#5 .........彼氏?
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「あの人は高嶺の花」をどうぞ!
入学してから数日が過ぎ、あっという間に中間テストのテスト週間だ。
安芸「今日からテスト週間かぁ~........行事の中で一番嫌い~」
俺「本当にそうだよな.......テストなんかなければ良いのに」
そう言っている俺たちだが学生な以上、勉強はしなければならない。
とは言ったものの、全くモチベが上がらない。
それに最近は、青谷さんにも会うことができていないから.......
前にも言ったが好きな人が同じクラスにいる安芸はうらやましいよ。
そんな愚痴をこぼしながらとりあえずはテスト課題をやる。
高校によるかもしれないが明らかに中学よりも量が増えた気がする。
重い手を動かしながら習ったことを思い出しながら解いていく。
安芸「そういえば、お前進展はあったのかよ?」
俺「ここ最近はずっと会うことすらできていないから進展もなにもないよ」
安芸「そうか.......まあクラスが違えばそうなるか........」
そう言って彼は再びテスト課題に取り組み始めた。
そして放課後、俺は一人で学校の図書室へ足を運んだ。
テスト週間中だけ図書室が自習室としても使ってよいというルールがある。
それを使ってみんな勉強しようと必死だ。
図書室へ入るとそこそこの人数の生徒がいた。
俺はなんとか空いてる席を見つけてそこに座る。
なぜか知らないがふと視線を奥に向けると青谷さんがいた。
俺は心の中でガッツポーズ。やっぱ勉強熱心だなと思った。
しかしそんなハッピーな気持ちで勉強に取り組もうとしたら
青谷さんの隣に男子がいることに気が付いた。
それだけならまだよかったが青谷さんはその男子と会話をして
楽しそうな笑みを浮かべていた。
そして追い打ちをかけるようにさらに俺は気が付く。
会話をしている男子の方は誰が見ても明らかに"好意"の目だった。
俺はその瞬間"敗北感"のようなものに襲われた。
結局、その場面が頭から離れることができず勉強に集中することができなかった。
どっと疲れが押し寄せてきた俺はそそくさと帰りの準備をする。
すると、勉強を終えたであろう青谷さんが
青谷「あっ!北山君!来てたんだ!」
彼女が話しかけてくれるだけでうれしかった。うれしいけど.......
俺「あっ.......ああ、青谷さんも勉強を?」
青谷「うん、高校入って初めてのテストで意気込んでいるから!」
男子「朝日~行くぞ~」
青谷「今行く!じゃあまたどこかで!」
彼女はそう言って男子のところへ行ってしまった。
クソ.......話しかけてくれるだけで期待してしまう俺を殴りたい。
あの男子の目、青谷さんの笑顔........明らかに二人はできている雰囲気だ。
あ~........かなわぬ恋ってやつなのか........
完全に恋愛の気力が失せた俺はとぼとぼと夕陽に暮れながら帰る。
いつもより遅いタイミングで電車に乗るとそこそこ席がすいていた。
もちろん、いつもの時間じゃないため沙友里さんはいない。
高校の最寄り駅を出発してから数分.......
ある駅に止まる。俺は気にせず小説を読み続ける。
沙友里「疲れた~」
その聞いたことのあるような声に俺は辺りを見回す。
少し奥の方に沙友里さんがいるのがわかった。すると沙友里さんと目が合う。
沙友里「あれっ!?大地君!?いつもより遅いね」
俺「あっ.......はい、ちょうどテスト週間に入って勉強をしていたので」
沙友里「そうなんだ。ちなみに私は今日でテストが終わって
早帰りだったから遊んできた。で、今がその帰りなわけ」
なるほど。沙友里さんが俺の隣に座る。
沙友里「でも大地君の表情、いつもに比べて暗いけど大丈夫?」
沙友里さんに顔を覗かれるようにして言われる。
俺「だっ.......大丈夫です!少し悩み事をしたいので......」
沙友里「そうなんだ。悩み事なら私に言ってごらんよ!」
俺「別に大した悩み事じゃないですし......」
俺は少し遠慮がちに言って断る。
沙友里「そっか~.......まあ無理にとは言わないけど話したくなったら
全然話していいからね」
俺「はい、その時が来たら話しますね.......」
頭の中でぐるぐると"恋愛"の単語が駆け回る。
沙友里「......君のことだから恋愛とかかな~」
まるで俺の心を見透かしたかのようにつぶやく沙友里さん。
それに対して図星で少しひるむ俺。
沙友里「なんて......」
彼女は少し寂しそうな悲しそうな顔でそう言った。
そうこうしているうちに、沙友里さんが下りる駅に着いてしまった。
俺「沙友里さんありがとうございました。こうやって
話していたら少し気持ちが楽になった気がします!」
沙友里「......私、話していただけなんだけど......まあ、それでも
大地君の気持ちが楽になったなら私うれしいな。じゃあまた明日!」
俺「はい!気を付けてくださいね!」
俺がそう言うとタイミングを見計らったかのように電車が出発する。
肩の力を抜いて再び小説を読みだす。
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!