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竜紋の狩り人  作者: 望月
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一話 竜紋の旅人

初投稿です、いろいろと読みにくい部分もあるかもしれませんが頑張って読んでみてください。

竜紋と呼ばれるギフトを持って生まれた青年が助け助けられながら成長していく物語を書いていこうと思ってます。直した方が良い点などありましたらどうかお教えください。

「いらっしゃい」

 酒場に一人の青年が入ってきた。女主人は氷の入った水を出す。

「んぐんぐんぐっ」

「お兄さんどっから来たんだい?」

「カルテモ村」

「聞いたこともないわね」

「別の大陸だから知らなくても無理はないよ」

「別の大陸からってそりゃ長旅だったわね」

「狩り人ギルドはこの場所であってますか?」

「ああ、ここで合ってるよお兄さん狩り人だったの?」

「これしか生きる方法が無かったから」

「そうかいそうかい、狩り人には身分証明は無意味だからねじゃあ何を狩るんだ?」

「ポルン討伐で」

「はいポルンね」

 女主人は依頼書を取り出し青年はそれにサインした。

「そう言えば自己紹介がまだだったわね、私はここのマスターレヴィア君は?」

「俺はハルカ…」

 ハルカは外装を取り払う。手の甲に鮮やかな緑色の紋章が輝いていた。

「綺麗な紋章だね」

 レヴィアはそう言うと朗らかに笑った。その様子にハルカは面食らった様子だった。

「言ったでしょ?ここでは身分は無意味だってここは聖者から極悪人まで広く受け入れるが元の地位何て無意味なの」

「そう…ですかはは…」

 ハルカは気が抜けた様に笑うと酒場を後にした。

「竜紋…それでどのくらい貴方が傷ついてきたかは知らないけれど、ここに居る間はここのみんながあなたの仲間よ」

 ハルカの去った酒場でレヴィアはそういった。


ハルカの受けた依頼ポルン討伐はクエストの中でも初級クエストと呼ばれるクエスト群に属する。初心者クエストの一個上のランクのクエストである。ハルカは新しい街や土地に行くと必ず弱めの種類のモンスターと対峙する、理由は土地土地で強さの次元が違うからである。昔失敗して重傷を負ったハルカの処世術である。

ロードランナーと呼ばれる亜竜に跨って目的地に向かった。そして目的地に着くとリュックから簡易テントを取り出し設営、そして忌避の薪と呼ばれるモンスター達の嫌いな薪に火を着ける。これで魔物達はこの周辺には寄ってこない。ロードランナーの世話を終わらせるとハルカは初心者用防具を身に着け、刀を持ち出発した。

天空は青空が広がり眼下には山から流れてくる川とそれに沿うように様々な植物や動物たちが見て取れた。

「雰囲気のいい場所だ」

 ポルンとは雑魚モンスターポルのリーダー格である。ポルは体が粘液のモンスターで中央にある核を壊すと死ぬ。ポルンは同じ風体ではあるが表面が硬い上に核までの粘液にも弾性があり刃が通りにくい。倒せたら初心者卒業と言われるモンスターである。

ハルカは開けた場所ではなく木が鬱蒼と茂っている場所へ向かう。地面が湿り気を帯び少しべたつく。

ポル達の食性は草食で生い茂った草や果実などを食べる。それによる農業被害が出ているらしい。ポル達だけならば農家の人たちでも相手に出来るのだろうがポルンが一緒となると話は変わってくる。下手に手を出すとポルンが司令官となりポル達を指揮して反撃を行うのだ。施設などを破壊されたら溜まったものではないと依頼が狩り人ギルドへ入るのだ。依頼内容はポル達の討伐と倒した残骸の回収、コアはいりませんというものだった。ポルの残骸は良質な菌と豊富な養分を含んでいるそれ故肥料でもするのだろう。

「見つけた」

 場所が開けた川の水が流れ込み池を作っていた。そこに十数匹のポルと一際大きいポルンが居た。ハルカは刀を構えた。

ポルン達も此方に向けて威嚇をする。

「さぁ戦おう」

 ハルカは走り出した。ポル達は隊列を組んで前円方向から一斉に攻撃を繰り出してきた。だがこれは目くらましである。ポル達に直接攻撃する力はない。ポルンが硬い膜での体当たりをしてくる時間稼ぎでしかない。

