侮ることなかれ…。
この世のすべての姉は憎むべき対象ではない…。
ごく稀に、弟に類い稀なほどの愛情を注ぐ姉がいることを忘れることなかれ
この物語はそんな姉と、反抗期?の少年のお話である
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男子高校生の寝起きとはどこの家庭も大して変わらないと俺は思っている。
目覚ましがけたたましく鳴り響き、無造作に上のボタンを押しこむ。
だるい体を無理やり起こしながら「学校めんど…。」と思いつつ歯を磨き、朝食をかじり、身だしなみを整えて家を出る。
だいたいこんな感じだろうか…。
俺の朝も特には変わらない。
少しだけ過保護な姉というトッピングがついてくるだけである。
「ユウちゃーん!ハンカチ持ったぁー?」
「ユウちゃん言うな!!持ったよ…。」
キッチンから俺の名前を叫ぶ女は俺の姉…鈴村 瑠璃
静稀二高の最強美女である。
文武両道で、後輩思いで、生徒会会長としての信頼も厚く、学校一の美少女。
…でも、極度のブラコン…。
最後が残念すぎるというのは俺の見解。
ブラコンもあの最強美女がやるとただの弟思いになってしまうから怖い…。
弟思いならぬ弟想いである。
と、そんなことを考えていると彼女…ではなく、瑠璃が玄関へ出てくる。
何が「えへへ、お待たせー(はーと」だよ…。
クソ可愛いじゃないか…。
まぁ、そんな俺も極度のシスコンなのであった…。
俺は脇の下のナイフホルダーにナイフを
瑠璃は腰の剣帯にレイピアを装備する。
俺と彼女は玄関のドアを開けた。
学校までは徒歩で30分。
チャリ通も可能ではあるのだが瑠璃の意向で歩いている。
高1の夏も終わり、まだ暑さが残る今日この頃。
少々、汗をかいてしまうのはご愛嬌。
瑠璃は腰の剣帯をカチャカチャ言わせながら歩いている。
他愛のない会話。
昨日二人で見たドラマのこと。
瑠璃が見たという黒猫の可愛さについてなどなど
恋人同士の甘い会話というよりは長年連れ添った夫婦のような会話。
二人にはそれを思わせるような風格が宿っていた。
静稀二高こと静稀山第二高校は都内でも有数の騎士を育む英才学校である。
ほとんどの生徒が身に余るような大剣や、鞘におさめられた刀などなど多彩な武装をしつつも笑顔で学校に登校してくる。
そんな光景にしみじみとしていると
瑠璃が校門で剣帯を揺らしながら俺のことを呼んでいる。
すっかり置いて行かれてしまったらしい。
俺…いや、鈴村 雄大は彼女のもとに走って行った。
側腹部のナイフホルダーを揺らしながら…。
あの、ちょっと皆さんにご協力願いたいです。
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