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222 神を名乗るモノ 3

また長くなったので、分割しました。続きは、夕方に投稿しますので、そちらもご覧ください。

 こうして俺たちは、敗残兵としてこの国に流れてきた、ナウル王国の騎士崩れに占拠された各村を回って、奴隷同然に扱われていた村人たちを次々に救い出していった。それはもう、ゲリラ組織に占領された地域で掃討戦を繰り返すかの如く、相当に荒っぽい手段を用いた殲滅だったといえるだろう。人道的配慮なんか、クソ食らえだ!


 村人を支配していい気になっていた連中は、俺たちの登場とともに歴史の舞台からきれいさっぱり姿を消していった。きれい好きな大魔王様は、大掃除が終わったかのような清々しい表情で満ち足りていたぞ。


 村人の中には、騎士たちの手に掛かって無残な死を遂げた者もいたが、彼らを丁重に葬って占拠された村の解放作戦は一段落した。


 それにしても腑に落ちないのは、尋問した騎士たちが誰一人として口を割らない点だ。ルシファー一人の精神的な圧力でさえも、普通の人間には耐えられようはずもないにも拘らず、連中は頑なに組織の本拠地とリーダーの名を吐かなかった。


 だが、最後の村を解放し終えると、おぼろげながらその理由が、俺達には理解されてくる。


 村の西方にある一際高い山の頂上には、いかにも怪しげな神殿と思しき建造物が、俺たちを見下ろすようにその威容を際立たせながら存在しているのだった。



「どう考えても、あの神殿が怪しいよな」


「この世界に転移した原因も、ユダヤの魔術師が創り出した神殿だったし、どうやら私たちに縁があるようね」


「兄ちゃん! グダグダ言っていないで、ぶっ壊しに行くんだよ!」


 妹よ! 少しは落ち着け! そんなに慌てなくても、神殿は一日二日では逃げ出さないから!


 それよりも美鈴の発言は、俺にとっても少々気になるな。神殿と縁があるというのは、今回に限って言えば、もちろんあまりよくない意味と捉えて間違いないだろう。


 不気味な沈黙を保ったまま俺たちを見下ろしている神殿が、果たして何者によって建立されたのか、その謎を解き明かせば、今回の一件がスッキリした形で解決を見るのではないだろうか。



「少なくとも歩いて半日は掛かりそうだから、明日の日の出とともに、あの神殿へ向けて出発しよう。明日に備えて、今晩はゆっくり休んでくれ」


「「「「了解!」」」」


 すでに日が西に傾きつつある時刻を踏まえて、この場での野営を決断する。村の一角にある空いた土地に馬車を置かせてもらって、俺たちは一晩を過ごすのだった。  




 明朝、日の出の刻……



「相当な危険が待っている可能性が高い。神殿に向かうのは、俺とさくら、美鈴、アリシアの四人とする。カレンはこの場に留まって、何かあったら居残るメンバーと村を守ってくれ」


「わかりました」


 カレンは一緒に行きたそうな顔をしているが、安心してこの場を任せられるのは天使の力を及ぼすことが可能な彼女が一番相応しいと、俺は判断した。


 手を振るカレンや明日香ちゃんに見送られて、俺たちは村の門を出ようとする。



「さくらちゃん! 私は安全な場所でぬくぬくしながら待っていますから、悪いヤツをやっつけてきてください!」


「明日香ちゃん! お言葉ですがねぇ…… 小指の先ほども応援する気持ちが感じられないんだよぉぉ! 本当に取り返しがつかないくらいに、ブクブク太ってしまうがいいんだよぉぉ!」


