終わってこれから
城西との試合が終わり、翌日の練習では改めて昨日の試合についてのミーティングを行った。
「よし、全員揃ったな。じゃあミーティングを始めるぞ」
放課後、空き教室で集まる。
石村さんがみんなの前に出てきた。
「まず、昨日はみんなご苦労さん。初試合で城西に勝つなんて正直思ってなかったよ」
石村さんは苦笑しながらも、皆をねぎらう。
「本当によくやったよ。色々といいプレーはあったし、今後にも期待が持てるものも多かった。・・・だが、同時に課題も見つかっただろう」
ねぎらいから切り替えてやや厳しい感じで石村さんは続けた。
「これからさらに上を目指すようなら、もっともっと強くなりたいなら、まだまだやることはたくさんある!もう春の大会もすぐ始まる。城西は確かに強豪だが、もっともっと強いチームはいっぱいいる!ここで満足していちゃだめだぞ。さらに上を目指して頑張っていこう!」
石村さんが激励を行うと、続いて俺に回してきた。
「あーどうも、神谷です。じゃあ僕からは具体的に課題を上げていこうかと思います」
前日に言われたことだったが、課題は俺の方から言われた方が引き締まるから、と急にここでいうようお願いされた。
「えー、まず打撃の方から。最終的には7点取ったことになりますが、相手の控えが先発してた時に5点、エースが投げてからはたった2点しか取れていません。公式戦だったら最初からエースの可能性が高いでしょう。この打力では今後厳しいですね」
俺がそう言い終わると、石村さんも同様なことを言う。
「確かに今回は初回しか取れていない。なおかつほとんどの点が神谷ありきだった。神谷がタイムリーだったりホームランだったり好走塁を見せてなければ点は入ってなかっただろうな」
「そうですね。もう少し得点パターンを増やさなければ厳しいですね」
改めて、それぞれの方を向く。
「まず上位打線はよかったです。柴崎さんは選球もできてて器用に打ち返してもいた。1番として十分です。増田さんもチームバッティングがしっかりできていましたが、個人の打撃はもう少し頑張ってください。石村さんはおおむねいい打撃ができていましたね。皆しっかり仕事していました。
続いて5,6番の二人は良いスイングはできていました。パワーもあるのでそこをどんどん伸ばしていきましょう。ただもう少し確実性が欲しいですね。
下位打線の3人はとにかく練習ですね。全然打てる気がしませんでした。工夫もあまり見られない。しっかり練習していきましょう!」
とりあえずみんなとは話した。今後は俺がメニューを任されている。みんなの特徴も大分つかんできたしどんどんチームの底上げしていかないと。
「さて、じゃあ春大まで頑張っていこうか!」
石村さんが締めに入ろうとしている。
「・・・そういえば春大っていつ頃なんですか?」
そういえば知らなかったので聞いてみた。
「ああ、あと2週間もないころだよ」
そんな割とすぐか。今の成長速度を考えたら大会も悪い結果にはなるまい。
それまでに俺はがしっかりとチームを作り上げてやる!