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2 【本題】1970/9/11より。

++++【本題】1970/9/11 ++++


俺は1965年の9月11日、Y県Y市の田舎で高橋家の長男として生まれた。


少し昔話しに付き合って欲しい。


5歳の誕生日を迎えた俺は、幼稚園で【お誕生会】を開いてもらい~ケーキやら給食やらを腹いっぱい食べて・・昼寝をしていた。


すると・・<ピコン!現在で【誕生】から5年が経過しました【権能】を開放します> と言うアナウンスが聞こえ、俺は目を覚ます。


薄暗い幼稚園で、俺だけ目を覚ますと全てが【静止】していた。


「先生!先生ってば・・<むぎゅ>おっぱいは柔らかいのに・・寝てしまっているんだ・・」


俺は1人で【昼寝部屋】を出て行くと、庭では用務員さんが庭木をせん定しながら【静止】していた。


「あ!どんぐりが空中で止まっている。」


俺は園の庭に植えてある大きな【スダジイ】の実が空中で【静止】しているのを手で触ると・・「掴めた!キャッキャ~」


俺だけが動く世界で、暫くはハシャギまわっていたのだが・・


「うえーん!<ひっく>じいちゃん・・<ひっく>ばあちゃん・・<ひっく>」

俺は急に寂しくなり・・泣きじゃくってしまった。


「おい!どうした。お前も【ここ】で動けるんだな?」と、後ろから声がしたので振り返ると・・


中学生位の【老け顔】の男子が、俺に話し掛けたのだった。


「・・うん。僕は【高橋 博】<ひっく>・・5歳だよ。お兄ちゃんは誰?」

中学生はニヤニヤと余裕タップリの表情で・・「へっへへ!俺様は【時間の旅人】芹澤様である!俺様が家まで連れて行ってやるよ。」


と言って、俺を家まで送ってくれたのだが・・


「じいちゃん!ばあちゃん・・」当然の事だが、俺と芹澤以外は【静止】した世界のままだった。


芹澤は俺に家の中の【柱時計】を示して「今は午後3時だ。お前の時間が止まったのは何時だ?」と聞いた。


俺は「う~んとね。1時だよ!」と、爺さんの膝に座って安心したので余裕を取り戻し答える。


「そうか。俺は午前10時の生まれだから、明日の午前10時には【帰る】事になるなあ・・じゃあ明日の9時までは一緒にいてやるよ!」と言うのだった。


「お母さんもお父さんも、明日まで来ないの?」と、また不安になった俺は芹澤に尋ねたのだった。


「お前の親は共働きなのか?そうでなくとも、お前は【24時間】静止した世界で動けるのだ。」と語る。(俺は24時間の意味を理解していない)


更に・・「全員じゃあないと思うが、静止した世界で動ける者を、俺は【時の旅人】と呼んでいるのだ!カッコイイだろう?」等と冗談を言い俺を退屈させない様にしてくれたのだった。


俺は安心したら空腹になり・・「おなか空いた。インスタントラーメン食べたい。」と芹澤に言うのだが・・


「駄目だな。時間が止まっている間は【車も動かない】し【火もつかない】のだ。ソーセージでも食べよう!」と言い、冷蔵庫に入っていた異常に赤い魚肉ソーセージを2人でほおばった記憶がある。



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