 こうして明日香ちゃんのまるっきり無責任な声援を背中に受けて、俺たちは神殿がある山に向かって歩き出していく。


 十分に村から離れた場所まで来ると、俺はかねてからの打ち合わせ通りに、ゴーサインを出す。



「行くぞ!」


 俺と妹は全力ダッシュで地を駆け、美鈴とアリシアは背中から翼を広げて、空を駆ける。時速100キロオーバーで進むと、徒歩で半日掛かる道のりなど、あっという間だ。


 ただし、俺と妹が走り過ぎた跡には、大きく抉れた地面と薙ぎ倒された夥しい草むらが残っている。自然環境には優しくなかったかな……


 ジェマル王国自体は、台地状になっている土地に出来上がっている国家で、山とはいっても比較的なだらかな4,500メートルの小高い丘と表現するのが適切だな。


 丘の麓から見上げると、神殿は山の頂全体を覆うかのように建造されている様子が、くっきりと映っている。ここから見た横幅だけでも、差し渡し1キロ近くに及びそうな大神殿だ。よくぞ、こんな大建造物を山の上に造り上げたものだな。



「美鈴、村人の話では、こんな神殿は2週間前にはなかったということだったけど、やはり魔法の力で造り上げたと考えていいのか?」


「おそらく間違いないでしょうね。そもそもこの国の建築技術では、山の上に短期間であんな大神殿を建設できないでしょうから」


「日本の技術でも、三年以上掛かりそうだよな。それなりの魔力の持ち主が待っていると、考えておくのが妥当か」


「ええ、警戒するに越したことはないわ」


 俺と美鈴のやり取りを横で聞いて、ウズウズしている人間がいる。もちろん、敢えて名を出すまでもないだろう。



「兄ちゃん! 美鈴ちゃん! 余計なことは考えなくていいんだよ! ブッ飛ばしちゃえばお仕舞なんだからね!」


 簡単に言ってくれるよな、この妹は! 那須で虚数空間を創られたせいで俺たちが散々苦労したのを、どうやらすっかり忘れているようだ。敵地の内部には敵に有利な環境が創り上げられていると考えないと、同じ苦労を再現する羽目に陥るぞ。その点を、しっかりと言い聞かせないとな。



「さくら! 虚数空間を思い出すんだ! あんな場所が神殿の内部に構築されているかもしれないんだぞ!」


「フフフ、兄ちゃんは忘れているようだね! 那須ではさくらちゃん一人だけが、まともに動けたんだよ! さくらちゃんの素晴らしい活躍を忘れているのかな?」


 言われてみれば、確かにそうだったな。魔力が封じられて俺や美鈴が苦労する中で、妹だけは敢然と敵に立ち向かっていたんだ。困難な戦いでも、常に突破口を開くのは妹に他ならない。



「そうだったな。今回もさくらの活躍に期待しているぞ!」


「兄ちゃん! このさくらちゃんにお任せなんだよ! どんな敵でも、思いっきりぶっ飛ばしてやるんだからね!」


 やはりこやつは、型に嵌めるよりも自由にやらせるほうがいいな。好きなようにさせておくのが、最大の力を発揮する結果に繋がると、俺は何度も経験している。絶対に負けないという妹の戦いを前にしたこの精神こそ、何にもまして頼もしい。



「それじゃあ、突入を開始するか!」


「先陣はさくらちゃんなんだよぉぉぉ!」


 妹の後に続いて、俺は緩やかな斜面を登っていく。美鈴とアリシアは、再び翼を広げて大空に舞い上がっていくな。俺たちのように重力に縛り付けられて地面にへばり付いて居る存在からすると、はるかに行動の自由を得ているよな。


