10 ゲットした【お宝】を換金する正義の味方の話し。
++++2026/5/16 9:30+++++
土曜日の早朝に俺はY県Y市を車で出て~F県D郡の道の駅に来ていた。
「刑事さん!お待たせ。」
「剛くん!悪い悪い。でも刑事さんは辞めてくれないか。退職したのでね。」
実は・・先日討伐した【鬼畜行者】からいただいた【空間】を覗いたところ・・
○フィギュア 多数
○ビニ本 多数
○現金 1000万?
○貴金属 多数
○書籍 多数
○未開封おもちゃ 多数
と、言った感じの雑多なものがおおかったので【買取り】してもらおうと考えたのだ。
しかし、中には盗品もある可能性もゼロではない。
いちおう、俺が待機するY警察署のパソコンで【キャスティング】して見たのだが【ノーヒット】だったので、たぶん大丈夫だろう。
さすがに自分の地元で売っては顔が知られると思い、かねてから知り合いの【行者】である【綾部 剛】に手伝ってもらう事にしたのである。
読者は「その人誰?」とツッコミをいれたくなるであろうから・・昔話を【2つ】ほどしておこう。
+++1998/9/11++++
「綾部剛!今日はY県の刑事さんが、お前さんに話があるんだとよ!」
「うへっ!俺は他県に行ってまで盗みをしたりしないぜ!」
<ガチャ> 「髙橋刑事?立ち合いは必要ですか。」
「いいえ。女性の個人情報に関する質問をするものですから・・」
「じゃあ。デカ部屋で待機しておりますんで。何かあったら【インターホン】の3番で呼んで下さい。」
「俺はカツ丼で!」
「こいつ!調子に乗って・・まあ高橋刑事の質問にもチャンと答えるんだぞ!」
<バタン> ・・・・・・・・・・・・・
「ゴホン・・」
「・・・あのう。」
「・・・・」「俺の何が聞きたいんでしょうか?」「・・・」「俺はY県には行った事が無いんですが・・」「・・・」
この頃は【取り調べ監督制度】が無かった時代なので、密室で【ぶん殴った】【蹴っ飛ばした】などは普通のことだった。
綾部剛も俺が【暴力刑事】なのか?を知りたいのであろう。
「綾部剛くん」「ハイ・・」「1980年7月7日生まれ」「・・・」「住所はF県D郡・・両親は農家」「はい・・」
ここで俺は【空気感を変える】ために・・「まあ、お茶でも飲みながら話そうじゃないか【トラベラー】君。」と言って紙コップを渡し、まずいお茶が入った急須を袖机にどかし・・コーラをそそいだ。
「いいんですか!話が分かるなあ・・Y県で留置できませんかね。」
俺が腕時計を見ると【13:58】と表示されていたので・・
「それでは・・外に行こうじゃあないか!」と言って、俺は立ち上がり、調べ室の奥の方に座っている剛のパイプ椅子に結びつけてある【汚い】紺色の綿紐を解くのだった。