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197 新宿大騒動 後編

週末投稿の予定でしたが、ダラダラ書いていて、気が付いたら出来上がっていたので、投稿します。タイトルとは打って変わって、ユル~い内容です。

 帰還者との戦いが終わる頃には、御苑内でのさくらの好中球と炭疽菌のミクロの世界での攻防は、最終局面を迎えている。そんなこととも知らずに……



「兄ちゃんも美鈴ちゃんも、さすがだね! 助かったよ!」


「さくらちゃん、相当無理をしたのね。まだ立ち上がれないの?」


「全身に力が入らなくって、動けないよ! ランニング直後の明日香ちゃんの気持ちが、よくわかるね」


「はい、回復水よ。これを飲めば、楽になるわ」


 美鈴ちゃんがボトルを手渡そうとするんだけど、腕が上がらなくって受け取れないよ。ヘロヘロな姿でゴールした明日香ちゃんが、ナディアちゃんから飲ませてもらっていたのを思い出したよ。


 あの時は、トホホな光景だと思ったけど、これは全くバカに出来ないね。情けないけど、この場は美鈴ちゃんにお願いするしかないよ。



「美鈴ちゃん、悪いけど飲ませてもらえるかな。腕が上がらなくって、ボトルを掴めないんだよ!」


「ハハハ! 獣神も、形無しだな」


「兄ちゃん、笑い事じゃないんだよ! まさかオーバードライブがこんな後遺症を残すとは、思っていなかったからね」


「はいはい、わかったから! それじゃあ、さくらちゃん、口を開けてね」


 美鈴ちゃんの手から回復水が流し込まれてくるよ。初めて飲んだんだけど、これは効果が高いね! さすがは本物の天使の特製だね。


 これだけ効果が高いのなら、訓練中に意識不明になった新入りが、ピンピンして立ち上がる理由がよくわかるね。体中の痛みが、すぐに引いていったよ。100パーセントじゃないけど、これなら問題なく立ち上がれるね。



「ふう、一時はどうなるかと思ったけど、何とか動けるようになったよ! 美鈴ちゃん、ありがとうね! 兄ちゃんは、笑っているだけだったから、お礼は言わないんだよ!」


「さくら、まあそう言うなよ。それにしても、よく中華大陸連合の帰還者を発見したな」


「偶然だったけど、魔力の気配を掴んだんだよ。そういえば、何か大事なことがあったような気がするんだけど……」



(ざわざわ)



「うーん、何だったかなぁ?」



(おい、いよいよ俺たちが話題に上るのか?)



「喉まで出かかっている気がするんだよ!」



(ヒャッハー! 徹底的に消毒した甲斐があるぜ!)


(細菌は完全に駆除を終えたぜ! どうだ! 俺たちの力は!)



「あと一息で思い出せそうなんだよ!」



(早く思い出してくれ!)


(いいか、絶対に聞き逃すなよ! 俺たちの活躍の証だからな!)



「!」



(いよいよか!)


(キター!)



「思い出したんだよぉぉぉ! 夕ご飯は、食べ放題の第2ラウンドだったよ!」



(ガクッ!)


(そっちじゃないだろうがぁぁぁぁ!)


(俺たちの活躍がぁぁぁ!)


 おかしいいねぇ。またまた私の周囲で謎の声が聞こえてくる気がするよ。何かの霊にでも取り憑かれているのかな? まあ、気にする問題でもないでしょう。



(そこは、気にしようよ!)


(声が届かないのが、実に無念だぜ!)



「さくら、わざわざ俺たちに伝える必要があるほど、その食べ放題が重要な話なのか?」


「兄ちゃんは本当にわかっていないよね! 日本の食べ放題ほど素晴らしいものはないんだよ! 香港だったら100万円が飛んでいくんだからね!」


「100万円? 何の話だ?」


「こっちの問題だから、兄ちゃんは知らなくっていいんだよ! それよりも、もっと別の話があったような気がしてくるよ。死ぬ前の延が、何か言っていたような……」



(ガタッ! いよいよかっ!)


(早く思い出してくれぇぇ!)


(俺たちの存在意義が懸かっているんだからぁぁ!)



「そうだったよ! 延は何かの菌を撒いたと言っていたね! ほら、あそこの花壇に白い粉が!」



(キター!)


(キターー!)


(キターーーーーー!)


(キターーーーーーーーーーーー! \(^o^)/)



「白い粉? 何も見当たらないぞ!」


「おかしいねぇ? 最初に見たときには、確かに花壇の土が白くなっていたんだけど?」



(ハハハ! 俺たちが完全に駆除したから、土に紛れて見えなくなったんだぜ!) 


