ばけもの子供の物語R2
あるところに、ばけものの女の子がいました。
その女の子は、味も痛みも感じません。
それは長い間、暗い場所にずっと閉じ込められていたからです。
だから、他の子供達にばけもの呼ばわりされていました。
本当は、みんなが思う様なばけものではないのに、ばけものとして呼ばれているのです。
その結果、その女の子には友達がいませんでした。
けれど、ある時その女の子に手を差し伸べる男の子がいました。
男の子は女の子と一緒に色々な事で遊びます。
すると男の子は、その女の子がばけものではないと気づきます。
だって女の子は、とても優しかったからです。
男の子が怪我をすればとても心配してくれます。
男の子が疲れれば、すごく労ってくれます。
だから男の子は、女の子がばけものと呼ばれないようにせいいっぱいがんばりました。
最初は他の子供達は、分かってくれませんでした。
けれど、男の子の言葉を聞いて、一人、また二人と女の子の友達になっていきました。
たくさんの友達を得た女の子は、幸せそうに笑います。
するとなくしたはずの味も痛みも戻ってきました。
女の子は、男の子にありがとうと言いました。
男の子は女の子に、どういたしましてと言います。
それからは、二人も他の子供達も、ずっと楽しく遊ぶことができるようになりました。