「はっ!」

 ハルカは当たりを付け一か所に突きを放った。硬い感触と強い弾性が返ってくる。

「!」

 ハルカは逃げるポルンを追撃を加えるためにポル達を薙ぎ払い追った。

「ふっ!」

 次は狙いを定め強力な斬りを放った。硬い膜を切り裂きゼリー状の溶液の奥の核を砕いた。それだけで周りのポル達は統率を失い逃げ出した。

「ふー」

 生きるための糧を得るために他を殺す。彼らが死んだことを無為にしない為にハルカは一片すらも無駄にしない。

ハルカはナイフを取り出すと急速に萎み始めた外膜から粘液を取り出し支給された樽に入れる。流れ出した水分はここの植物たちの栄養分になる。

 破損したポルとポルンのコアをポーチに入れるとハルカはテント設営地に行きロードランナーに跨ると村へ帰還した。

「お帰り納品は済んだ?」

「ああ帰りに農場によって渡してきた、これが証明書」

「うん確かに報酬の二万エンだ」

「ありがとうございますこれでやっと飯にありつける」

「何一文無しだったの?」

「ああ、結構量の多い定食とかあります?」

「それなら良いのがある、おーい子ブタちゃん!」

「だれが豚だこらぁっ!!」

 酒場の奥の厨房から豚耳を生やしたコック姿の少女が出てきた。

「オーク種か初めて見た」

「お?兄ちゃん新入りかい?あたいはオークの料理人パレってんだよろしくな!」

「俺はハルカ旨い料理を頼むよ」

「おう任された!」

 途端にいい匂いが酒場に充満しだした。村人や狩り人たちの注文が殺到し始めてウェイトレスがてんてこ舞いの様だ。

「腹の虫が…」

 ハルカの腹が頻繁にうなりをあげていた。

「はははっ楽しみにしていていい、あの子の料理は天下一品だからね」

 レヴィアは満面の笑みでそういった。

 しばらくするとパレが金属製のプレートに様々な料理の乗った物を持ってきた。

「ほいお待ちどう様」

「すげぇっ!」

 厚切りの霜降りのステーキに何かの鳥の巨大な骨付きのから揚げキャベツの千切り、スープそしてパン。

「料理の説明もしたいが腹減ってるやつを待たせるのも酷だな食っていいぞ」

「ああっ頂きます!」

 ハルカはかなりの勢いでがっついた。霜降りのステーキは歯切れがよく齧り付いたナイフが要らないくらいの柔らかさと染み出した油が口の中いっぱいに広がるがくどさはなく体に浸透していった。

