表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神童による野球部再興  作者: 芹沢翔太
16/36

待ちに待った初試合 VS城西 (9)

注意!  この世界は中学硬式野球が発展した世界ですので、中学なのに試合は9回まであったりします。そこのところ、ご了承のほどお願いします。

 7回の表の攻撃、バッターは石村さんからだ。

 相手のピッチャーは疲れているそぶりは見せない。むしろ回を追うごとに球威が増しているようだ。さすがは強豪校のエースだ。

 しかし、そうしているうちに点差はもう2点しかない。何とか追加点を取ろう。

 

 ピッチャーはストレート攻めで来ていたが、石村さんはそれをファールにしていく。

 たまに挟んでくる変化球にもうまく合わせてカットしている。

 どちらが粘り切れるかの勝負で、次でもう13球目、ピッチャーが投じると、伸びのある速球が高めに伸びていく。やや外れていたかもしれないが、石村さんは振っていった。

 しかし、バットはボールを空振り、三振となった。


 打席に向かう際、戻ってきた石村さんが語り掛けてきて、ボールの威力がどんどん強くなっている。最後なんかは打てる球じゃなかった」


 そう告げてベンチに戻っていく。

 やはりあのピッチャーは勝負が長引けば長引くほど燃えるタイプなんだろう。ならば対策は一つ、早めの勝負だ。

 

 打席に入る。外野はまだかなり深いが、前の打席よりはちょっとだけ前には出ている。内野もかなり下がったシフトだ。

 投手が構え、1球目を投じてくる。スライダーだ。

 初球打ちを狙いバットを振っていく。しかし、スライダーの変化が思っていたよりも大きく、バットの先に当たってファールとなった。

 前の打席より明らかにいい球を投げていた。ここまで尻上がりとは。

 2球目はストレート。内角に入ってくるが、これも打ちに行く。

 思ったより伸びがあり、球威に押されて差し込まれてしまった。打球はセカンドの真上に飛んでいき、セカンドフライとなった。

 そして5番の下山は初球をピッチャーゴロに打ち取られ、チェンジだ。


 まずいな。あの感じだと点を追加するのは相当難しそうそうだ。どうにかこの2点のリードを守っていかなければ。

 

 そして7回裏を迎える。投手の交代だ。下山と柴崎さんがそのまま変わり、ピッチャー柴崎さん、センター下山となった。


 「柴崎さん、今は何が投げられるんですか?」


 マウンドに上がる柴崎さんに聞いてみる。


 「そうだな・・・今はストレートとツーシームのほかに、ワンシームとムービングは未完成だがまあまあ。スリーシームも一応投げられるぞ。カーブとスライダーも投げれはするが微妙か。後、お前に教えてもらったチェンジアップも実践で使ってみるか」


 柴崎さんは持っている球種は多い。まあ変化球自体は大したことないようなものばかりだが。シーム形はかなり投げ分けられるので、使い方によっては相手を抑え込むことはできる。


 7番が打席に入る。ピッチャーが変わったんだ。おそらく見ては来るだろう。

 1球目はストレート、ストライク。

 2球目もストレートを低めに、ストライク。コントロールはいいので投げ分けがしっかりしている。

 3球目はムービングを低めに。打者は打ってくるが捉えきれずにボテボテのサードゴロになってしまう。

 石村さんが難なくさばいて1アウト。


 8番が打席に入る。今度は初球にツーシームを投げる。打者は振ってきて完全に詰まらされた。

 今度もボテボテのゴロが三塁線に転がる。

 石村さんがうまくさばいて送球し、2アウトとなった。

 ここまで微妙にシーム変化球を変えていったら打つのは苦戦するだろう。


 9番が打席に立つ。

 1球目はストレート。ボール。

 続いてワンシーム、空振り。これで追い込んだぞ。

 3球目にはチェンジアップだ。打者はタイミングを崩され、あえなく三振に倒れた。3アウトだ。


 「柴崎さんナイスです!」


 皆がそう声をかける。いや、実に素晴らしいリリーフだった。


 しかし、相手も引いてなかった。

 6番の後藤さんは三振、武藤さんはセカンドゴロ、宇野は三振だった。


 「もう守備か。柴崎さん、頑張りましょう!」


 柴崎さんもそれに小さく応えた。

 あともう少しだ。絶対に抑えてやる。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