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足された命で世界に何を刻もうか  作者: フロッグ
1章 木の上で微睡む者
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無意識

短いです。現世視点になってます。

2人で笑いあった後萌芽は山を降りていった。現世は今まで通りに萌芽を見つめる。だがそのちょっと後を何人かの子供が歩いているのが見えた。ああ、そうだ……萌芽が登ってきた時にこっそり後をつけていた子供達だ。


「懲りない子らやわぁ、そないに(ぼん)傷つけて何が楽しん?」


数人の子供達に向けて1人現世は言う。勿論聞こえるはずもない。


「にしても(ぼん)聞いてこんかったなぁ。聞かれるぅ思たけど」


現世は先日のことを聞かれると思っていた。萌芽がボコボコにされて立ち上がろうとしたら地面に突っ伏しそうになった時のことだ。たまたま微睡んだ後に萌芽を探してみたら丁度地面に突っ伏しそうになっていたのだ。現世は見える場所になら瞬間的に移動ができる。あまり使う機会のなかった力だった。だが現世は萌芽が突っ伏しそうになるのを見た途端、萌芽の前にその力を使って飛び出していた。現世は咄嗟のことで何故自分がこんなことをしているのかと首を傾げたが、息苦しそうに手をパタパタとさせる萌芽を見て別にいいかとクスリと笑った。息がしやすいように顔を横にしてやり膝枕をして頭を撫でていると、すぐに萌芽は気を失ってしまったようで軽く揺すっても起きない。結局萌芽の母が見つけに来るまで現世は萌芽の頭を撫でて微笑みを浮かべていた。


「なんであん時飛び出したんやろなぁ、そないなこと今までなかったのになぁ。やっぱりこの頃おかしいわぁ」


現世は自分が思っている以上に萌芽のことを気に入っていることをまだ知らない。

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