第17話:いまにみてろよ…
すみません予約を間違えてました。来週は気をつけます。
「フォンゾは疑い深い性格なんだ。慣れればすっごく良い奴だから、アラタもディヒトも気にせずそこに座って良いよ〜。」
「この空気でこんな座…るのかよディヒトお前…!」
「ルークは銀翼のリーダーなんだろ?リーダーが良いと言っているんだからアラタも座って良いと思うぞ。」
…くっ、マイペースお子様野郎め。とりあえずフォンゾとルークも座ったのを確認してから俺も座る。ソファは快適なのに全然くつろげねえ。
「まずは2人の事情を聞きたい。ディヒト、お前が1人でここにいるってのがそもそも異常事態だ。何があった?」
「一応ライゴウ殿とザックに確認して話す許可は得ているが、ギルドから何らかの通達があるまではこの話は銀翼のパーティ内だけに留めて欲しい。」
どうやら領主館で俺が着替えている間に、残ったメンバーで話し合いがされていたらしい。
「魔法使い殿の指摘通り、魔力の歪みの影響で新しいダンジョンと思われるものが発生した。一族はそれに巻き込まれて行方不明だ。俺が少し散歩に出ている間の出来事だった。で、なぜかは不明だがはぐれのワイバーンが出たりしてな。その辺の調査をライゴウ殿が進めている。」
「アラタは草原の民の子じゃないよね。なんでディヒトと一緒にいるの?」
ルークの質問に俯いて答える。
「俺、気づいたら草原にいて、何もわからなくて。草原の民に拾ってもらわなかったらどうなっていたか…。」
嘘は言ってない。草原の民(=ディヒト)だから。フォンゾがすごい見てくる。じっと見られるの、なんか気まずいんですけど…。
「親父から聞いたのと相違ないね。フォンゾ、どう?」
そこでやっと、フォンゾの視線が俺から外れた。
「うーん、怪しいのは変わんないけど嘘はついてないなぁ。」
目の間をぐりぐりしながら答えるフォンゾ。
「ディヒト、一族のことは大変だったな。…だがもし新ダンジョンだったら俺たちとしては歓迎だ。冒険者は冒険してなんぼだからな。」
「その通りだ。目立たないように少し準備をしておきたいな。で、フォンゾ。親父からの依頼だ。アラタに魔法の基礎を教えてやって欲しい。」
ルークの言葉を聞いて再び俺の顔を見るフォンゾの表情はなんかめんどくさそう?
「だろうね。なんか魔力垂れ流してるもん。はぐれが出たなら君、ワイバーンに襲われたでしょ。」
「あっ、ハイ。」
「魔物の中には魔力の含まれたものを好む種もいる。君、結構魔力多いでしょ。10歳過ぎても制御できてないのに町の外に出るのは自殺行為だよ。そもそもその年で漏らしっぱなしで放置されてるなんて、だいぶ訳アリだよ。魔法使いとしては…なんか気持ち悪い。」
めんどくさいというより、呆れてるっぽい。
「すまない、魔法使い殿。アラタは記憶がほとんどないんだ。俺も身体強化なら教えられるが、それ以外の魔法適性はからっきしだ。面倒をかけるが、よろしく頼む。」
「ザックさんからの依頼ということなら基礎くらいは教えるけど、もし新ダンジョンができてるんならそっちが優先だから、とりあえず情報が確定するまでまずは三日間。みっちり教えてやるよ。ルークはどうする?」
「ディヒトを野放しにするのもなんか心配だしな…。エデルとオスカーも一緒にヌフ観光でもするか。」
えっ何それ楽しそう。
「悪いなアラタ。お漏らししなくなったらお前も行こうぜ!」
…とりあえずディヒトの腹にワンパン入れた。当然のようにガードされた。今に見てろよノンデリ野郎!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。ではまた来週土曜日に。