無我夢中で食べ進めいつの間にか目の前の料理は無くなっていた。

「あっはっは!良い喰いっぷりだハルカ」

「途中から何を食ってんのか分からなくなるくらい旨かった…ありがとうパレ姉さん、ありがとう食材」

 ハルカは手を合わせて頭を下げた。

「いいってことよ、まお代は負けねえがな」

「一万五千エンね」

「その価値はあるなありがとう」

 ハルカは一万五千エン払った。

「躊躇もせずに払うとは…」

「何か変か?」

「今までの奴らならそんなに高いなら食べなかったとか言ってたんだが」

「まぁ最初の報酬の四分の三が吹っ飛ぶ値段だからね」

「…」

「まぁ冗談って事さ、今のは新しい狩り人のお祝い料理ってところさお代は私持ち」

 レヴィアは大きな胸を叩く。

「…本当ですか?」

「これは疑われてるな」

「純真な子を騙して本当に申し訳ないと思ってます」

「ではレヴィアさんにも感謝します」

「良いのよ」

「で本当の値段は?」

「五千エンほどの料理だよ、価格が抑えられてる理由は自分の農場で育てている鳥と牛だからだ」

「また頼もう…!」

「他にもいろいろあるから頼んでみてくれ」

「もちろん」

「それじゃハルカ君の家を用意したおーいしもぶくれ!」

「だぁれがしもぶれじゃああっ!」

 ちょんまげ頭にしもぶくれの男がテーブル席から声をあげる。

「ハルカ君を家まで案内してあげて」

「えーまじっすか、今麻雀の途中なんすけどー」

「行け」

「はい」

 最初の威勢はどこへやらしもぶくれ先輩は案内してくれるようだ。

「しもぶくれさん」

「だれがしもぶくれじゃあああああ!」

「俺はハルカです」

「ぐっ俺はB級ハンター桃太郎だ!」

「桃さんって呼びますね」

「案外真面なのか…」

「この村って規模の割に狩り人多いですよね?」

「そりゃそうだよ、ここは伝説の狩り人レヴィア姉さんが作った村だから慕って狩り人が集まってくるんだよ」

「でも依頼は少ないんじゃないんですか?」

「そうさな大きな街と比べると依頼は少なくなってるがこの辺りは地脈が太いから優れたモンスターが生まれやすい土地だから良い素材が取れるんだそれを求めて狩り人が集まってきてる」

「桃さん案外頭が良いですね」

「馬鹿にしてたのか」

「ははは!」

「否定しろ!」

 桃太郎の突っ込みを華麗にスルーするハルカそんなやり取りを続けていると一つの一軒家に案内された。

「狩り人の共同で使うための住宅だが先住民は誰もいないだからお前の家だ好きにするがいいぞ」

「へぇ」

「金が溜まったら土地を買い家を建てるのもありだろう、土地は無駄にあるから安いぞ」

「それもいいですね」

 桃さんが帰るとハルカは家の中に入った。広い殺風景な玄関がありその先の扉を開けると広いリビングと談笑室は一つになったような空間が広がった。狩り人達が談笑や食事をする空間なのだろう。階段があり一階に三部屋二階に三部屋あるようだ。取りあえず一階の一部屋の扉を開いて荷物を置いた。

「取りあえず掃除かな」

 ハルカは掃除用具を買いに商店へと向かった。村の商店というより都の商店の様な立派な出で立ちの店に入る。

「いらっしゃいませ」

 上品な艶のある女性の声が耳を打つ。

「こんにちわ、掃除用品とかありますか?」

 そう言いながら店の奥に向かうと柔和な笑みを浮かべた油断できそうにない美人のグラマーな女性が立っていた。

「ええありますよ、少々お待ちください」

 店内の商品から道具を見繕ってくれた。

「此方でよろしいでしょうか?」

「俺が思っているものは入ってるので大丈夫です」

「ではお会計二千五百エンです」

「じゃあこれ」

 ハルカはお金を支払った。

「丁度いただきましたありがとうございます」

 女性は丁寧に頭を下げる。

「いえいえ」

「初めてのお客様ですよね?」

「はい、ハルカって言います」

「お客様に先に名乗っていただくとは恐縮でございます、私グリード商店のオーナーマリアと申します」

「此方こそ丁寧にありがとうございます」

「御入用の際はどうぞグリード商店へ、どのようなものが欲しいかなどの要望も受け付けております」

 ハルカはグリード商店を後にすると大掃除を始めた。初日は自分の部屋とキッチンリビング玄関でいいかと思い全力で掃除を敢行した。終わったころには夜でくたくたになりベッドに倒れ込む。

次の日各部屋の掃除を終わらせて遅めの昼食を取っていると。

「良いところにハルカ君」

 レヴィアさんに呼び止められた。

「何ですか?」

「東の村の密林にバトラが大量発生したみたいだから依頼人のこの子連れて行ってきてくれないかしら?」

 褐色肌の少女が立っていた。

「俺一人でですか?」

「俺も一緒に行くワン」

 犬耳を生やした厳つい青年が立っていた。

「ポチ君頼める?」

「任せろワン、桃太郎は最近麻雀しかやってねぇから暇なんだワン」

 ハルカは酒場のテーブルを見た。桃さんが麻雀をやっていた。

「…桃さん」

「あいつとチーム組んでるけど問題ないワン」

「後もう一人明日出発の時付けるから楽しみにしときなさい!」

 満面の笑みのレヴィアにハルカは首をかしげるが良いことなのだろう。

「それとハルカ君はその鉄刀じゃ不安だから武器屋に行ってきなさいね」

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