(探せば死骸くらいは出てくるかもな!)


(強敵だったよな。仲間の9割が戦死しているからな!)


(ああ、もっとも戦死理由の8割は、大魔王の魔法に巻き込まれた結果だがな)


(あれは、回避不能だろう!)


(英霊に敬礼!)


(((((((((((((ビシッ!))))))))))))



「あの帰還者が、細菌を撒いたと言っていたのか?」


「そうなんだよ! どんな菌かは聞いていないけどね」



(ガハハハ! もうどこにも見当たらないぜ!)


(最強の好中球軍団の活躍を見たかぁぁぁ!)


(抵抗など、無駄無駄無駄ァァァァァ!) 


(必殺のデルタアタックを繰り出さないうちに、終わってしまったようだぜ!)


(時には、敗北の味を知りたいものだな!)



「聡史君、一応調査を依頼したほうがいいかしら?」


「そうだな、司令に連絡して手配してもらおうか。新宿御苑はこのまま封鎖しておこう。美鈴! 応援部隊が到着するまで、結界を張ってもらえるか?」


「ええ、任せてね」


 美鈴ちゃんが、指を鳴らしただけで、御苑をすっぽりと包み込むドーム状の結界が出来上がっているよ! 魔法というのは、本当に便利だね! その間に、兄ちゃんはスマホを取り出しているね。



「もしもし、司令ですか? 楢崎訓練生です!」


「どうした? 今日は非番じゃないのか?」


「それがですね…… 新宿で中華大陸連合の帰還者を仕留めました。こちらに関する被害はないのですが……」


「早く続きを言え!」


「はい! 妹の証言では、その帰還者は何らかの細菌を撒き散らした形跡があります」


「それは少々不味いな。わかった、所沢の防疫部隊を出動させる。市ヶ谷の連隊に付近を封鎖させるから、場所を教えろ!」


「新宿御苑です」


「すぐに手配するから、その場で待機してくれ」


「了解しました」


 兄ちゃんと司令官ちゃんの話はまとまったみたいだね。それじゃあ、さくらちゃんは、品川に向けて出発しようかな。


 ソロリソロリと……



 ガッ!


 しまたぁぁぁぁ! 気配を消してこの場を去ろうとしたら、首根っこを掴まれたよ!



「さくら、ジタバタするんじゃないぞ! 正直に言うんだ! どこへ行くつもりだ?」


「兄ちゃん、私には、食べ放題第2ラウンドが待っているんだよ!」


「いくら気配を消しても無駄だぞ! 体の動きがぎこちないから、すぐにわかる!」


 これは参ったよ! まだ完全に回復していないから、僅かに足音を立てたようで、兄ちゃんに目敏く発見されてしまったんだよ。


 トホホホ…… 実に不味い展開だよ! この分じゃぁ、色々な調査に時間を取られてしまいそうだよ! 


 さくらちゃんの食べ放題が、最大の危機なんだよ! 


 

 こんなさくらちゃんの追い込まれた立場も考えずに、兄ちゃんは美鈴ちゃんに話しかけているよ。本当に暢気なもんだね! こっちは食べ放題が懸かっているから、切羽詰まっているとも知らずに……



「美鈴、もしあの帰還者が、他の生物兵器を持っていたら、その場合はどうなるんだ?」


「問題ないでしょうね。アイテムボックスは異空間にあるのも同然だから、故意に働きかけなければ出し入れ不可能だし、本人が身に着けていたら、黒蝕無葬懺で分子単位に分解されているわ。たとえ細菌といえども、究極分解術式からは逃れられないのよ」


「さすがは大魔王様でございます」


 ふーん、美鈴ちゃんの魔法の威力は、凄いんだね。細菌なんて、あんな小さなものまで分解しちゃうんだね。



(ご主人! お言葉ですが、俺たちだって結構凄いんじゃないですかね?)


(一匹残さず殲滅したんだぜ!)


(もっと褒めてもいいんだぞ!)


 なんだかさっきから鬱陶しい声が聞こえる気がするよ! 今日はどうしたんだろうね?