 こうして、神殿の前に立った俺たちは、覚悟を決めて内部に踏み込んでいく。入り口と思しき場所は、馬鹿デカい柱が二列に並んだ先にあった。



「この扉の奥に、何らかの存在が待っているようだな」


「大きな魔力、いや、霊力と呼んでも差し支えない力が、周辺に漂っておる。ただし、感じられるその気配は、限りなく邪悪といえよう」


 すでに美鈴の内部からは、ルシファーの存在が意識の表層に出ている。銀眼を煌めかせて、内部で待っているモノの正体を見極めようとしているかのようだ。



「それじゃあ、扉を開くんだよ!」


 妹が、背丈の三倍にも及ぶ大扉に両手を掛けて一気に力を込めると、バーンという音を立てて左右に開いていく。


 神殿の内部は、横幅数百メートル、奥行きは体育館の三倍以上の、ガランとした空間が広がっている。


 最も奥まった場所には、ギリシャ時代の物語に出てくるような、一枚布を左肩に引っ掛けた、ゆったりとした生地の丈の長い衣装をまとった男が、玉座の上に腰を下ろしている。その周辺には、近辺の村から集められて娘たちが、供物を捧げるかのように男に酒や食べ物を供している。


 娘たちはすでに精神を乗っ取られて、意思を持たぬ人形のようなぎこちない動きで傅いているようだ。不幸な犠牲者といえよう。



「いかような軍勢がやってくるかと思えば、わずか四人とは。そなたらも、我に祈りを捧げしを望む、新たなる信者であるか?」


 玉座から俺たちを見下ろすかのような態度で、男が胡乱な瞳を向けてくる。


 ふざけたヤツだよな! 誰がお前ごときに膝を屈すると思っているのか、実におめでたい考えだぞ! そもそもアリシアを除いた三人は、神の称号を得ているんだからな。


 そんな俺たちを前にして『我に祈りを捧げる』とは、自らを神だと勘違いしている、頭のネジが相当ぶっ飛んでいるぞ人間に違いない!


 ほら見ろ! ルシファーさんの目が、輝きを通り越して危険なレベルで強い光を放っている。相当にご立腹らしい。龍の逆鱗に触れるなんて生易しい状況ではなさそうだ。



「愚にもつかぬ絵空事を我が前で論ずるでない! さて、そこなる愚者に問うてやろう! それだけの大言を吐くならば、さぞや元なるはそれなりに名のある神であったのであろうな。この場で、我に名乗ってみよ!」


「我は名を捨てし者! 名乗る名は持ち合わせてはおらぬ!」


 ふむふむ、ルシファーの話によると、玉座に座っているのは大元を質すと、神と呼ばれた存在らしいな。仮にこいつが神だとしたら、手下の連中はその恐怖に縛られて、最後まで口を割らなかったのかもしれないな。


 それにしても、名乗るべき名前を捨てたというのは、どういうことだ?



「打ち捨てられし、忘れ去られた神の慣れの果てであるか! かくなる真にくだらなき者は、我の相手にはなるぬ! この場で潔く、自ら消え行く運命をその身に受け入れるがよかろう!」


「かく述べるそなたは何者であるか? 芥のようなその名を聞いてやろう」


「我は、暗黒と深淵の支配者ルシファー! この名を聞きし者は、我が前にひれ伏すのが至極当然!」


「はて? 過分に耳にせぬ、真をもって聞かぬ名であるな。やはり、我の目からすれば、一介の泡沫のごとき存在なり」


 なるほど! 俺たちの目の前にいるのは、忘れられて名前も失った元々は神であった存在なのか。確か有名な神隠しのアニメ映画に、名前を失うと神すらもその力を失うという内容があった気がする。力を失った神がいくら強がって吠えようとも、通常ならば俺たちの敵ではない。


 しかし、俺たちの目の前にいる男には、何らかの勝算でもあるのか? やけに自信がありそうな口振りで論戦を挑んでいる。しかも相手は、あの大魔王様にして暗黒の支配者ルシファー様なんだぞ! 本当に消し飛ばされてしまうぞ! 


