表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法使いになった俺、ちょっと実家に帰りたい  作者: ぼっち飯


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/23

第22話:フォンゾのとまどい

本日2回目投稿です。

21話が短かったので、フォンゾに出てきてもらったら、なんか長くなりました。

魔法を教えるためにいつも使っている、西門からちょっと離れた草原に来た。ここならちょっとくらい失敗しても周囲への被害は最低限だ。さて、記憶がないと言っていたな。なんとなく使えてしまった魔法はあるだろうか。もしあるなら、使い方を思い出していってもらえば話は早い。新ダンジョン(仮)に行きたいという下心を隠す気はない。


「君の魔法適性。昨日の話だと全属性、だったね。感覚でなんとなく使えるようになる子もいるけど、今のところ使える魔法は何がある?」


清潔(クリーン)です。」


おい今コイツ、なんつった?…いや、子どもには優しくするのが僕の理想の高ランク冒険者だ。今からできないでどうする。


「ん-、他には?」


「ないです。清潔(クリーン)には自信があります。」


「なんでだよ!」


思わず叫んでしまった俺は悪くないと思う。「清潔(クリーン)には自信があります。」キリッ!じゃないよ!なんでだよ!清潔(クリーン)なんて上級魔法じゃないか!気軽に習得できるやつじゃないぞ!なんで清潔(クリーン)使える奴が自分の魔力制御できなくて垂れ流してんのさ!


いや、落ち着け落ち着け。深呼吸だ。


「ハア…。清潔(クリーン)ができるなら魔力が動く感覚はわかるかな。」


「あ、なんかこう、モヤっとしてスルスル動く感じ?」


スルスル…発動させる時は魔力をスムーズに動かせているようだ。


「それなら効率良い操作や変換ができてないんだね。すごく地味だけど、魔力操作の基礎からやらないと大事故を起こしそうだな…。」


地味な練習を嫌がるものは多い。特に魔力操作なんて上達の実感がしにくいからな。反復練習のやり方を覚えてもらって、俺がダンジョン(推定)に行っている間に魔力の循環くらいはできるようになってもらえばいいか。初心者の内に基礎をしっかりできるようになるのが、長い目で見た時の上達の近道だ。


清潔(クリーン)みたいな魔力を大量消費する魔法を気軽にホイホイ使って、魔力枯渇なんてしたら目も当てられない。どんなに嫌がろうが、アラタには絶対基礎を叩きこもう。せめて魔力の制御を…そうだな、魔力に敏感な人があてられたりしないようなレベルくらいには習得してもらおう。そうじゃないと変な奴に利用されかねない。常識とか、危機感もなさそうだもんなコイツ。


「魔法、というのはイメージがすごく大事なんだ。魔力をエネルギーとして、イメージを現実のものにできると考えてもらって構わない。エネルギーを無駄なく使うためには体内魔力の操作の正確さが必要。」


ふんふん、とうなづきながら聞いているアラタ。なんかコイツ、妙に行儀が良いんだよな。まぁ、真面目に聞いているなら話を続けよう。


「ディヒトは身体強化ができるって言ってたけど、あれは魔力操作の応用だよ。体内魔力の知覚はできているようだし、今日一日で魔力操作の感覚を覚えられたら早い方かな。」


少しでも感覚がわかるようになれば、一人の時でもできるトレーニングがあるからな。アラタはちょっと考えているような表情をしてからおずおずと口を開いた。


「あ、イメージが大事ってことは魔力操作もイメージで何とかなったりしますか?」


ちゃんと聞いていたようで何より。それに自分で考えることもできるのか。年の割に賢い。記憶をなくすほどの一体何があったんだろう。色々なことを思い出したらどうなるのかが怖くもあるが。


「うーん、ある程度はイメージで何とかなるけど。そもそもイメージすることが難しいんだよね。一応言っておくと生き物は多かれ少なかれ魔力を持っていて、それがなくなると死んじゃうから魔力がなくなる感覚もちゃんと覚えてね。魔力はすごくゆっくり体の中を循環、えーっと、ぐるぐる回っているから最初のうちは止まっているように思えるんだよね。」


なるべくわかりやすく話すよう心掛けてはいるが、目には見えない自分の体の中の事をイメージするって結構難しい。イメージとのズレが大きければ大きいほど、魔力は言うことを聞いてくれない。


「最低限生きるのに必要な分の魔力は実はそんなに多くないから、それ以外の分は動かしても大丈夫。その大丈夫な分を自分の思い通りに動かすのが魔力操作なんだ。魔力が多い人の場合、自分の中に留めておけなくて漏れ出しちゃうことがある。そういう人の近くに、魔力に敏感な人や耐性の弱い人がいると具合が悪くなったりすることもあるから、日常生活を快適に過ごすためにも魔力操作はできるようになってほしいな。」


「はい!わかりました!」


すごく良い返事だけど、これを自分だけでやろうとすると数か月かかる。時短のために別の方法をとらせてもらおう。アラタの両手を取って、二人の腕で輪を作る。その輪をぐるぐる回るように俺の魔力を流して魔力が動くのを体験させる。これで動かす感覚がわかるようになれば、あとは練習あるのみ。のはずだった。




「なんでだよ!」


興味深そうに手を見ていたアラタは、魔力を流し始めて30秒ほどで魔力の流れに合わせて首を回し始めた。まさかコイツ、もうわかったのか。早すぎんだろ。ぐるりと流していた魔力を小さな玉の形にして、さっきと同じように巡らせ、俺の魔力を追いかけられそうか聞いてみる。まずはゆっくり。いやなんでできんだよ。徐々に早く。…だからなんでできんだよ。あー、完全にハマった奴の表情だ。そりゃこんなに早くできるようになったら楽しいよな。


一日かけてやるはずだった内容が3分で終わってしまった。良いことだが釈然としない。とりあえず昼までは魔力制御の訓練でもさせるか。


「なんでだよ!」


説明して、やらせてみたらできてしまった。10秒くらいだけど。これを長時間、更には無意識にできるようになれば、多すぎる魔力で困ることはほぼなくなるだろう。制御させながらわざと話しかける。世間話しながらでも魔力が制御できるように。制御の合間に魔力を任意の方向に操作する訓練も追加する。なんでだよ、それもすぐできんのかよ!予定より早すぎるが、午後は初級魔法をやらせてみるか。





「なんでだよ…。なんでこんなすぐ発動するんだよ…。」


なんでだろう、疲れた。初級魔法が全部一発で成功っておかしいだろ。センスの塊すぎるだろ。逆にこわい。コイツどっかの貴族の坊ちゃんだったりしないよな。…しないよな?記憶がないって言ってたけどこれも何も思い出さない方が良いんじゃないかとも思えてきた。だってその方が何かあった時に知らなかったで通せる。何かあった時に我を通せるほどのランクじゃないんだよ銀級は!





そして三日間アラタといた俺はヤケクソになっていたんだと思う。ダンジョン確定の情報をギルドから持ってきた『銀翼』の皆に普段の俺なら絶対言わないことを言ってしまった。


「アラタも連れて行こう。新ダンジョンへ。」

少しでも「面白い」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、下↓にある【☆☆☆☆☆】をタップして

【★☆☆☆☆】にしてくださると嬉しいです。なお、

【★★★★★】にしてくださるととても嬉しいです。


応援してくださる方、本当にありがとうございます。

読んでくれている誰かがいるってわかるのは、結構テンション上がります。


ではまた来週土曜日に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