 こうして、兄ちゃんに捕まったままで待っていると、パトカーのサイレンがいっぱい聞こえてくるね。広範囲を交通規制してから、新宿御苑を封鎖するんだろうね。ここにいるとわからないけど、御苑の外は大騒ぎになっているかもしれないよ。


 しばらくすると、入り口に装甲車が隊列をなして到着するよ。



「細菌兵器の可能性を考えて、NBC偵察車も来たか!」


「兄ちゃん! NBCといえば、長崎放送だね!」


「そうそう、日曜朝10時『窓を開けて九州』でお馴染みの… って、こんなローカルな話題を、誰が知っているんだぁぁぁ!」


「さすがは私の兄ちゃんだよ! ちゃんとフリに乗っかってくるんだね! こういう食い付きを見せてくれるところは、嫌いじゃないよ!」


「さくら! なんだか微妙に上から目線だぞ! 一応断っておくと、NBCというのは……」


「NBC佐賀ラジオだね!」


「そうそう、1458HZ 佐賀、伊万里地方の皆様ごきげんよう… じゃなぁぁぁい! 頼む! 九州の話題から離れてくれ! いいか、NBCというのは……」


「……」


「何も言わないのかい! 身構えて損したぞ!」


「兄ちゃん! いくら私でも、そんなに毎度毎度ボケが続かないんだよ! もうちょっと、その辺の流れをアイコンタクトで悟ってほしいよね!」


「我が妹よ! 再び上から目線を、ありがとうございました。さて、NBC偵察車というのは(チラッ)」


「兄ちゃん! もういいから、早く説明文を述べるんだよ!」


 兄ちゃんは、ちゃんとわかっているのかな? 美鈴ちゃんの視線にこもっている温度が、急降下しているんだよ! すでに絶対零度に手が届く危険地帯が、その視野に入っているんだからね! そんなにこの場で美鈴ちゃんの雷を落としてもらいたいのかな? それとも、兄ちゃんにとっては、ご褒美なのかな?



「ゴホン! NBC偵察車というのは、N(ニュークリアー=核兵器)B(バイオ=生物兵器)C(ケミカル=化学兵器)に対応して、広域の調査や必要情報の観測をする車両だ」


「やっと説明文が登場したよ! ここまでに、どれだけの時間がかかったと、兄ちゃんは考えているのかな? ちょっとは反省してもらいたいよ!」


「俺の妹が、上から目線に続いて、ダメ出しブッコんできたぞ!」


「細かいことはいいんだよ! あっ、そうだった! 泉州で鹵獲した中華大陸連合の装甲車も、NBC対応だって特殊部隊の人が言っていたよ」


「いきなり真面目か! 俺はどう対応すればいいんだ?」


「普通でいいんだよ! 洋服の毛玉を一個一個取るような、本当に細かい性格だよね!」


「誰が毛玉を取るんだって? 俺が細かいんじゃなくて、お前が大雑把すぎるんだ! えー、ゴホン! それじゃあ、こちらも真面目に答えようか! あちら製は、なんちゃってNBCの可能性もあるが、まあそれなりの性能は確保しているだろう」


「兄ちゃん! 最初からそれでいいんだよ!」


「また上から目線で言われた!」


 こんな感じで兄ちゃんを相手にして遊んであげていたら、御苑の中に防護服を着こんだ人員が入ろうとしているよ。



「美鈴、結界を解除してくれ」


「はい、これでオーケーよ!」


 美鈴ちゃんは、今度は指パッチンもしないで、結界を解除したよ。さすがは大魔王だね! 防護服の人たちは、次々に内部に入り込んでくるね。


 周辺の空気を採取して、サンプルを検査機にかけている人たちがいるかと思ったら、別の何人かがこっちにやって来るね。



「所沢の防疫部隊です! 細菌に汚染された土壌は、どの辺りでしょうか?」


「この花壇だよ」


 さくらちゃんが案内すると、土をサンプルとして採取しているね。何か所もサンプルを採って、ビンに収めてから、厳重に密封しているよ。見ているだけでもわかるけど、物凄く慎重な作業だね。さくらちゃんにやらせたら、きっと適当に土を掘り返すだけだよ。これは間違いないだろうね! 自分で保証するよ!


 おや、今度は、隊長らしき人が私たちの所に来たね。何の用かな?