 おや? その実は妹と並んで短気なルシファーのシビレが、いまにもキレそうだな。お馴染みの無慈悲な光景が、目の前に繰り広げられそうだ。



「もうよいであろう! その無駄に回る口を、我が塞いでくれよう! いずるがよい! 深淵アビスなる業火フレイム!」


 美鈴が普段から多用しているヘルフレイムの何千倍もの威力を秘めた暗黒の炎が、名もなき神の体を包み燃え上がっていく。確か一度だけ、バンパイアを滅ぼした時に美鈴が使用したと、フィオから聞いている。


 かくして玉座の男は、美鈴の地獄の業火によって一かけらの残骸も残さずに燃え尽きていった。と、思ったら……



 まるでフィルムが逆回転するかのように玉座では無傷の男の体が再生して、燃え上がる依然と寸分たがわぬ姿勢で座っているのだった。


 男は、俺たちを見下したかのような表情で笑い声をあげる。



「クックック! 自ら神と名乗るだけあって、それなりに強力な力ではあったが、我にはいかようにも効果を及ぼさぬようだ!」


「この程度は、我が暗黒の入り口にすぎぬと知っての上で、かようなる冗談を叩く余裕があるのか?」


 ルシファーさん、実に負けず嫌い! 初手が効かなかったら、次の一手をすかさず準備している。だが、そんな緊迫した空気を読まないで、一歩前に躍り出る人影がある。


 言わずと知れた、俺の妹と呼ばれている、例の超危険なアレだ! 



「美鈴ちゃんの順番はお仕舞なんだよ! 今度は、さくらちゃんが行くんだよぉぉ!」


 ルシファーを押し退けて登場した妹に姿に、男はいぶかしむような視線を向けている。



「何者が出てくるかと思えば、子供の戯事に付きおうておる暇などないぞ!」


「これが戯事かどうか、とくと味わってみるんだよぉ! 本厳院太極波ぁぁぁぁぁ!」


 キキーーン! ドッパアァァァァァン!


 目標に向かって一直線に進んでいった太極波は、真正面から男にぶつかって大音響とともに爆ぜる。その閃光と轟音に神殿内が埋め尽くされんばかりである。


 俺の目には、座っていた男の体が散り散りに飛び散っていく様子がハッキリと見て取れた。


 ようやく閃光と轟音が収まる。すると先ほどと同様に、玉座では男の体が再生されていく。



「ヌハハハハ! 我は不死身なり! いかような神が相手であろうとも、この身は永遠に不滅!」


 幾多の敵を一撃で沈めてきた美鈴と妹の攻撃が、まるっきり通用しないとは…… こいつはひょっとすると、相当な化け物かもしれないぞ! 


 

「待ってくれ! 今度は俺がやる!」


 一歩前に踏み出そうとしたアリシアの肩に手を置くと、俺は他のメンバーを残して大きく前に出ていく。目で合図したから、美鈴が上手い具合にシールドを展開してくれるだろうと信じて。



「さて、聞いていればずいぶんな大口を叩いてくれるな。これを受け止められたら、頭をナデナデして褒めてやるぜ!」


 俺の手の平には、1千万程度の魔力がすでに集まっている。魔力砲に充填する魔力量が2百万程度であるから、その約五倍の量だ。これだけの魔力を直接相手にぶつけた経験は、俺の長い冒険の歴史を紐解いても数えるほどだろうな。



「無駄と知りながら、愚かなことよ。汝らが絶望に染まる様こそが、真その身には相応しい」


「それならば、耐え切ってみるんだな! いくぞ!」


 ビシューン!



 大量の魔力が、玉座を目指して突き進む。音速に近い速度は出ているようだ。これが対象にぶつかってその衝撃で圧縮されると、実に簡単に暴走を引き起こす大変ヤバい量の魔力だぞ!



 ズガガガガガガァァァァァン!


 それは、妹の太極波など及びもつかない、一口で言えば、この世の終わりかのような爆発であった。大量の魔力は、男にぶつかっただけではなくて、奥にあった壁まで達して、神殿の北面を半分ほど消し飛ばしている。薄暗かった内部には、まだ朝の段階の柔らかい太陽光が、燦々と降り注ぐ。 



「消えたか?」


「どうであろうか? いまだ気配は残っておるようだぞ!」


 ルシファーが警戒を解かない様子からして、再び復活するんだろうな。待つことしばし……


 想像通り、玉座に座っている姿勢のままで、男が復活した。ついでに半分壊れた神殿も、いつの間にか元通りになっている。



「これで思い知ったであろう! 我こそが不滅の神! 新たにこの世界に君臨いたす真なる創造神なのだ!」


 なるほどねえ…… しぶとさだけは認めてやろうか。ナデナデはしないけど!


