第21話:練習は嫌いじゃない
今日は夜にもう一話投稿します。
この三日、フォンゾにみてもらった俺はすごく幸運なんだと思う。だって教え方がうまい。俺が飽きないようによく考えてくれている。
フォンゾが一日かけて教えるつもりだった「魔力操作の感覚をつかむ」というトレーニングが、開始3分で終わってしまったため、午前中はみっちり操作のトレーニングをした。途中で自分の魔力がはっきりわかるようになってからはあっという間だった。目をつむって集中すると、自分を中心に半径5メートルくらいだろうか、ゆらゆらと不安定に魔力が広がっているのがわかる。
出すのは簡単だったが、しまうのが難しかった。というか魔力を「しまう」というのがそもそも間違いだったっぽい。スーツケースに入らない荷物を無理やり詰めるように押し込もうとしていると、全然うまくいかないのだ。
血液は体内で作られ続けているけれど、作られ過ぎて人体がパンクすることはない。魔力というものが体の中でどうやって作られるのかはわからないが、こういうのはきっと考えたら負けなやつだ。魔力を自分の中にしまうのではなく、制御する。自分の形を意識して、こっから外に行くんじゃねーぞと言い聞かせるように。
因みにこの魔力操作の感覚は、人によって結構違うらしい。魔力が少なければ、しまうという感覚でも十分だそうだ。そして魔力の多い人ほど制御に手を焼き、暴走することもあるんだとか。それで家が吹き飛んだりとか洒落にならない事故とか起きることもあるから、魔力量の増え始める5歳くらいの頃に検査するのが一般的なんだって。
集中してない時でもちゃんと制御できるよう、魔力操作の練習中に、フォンゾはこの世界のいろんな話をしてくれる。記憶喪失設定が生きている。地味な練習は嫌いじゃないが、フォンゾの話を聞いていると時間があっという間だ。
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