「偵察車の車内の機器では、簡易鑑定しか実施できません。精密鑑定は、国防軍医科大学と国立感染症研究所にサンプルを送って行います。結果が出るまでは、3名の皆さんは隔離措置となりますので、ご承知おきください」


「わかりました」


 ひょえぇぇぇ! 兄ちゃんはあっさりと受け入れているけど、このままだと、さくらちゃんも一緒に隔離されちゃうよ! これは大変な問題だね。食べ放題第2ラウンドが遠のいてしまうんだよ! どうせ病気なんて罹らないんだから、このまま釈放してもらいたいよね。



「さくら、絶対に大人しくしているんだぞ! 俺たちは罹患しなくても、病原体をバラ撒く恐れがあるからな」


「さくらちゃん、食べ放題は諦めてね」


 ガックリだよ! 兄ちゃんは依然として私を捕まえたままだし、美鈴ちゃんも『絶対に逃げるな』と、眼光で威圧してくるよ。いかなるさくらちゃんでも、この二人掛かりの攻撃には、白旗を上げるしかないね。


 うう…… 品川の食べ放題、行きたかったなぁ……


 さしものさくらちゃんも、これは思いっきりへこんでいるよ! 不覚にも、涙が滲んできたからね。




 その後に到着した別の車両からは、タンクを背負った人たちが降りてくるよ。御苑の内部を徹底的に消毒するみたいだね。消毒液をそこいらじゅうに撒き始めるよ。



(こいつらは、今頃何をやっているんだ?)


(そうだ、そうだ! 俺たちが跡形も残らないように、消毒しておいたんだぞ!)


(細菌共の悲鳴が、実に心地よかったな!)


(ああ、まるで子守唄のような音色だったぜ!)


 おやおや、また体の近くで声がしたように気がするけど、まあいいか。気のせいにしておこう。



 こうして私たちは、3人まとめて救急車に放り込まれて、所沢の国防軍医科大学まで運ばれていったんだよ。着ていた服は全て焼却処分されて、全身を消毒されてから、やっと部屋に落ち着いたね。


 でもねぇ……


 実に大きな問題が発生しているんだよ!


 運ばれてきた食事が、たったのトレー1枚なんだよ! これは、どんな罰ゲームなのかな? さくらちゃんのお腹が、これっぽちの食事で満足するわけないでしょう!


 部屋にはインターホンが設置されているから、用事があるときには、これで伝えればいいんだよね。



「はい、こちら管理センターです」


「ご飯が足りないから、あと6人前持ってきてもらえるかな? それから、おかずはガッツリお腹に溜まる物がいいんだよ!」


「はっ? 今、何と言いましたか?」


「お代わりを6人前持ってきてほしいんだよ! おかずガッツリでね! 持ってこなかったら、部屋を飛び出して、外で食べてくるからね!」


「待ってください! すぐに持っていきますから、どうか部屋に待機していてください」


「わかったよ! なるべく早くしてね!」


 ワゴンをゴロゴロ押す音が廊下から聞こえてくるよ。これはお代わりを持ってきてくれたようだね! 本当によかったよ! これでお腹が満足するね。


 でもなぁ…… 食べ放題、行きたかったなぁ……


 こうして食事を終えると、何もすることがないんだよね。部屋からは一歩も出られないし、しょうがないからもう寝ちゃうかな。


 それじゃあ、おやすみなさい。zzz……  








 翌日……


 私たち3人は、隔離されていた部屋から出されて、面談室のような場所に通されているんだよ。そこには、白衣姿の軍医さんが待っていたよ。



「こちらに座ってください。体内から採取したサンプルと血液検査の結果、細菌等は一切検出されませんでした。したがって、皆さんの隔離は解除されます」


「ありがとうございます」


 兄ちゃんは、頭を下げているけど、これは絶対に間違っているよ! さくらちゃんは、無実の罪で逮捕されたに等しいと主張したいよ! 冤罪のおかげで、昨夜の食べ放題をフイにしてしまったんだからね!


 だから、一刻も早く釈放してもらいたよ。あれ、なんだか軍医さんの話は、まだまだ続くみたいだね。聞いているのも面倒だから、目を閉じちゃおうかな。zzz……



「実は不可解な点がありまして、皆さんが何か知らないか、お尋ねしたいのですが」


「何でも聞いてください。答えられる範囲で答えます」


「これは、まだ公表されている情報ではないので、秘密にしてもらいたいのですが…… 新宿御苑と都内数十箇所の土を採取して精密に検査した結果、炭疽菌が検出されました」


「炭疽菌ですか? 相当危険な細菌ですよね」


「はい、その通りなのですが…… 不可解なのは、検出された炭疽菌がすべて死滅した、いうなれば残骸であった点です」


「死滅していたんですか?」


「はい、容器に入れて運搬中に死滅したのか、それとも他の要因なのかは、今のところ不明です」



(ヒャッハー! 全部俺たちが片付けたんだぜ!)


(久しぶりの血沸き肉躍る戦いだったな!)


(俺たちは、殲滅の好中球だぜ!)


