12 雪の降る夜に3回目の【狩り】をする話
+++2000/12/21+++
「剛くん悪いな!Y県まで来てもらって・・」
「いいですよ。【時空の行者】の仲間なんですから!」
「とりあえず、【退院】おめでとう!」と激励する俺だった。
「自業自得ですよ。今後はヘマしませんからね!」と、あっけらかんとした返事をする剛に・・
「これは退院(少年院)のプレゼント。もう成人したんだから【時間】には正確に生きなくてはね!」と言って・・
「これは【ルミノックス】ですか。へえ~黒でカッコ良いですね。」と無邪気に喜ぶ新成人に、俺は【重い話】をするのだった。
++++197X年/12/22++++
事件はY県の某市にある、農村部で起きた。
若い女性が仕事帰りに絞殺されて、田んぼのあぜ道で発見されたのだ。
乱暴された痕跡が無かった事から【同性】または【恋人】が犯人ではないかと捜査が進行するも難航し・・未解決となった。
「それで、今日は【車の中】で張り込みですか?まさか高橋刑事さんには犯人の心当たりがあると?」
俺は、剛に対して俺の推理を話した。
「殺された女性は、小学生の頃から『だれかに体を弄ばれた』と親に訴えては精神病院に通い、高校生の頃には自殺未遂も実行したらしい。高校卒業後は、近くの【親戚】で工場を経営しているオジサンからの勧めで、そこの勤め人になったが今度は【覚えのない妊娠】が発覚し、薬の量も増えたと言う。」
剛は怒った顔で「それって【行者】の仕業しか無いじゃあないですか!ぶっ殺すべきですよ!そんなヤツは。」と正義感を示すのだった。
今回俺は【剛のステータス解放】を計画していた。しかし彼の正義感や責任感がどうなのか?今一つ疑問だった事もあり、実地で確認したかったのである。
「今回、俺が犯人だと思っている男は【経営者】だ。そいつの生年月日が、女性がイタズラされたであろう日時と同じなのだ。」と告げる。
<シーン>と静止した世界となり、降っていた雪も【停止】していた・・
<モッサ モッサ> と言う足音が聞こえた。
80歳近い作業服を着た男性は、かつて女性が発見された場所で立ち止まり・・
「あいつ【合掌】していますよ・・」剛が驚いた顔で小声のまま告げる。
「チョット待て。正面から見える様に【ビデオ】を仕掛けて置いたのだ!」と言い・・当時シャープから発売されていた赤外線ビデオ(今は盗撮多発につきNG)の画面をアップするのだったが・・
「剛。これをどう思う?」「あ!こいつ・・手を合わせながら【笑って】やがる!」「決まりだな。」
<ガチャ バタン> <ガチャ バタン>
「ヒイ!」と変な声を出す80代の男の【ペ○ス】を掴み上げる俺・・
「勃起してやがる。お前!俺が昨年も見ていた事を知らないだろう?」と言うと・・
「私は・・彼女を愛していたのだ!それなのに他の男と・・<クウッ>」と言う老人を俺は・・
無慈悲に・・<ドサッ>と、地面に落とすのだった。