△迷子になる秘訣
「右方向にコンビニ有り。合ってる。」
地図を見ながら トコトコ歩く
あの子のアパート けっこう遠いな
10分で着くとか嘘だったんだな
だってもう 10分過ぎてる
(彼女は未だ気づかない。)
「左に神社発見。合ってる合ってる、順調順調。」
地図を見ながら テクテク歩く
こんな祠でも地図に乗るのか
都会は凄いな なんでも情報化だ
情報化しすぎも どうかと思うが
(彼女は未だ気づかない。)
「前方に川発見。合ってる合ってる、楽勝楽勝。」
だんだん足が疲れてきた
10分で着くとか嘘すぎだろ
かれこれ30分は歩いたぞ
最寄り駅 間違ってるんじゃない?
(彼女は未だ気づかない。)
「あれ?川がでかい。なにこの川。」
看板をキョロキョロ探してみる
うろうろ歩いて 見つけてビックリ
大変だ 聞いてた名前と全然違う
まさか そんな そんなバカな
(彼女はとうとう気がついた!!)
あわててかけた 友人の番号
開口一番「迷った」で爆笑
駅まで自力で戻ってと言われる
この道 また歩くの?
切ない気持ちがいっぱいだ
恥ずかしいから 急ぎ足
こころ細くて 早歩き
川も 神社も コンビニも ばいばい
短い間だったけど 大変お世話になりました
新たなコンビニこんにちは
神社も川も こんにちは
いつも友人がお世話になっています
帰り道
どうぞ よろしくお願いします
迷子は、ひたすら突き進む。
いい思い出です。