(そこは、進撃の好中球がいいんじゃねえか?)


(どちらでもいいから、よく覚えておいてくれよ!)


 うーん、夢うつつで声が聞こえてくるけど、眠いからいいかな。



「皆さんに聞きたいのは、炭疽菌が死滅した原因について、何か知っていないかという点です」


「さすがにそこまでは、自分たちはわからないですね。製造過程のミスじゃないですか? あの国だし」


「そうですか…… 今のところは、その説が有力です。東京は実に幸運に恵まれたと考えておきましょう」


「そうですね。運がよかったんですね」


「それでは、こちらからの話は終わりです。富士まで送りますから、担当の者が車まで案内します」


「ありがとうございました。お世話になりました。おい、さくら! 目を覚ませ!」


 おや、なんだか私の体を誰かが揺さぶっているようだね。もうちょっと寝ていたいから、うるさいんだよ!



 ブーン! パリン!


 ゲホッ!



「聡史君は、全然学習しないわね!」


「は、腹に…… 息が…… でき…な…い…… 裏拳が……」


 手に何か当たったような気がしたけど、眠いからどうでもいいよね…… 何が起きても、全然知らないんだよ。

 

 

「こうして起こすのよ! よく見ていてね」


「ゼエゼエ、ま、まだ息が……」


「さくらちゃん、お昼は何か美味しいものを食べましょう!」


「目が覚めたんだよぉぉ! 美味しいものはどこかな?」


 とっても魅惑的な誘惑が、さくらちゃんを一気に目覚めさせたね! あれ? 床にうずくまって、兄ちゃんは何をしているのかな? 本当に、こんな場所で恥ずかしいねぇ! もうちょっとTPOをわきまえてもらわないとね。兄ちゃん、反省するんだよ!


 それよりも、早く出発して、美味しいお昼を食べるんだよぉぉ! なんだか楽しみになってきたよぉぉぉ!



 こうして私たちは、所沢を出発して、富士駐屯地へと戻っていくのでした。

次回は、お話が富士に戻ります。ご質問をお寄せいただいたあの話題が…… 投稿は日曜日を予定しています。どうぞお楽しみに!


感想、評価、ブックマークをいただいて、ありがとうございました。



さて、日本ではどうやら武漢肺炎が終息しそうな今日この頃ですが、海外ではいまだに多数の感染者と死者が出ていると聞こえてきます。


欧米では、中国に対する国民感情が悪化の傾向が、鮮明となっているとの報道がありました。殊に米国国民の70パーセント近くが、中国に対して強硬な立場を支持しているらしいです。


中国は一刻も早く経済を動かそうと躍起になっていますが、それと同時に世界に対する宣伝活動や、領土をめぐる強硬姿勢をとっています。今のところすべてが裏目に出ている点は、笑っていいですよね。というよりも、その手口があまりにも幼稚で、アフリカの独裁国くらいしか食い付かないレベルですよね。


もっと真面目にやれと、ついつい中国政府に突っ込んでしまうのは、作者だけではないような気が……


武漢肺炎が終息後に、どのような国際秩序が出来上がるのかは不明ですが、中国抜きというのは世界のトレンドになりつつあります。


国内ではコロナ対策で評判が芳しくない安倍政権ですが、実は世界でとっても評価されている政策があります。それは、中国から日本や他の国に工場を移転する企業に補助金を交付するという政策です。


確か予算は2400億円規模だったと思いますが、アメリカ議会でもこの政策をまねた法案を提出しようという声も上がっているそうです。


公式な統計ではないとは思いますが、今年の1~2月の間に中国国内から脱出した企業は、全体の2パーセントだといわれているそうです。その半数が、中国企業というのが大笑いですが……


次第に追い込まれていく中国、戦争だけが起きてほしくないですが、火種は少しずつ大きくなっていくような気がします。


それから、これだけは声を合わせて反対しなければならない、とっても大切なことがあります! 中国政府が入国制限の緩和を求めているようなのです。


正確な情報を一切出さずに、感染は終息したという中国政府の見解は、絶対に信用できません! 中国人の来日の解禁など、向こう5年は差し止めしてもらいたいくらいです。せっかく感染が収まりつつある日本に、再びウイルスを持ち込んでもらいたくはありません! お琴割します! 違った! お断りします!


はあぁぁ、色々と言わせてもらいましたが、一番主張したいのは、次の意見です!


【そろそろ自粛はおしまいにして、堂々と出掛けたいぞぉぉぉ!】


皆さんのご意見、どうぞお聞かせください!

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