#40 文化祭~後編~
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「あの人は高嶺の花」をどうぞ!
教室へ戻った俺たちは、出し物の準備を行いだす。
と言っても俺は裏方のため特に準備をするほどでもない。
ただ、一つだけ行うことがある。それは出し物中の"ライト"移動だ。
よくある上からライトがあてられるスポットライトを動かす必要がある。
これまでに数回練習をしていたため失敗することはないだろう。
そうは思っていてもいざ本番直前になるどうしようという気持ちに襲われる。
俺、役者でもないのに緊張しているなんて.......役者の人たち
めちゃくちゃ緊張しているのかな......なんて思いながら体育館へ向かう。
体育館は先生や二・三年生の人たちでいっぱいだった。
二・三年生の人たちは口々に"疲れた"や"楽しみ"と言っていた。
そりゃああれだけ接客や準備をしていたら疲れるだろう。
それを今度は俺たちが癒す番だといっても過言ではない。
出し物の順番はクラス順で、1組、2組、3組……という感じだ。
そのため俺たちのクラスである1組が一番最初。
役者の人たちが最終確認を行っているのが上から見えた。
成功しますように.......俺はそう祈りながら待っていた。
すると、アナウンスが入り始める。
司会「皆さん、お待たせいたしました。文化祭出し物が始まります!
まずは1年1組の皆さんです!お願いします!」
司会の人がそういうと俺たちのクラスの役者の人たちは元気に返事をし
出し物がスタートする。俺は打ち合わせで言われた通りしっかりと
スポットライトを動かすのを忘れない。
俺が心配する暇もなく尺の8分はすぐに過ぎていった。
俺たちのクラスの出し物が終わると会場からは拍手喝采。
おそらく全クラス、そうだろうけど頑張ってきたこともあってこの
拍手喝采はすごくうれしかった。
役者の人たちがはけていくタイミングで俺たち照明係も席へと
戻っていく。そういえば、忘れていたけど次って2組だよな........
俺がそう思ったのもつかの間すぐに2組の劇が始まった。
劇はシンデレラ........そして姫役は青谷さん.......王子役はイケメン男子。
考えないようにしていても嫌でも最後の場面が脳内を駆け巡る。
物語中盤から終盤に差し掛かろうとしたとき俺はとっさに席を
立ち上がりトイレへと向かって行く。
その真実を見たくなくて俺はこうなってしまったのだろうか........
トイレにこもっていても観客から湧く声は聞こえてきてしまう。
おそらく、最後の場面がちょうど行われているのだろう。
会場の一部の人からうれしそうな悲鳴が聞こえる。
本当に俺はこれでよかったのだろうか........そんなことを俺は
必死に考える。心を落ち着かせる余裕なんてなかった。
しばらくして落ち着いた俺はトイレから出て元の席へと戻る。
すでにほかのクラスの出し物がやっていてホッと胸をなでおろす。
しかしさっきのうれしそうな悲鳴を聞く限りそういうことだろう。
そしてかなり複雑な気持ちになりながら出し物は終わる。
現在時刻は3時30分。文化祭は残り1時間程度あるが、ここからの
参加は自由となっている。もうこれ以上、彼女の姿を見るのが
嫌だと思った俺は安芸に先に帰ることを伝えバスに乗り込む。
バスの中には数人の生徒しかおらずその大半が"陰キャ"だ。
俺は彼らの心中を察して窓を眺める。俺の恋愛ってこんなんで
よかったのかな.......もっと楽しくて面白い恋愛もあったんじゃないかな.......
窓を見ながらそう思ってしまう.......ただその直後に考えたことは
彼女たちと一緒に遊んだことだ。
カラオケも行ったし海へも行った.......楽しかったな........
これが俺の最高の物語ならこの後の運命はうれしいものだろう。
しかし、現実がそれほど良いものだとは一切思っていない。
電車に乗って俺は家に着く。ベッドに大の字で寝そべる。
........いつの間にか寝ていたようだ。窓の外を見ると夕焼けが見えた。
一時間程度寝ていたのだろう。スマホを見ると時刻は5時を回ろうとしていた。
新着のメッセージが一件あることに気が付く。
相手は安芸からだった。
安芸【まああんなの見ていつも通りでいろって方がおかしいよな......
明日も休みだし、しっかり体調を整えて休み明け学校こいよ!】
まるで俺が病気で休んだみたいなメッセージだが、全然そんなことないぞ。
とは言ったものの、彼が彼なりに心配しているのは伝わった。
俺は短く"ありがとう。もちろん学校は行くよ"と返事をしてスマホを置く。
するとすぐにメッセージを知らせる音が聞こえる。
どうせ安芸からの返信だろうと思いながら再びスマホを見る。
しかし、その相手は俺が予想していた相手とは違った。
青谷さんだった......その文字を見た瞬間、俺の心がドキドキいうのが
はっきりとわかった。"恋"をするってことはこういうことなのだろう。
食い気味に俺は彼女からのメッセージを見る。
青谷【明日、公園で待っています】
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