 神と名の付く存在は、とにかくしぶとい。以前渡った異世界でも邪神と対決したが、とどめを刺すまで相当な時間を要した経験がある。どこかに必ずある弱点を発見するしかないようだな。


 それにしても、今回は復活するまでにかなりの時間を要したな。暴走魔力の分解作用に抗って、必死に体を再生した結果だろうか? まあいいか、多少なりとも効果があったということにしておこう。



「さて、汝らばかりが我を攻撃いたすのは、甚だ理不尽であると思わぬか? 此度は、こちらから攻めて見せようか! 我は、この大地にあるもの全てをこの身に吸い尽くした後、新たな世界を創造するのだ!」


大層な見識だな。新たな世界などお前以外にはも望んではいないと、早く気付けよ! 


 どのような攻撃かと身構えていると、男の背中や足から次々に触手が生まれ出てくる。勢いを増して数を増やす触手は、どんどん伸びていくかと思ったら、手近にいる男の世話を焼いていた村娘たちへと刃を向ける。


 触手に何ら抵抗する素振りすら見せずに捕まった気の毒な少女たちは、ほんの一瞬でその体ごと吸収されて、わずかに着ていた衣服のみがハラリと床に落ちていく。こうして彼女たちは触手の餌食となって、そのまだ若い体を貪られていくのだった。


   

 バシュ! バシュ! バシュ! バシュ!


 妹の魔力擲弾筒が少女たちを助けようと連続して火を噴くが、当たった部分だけが引き千切れていくだけで、触手の動き自体はまったく止まらなかった。



「屋内では取り囲まれる恐れがあるぞ! 外に出ろ!」


 俺は再び魔力を手の平に集めると、男が座っているのとは反対側の壁に思いっきり撃ち出していく。



 ズズズガガガーーーン!


 閃光と大音響とともに、爆発で生じた大穴が壁に空いた。爆発で怯んだのか、触手の動きが鈍っているようだ。外に出て体勢を立て直すチャンスだ!


 俺と妹は床を蹴って、美鈴とアリシアは翼を広げて、全力ダッシュで神殿の外に飛び出していく。



 しばしの距離を走って、振り返って神殿の様子を確認すると、分裂を繰り返して数百万本に増殖した触手が、俺が神殿に空けた穴から這い出て、徐々に山を下って四方八方に無秩序に広がっていく。


 山にある木々やそこにいる獣を次々に捕えては、あっという間にその体を吸収する化け物のような姿に、さすがにどうやって討伐すべきか、考えがなかなかまとまらない。


 だが、そんな俺たちの思惑などまったく気にした様子もなく、容赦も遠慮もなく触手の先端があっという間に迫ってくる。



「ヘルファイアー!」


「ドラゴンブレス!」


 美鈴とアリシアが空中から魔法を放つが、焼かれて動きを止める触手はほんの一握りだった。夥しい数の触手が、周囲を丸ごと飲み込むかのように俺たちに迫ってくる。



「さくら! とにかく接近を許すな!」


「兄ちゃん! 了解だよ!」


 俺はデコピン弾で、妹は擲弾筒の連射で、次々に迫りくる触手を吹き飛ばしてはいるが、如何せん数が多すぎだ! 自分の周囲に近付けないようにするのに手一杯で、他所の方角に広がっていく触手に構っている余裕は、今のところ見いだせない。



 焦る俺の額には、一筋の汗が流れるのだった。



続きは 夕方に投稿いたします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 相性の問題か、司令官ならば神殺しの能力でサクッと終わりそうですが。帰りの夕方が楽しみになりました。
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