177 監視の目
明日香ちゃん危機一髪……
相変わらず、香港の各地をブラついているさくらは……
午後も、とにかく餌に食いついてくる魚を捕まえては、『殺し屋、さくらちゃん』の噂を広めているんだけど、いまだに、何のリアクションもないねぇ……
マフィアの構成員にも遭遇したんだけど、全員が別の組織だったんだよ。中でも事情に通じているヤツの話では、16Kは滅多に表立って活動しない謎に包まれた組織らしいんだよ。これじゃあ、まるで雲を掴むような話だね。取っ掛かりが見つからなくって、さくらちゃんも苦労しているよ。
おや、スマホから呼び出し音が鳴っているよ! 誰からかな?
「もしもし、さくらちゃんだよ」
「さくらちゃん、今どこにいるの?」
電話を掛けてきたのは、フィオちゃんだったね。でも、なんだか声が焦っているみたいだよ。何かあったのかな?
「さくらちゃん、明日香ちゃんが見当たらないのよ! 服を見て回っていたら、急に姿が見えなくなってしまったの」
「フィオちゃん、ついに明日香ちゃんがやってくれたんだね! この時を待っていたよぉぉぉ!」
さすがは明日香ちゃんだよ! これはきっと、何か事件に巻き込まれた公算が高いよ!
「さくらちゃん、そんな呑気なことを言っている場合じゃないでしょう! 今どこにいるの? 明日香ちゃんを一緒に探さないと」
「そうだったね! すっかり忘れていたよ。私は今、九龍湾にいるよ」
この辺もかなり大きな港で、埠頭が並んでいるからね。人相の悪い連中が、大勢たむろしているんだよ。言い掛かりを付けてくる奴らは、全員さくらちゃんにぶっ飛ばされて、仲良く昼寝をしている最中だよ。おかげで、昨日散財した分は無事に回収できたんだ。
「さくらちゃん、私は女人街にいるから、こっちに来てもらえるかしら? 今からカレンと合流して明日香ちゃんを探すから、駅に着いたら知らせてくれる?」
「わかったよ。すぐにいくから、連絡を待ってよ」
やっぱり明日香ちゃんに敵う存在はどこにもいないよね。香港到着3日目で早くも行方不明だなんて、誰にも真似ができないよ。おっと、こういう時は友達として心配してあげないとね。でも、きっと間抜けな理由で、行方不明になっているんだと思うね。明日香ちゃんと長年付き合っているさくらちゃんの勘が、そう告げているよ。
地下鉄を乗り継いで、30分くらいで旺角の駅に到着したよ。女人街は一度来ているから、すぐにわかったんだよ。さくらちゃんは、面倒だから地図は見ないけど、一度行った場所はしっかりと覚えているのだ! さて、フィオちゃんに電話をしないとね。
「もしもし、フィオちゃん! 旺角の駅に着いたよ」
「さくらちゃん、明日香ちゃんの姿がどこにもないわ。今から駅に向かうから、そこで待っていてくれるかしら」
「わかったよ、待ってるからね」
通話を切って待っていると、また私のスマホから呼び出し音が鳴るね。もしかしたら、フィオちゃんが明日香ちゃんを発見したのかな?
「もしもし、さくらちゃんだよ」
「さくらちゃん、助けてくださいぃぃぃ!」
「おや! その声は明日香ちゃんだね。今どこにいるのかな?」
「お巡りさんに捕まって、今警察署にいます」
なんだってぇぇぇぇ! 警察署にいるというのは、このさくらちゃんにとっても予想外だよ! さすがは明日香ちゃんだね。ここまでやらかしてくれるとは、私も脱帽するしかないよ。それにしても、なんで警察に捕まっているのか、理解しかねるね。でも、明日香ちゃんに限っては、何でもアリだからね。
「明日香ちゃんは、お腹が空いて食い逃げでもしでかしたのかな?」
「さくらちゃんじゃあるまいし、食い逃げなんかしません! とにかく、早く助けてください!」
「失礼だな! さくらちゃんは、ご飯を食べたらしっかりとお金払うんだよ。いつもニコニコ現金払いと決めているからね!」
「なんでそっちに食い付くんですか! 『助けて!』の部分に注意を向けてください!」
「そこはさくらちゃんとしても、絶対に譲れないポリシーだからね。しっかりと理解してもらわないといけないんだよ!」
明日香ちゃんは、私が食い逃げなんかするとでも思っていたのかな? そこまで私を信用していないとは、これは友人としてしっかりと誤解を解かないといけないよね。
「そんな話はどうでもいいですから、油麻地警察署に早く来てください! 待っていますから!」
「しょうがないねぇ…… すぐに迎えに行くから、待っているんだよ!」
ふむふむ、これで明日香ちゃんの居場所が判明したよ。香港マフィアを探しているのに、警察のお世話になるとは、友人としても特殊能力者部隊の一員としても、とっても恥ずかしいよ。でも、こうして無事でいるのが分かっただけでも、一安心だね。
しばらくその場で待っていると、心配顔のフィオちゃんとカレンちゃんがやってくるよ。でも、もう大丈夫だからね! 二人を安心させてあげようかな。
「明日香ちゃんから連絡があったんだよ。今、香港警察に逮捕されているらしいよ」
「「逮捕ですってぇぇぇぇ!」」
フィオちゃんとカレンちゃんが、人の往来が激しい場所で全員の注目を浴びる勢いの大声をあげているね。大賢者と天使をこれだけビックリさせるとは、さすがは明日香ちゃんだね。
「だから今のところは、全然心配ないよ。せっかくの機会だから、警察関係者にも協力してもらおうかな」
「さくらちゃん、ずいぶんノンビリしているけど、すぐに警察署に向かわないのかしら?」
「中々手掛かりが見つからないから、利用できるものは何でも利用しないとね。今から、イギリス軍の臨時司令部に向かうよ」
「臨時司令部? 何をするの?」
「それは、このさくらちゃんにお任せだからね。それじゃあ、行こうかな」
こうして私たちは、九龍半島の突端にあるペニンシュラホテルに向かうんだよ。地下鉄で2駅だから、あっという間に到着するね。
さすがはイギリス軍の司令部が置かれているだけあって、エントランス周辺の警備は厳重だね。でも、私たち3人は、遠慮なく入り口に向かって進んでいくよ。衛兵が怪訝な表情でこっちを見ているね。
「止まれ! イギリス軍にどのような用件だ?」
「日本国防軍だよ。うちの連絡部隊に会いたいんだよ」
「日本軍の方でしたか! 大変失礼しました!」
IDカードを示すと、衛兵は姿勢を正して敬礼しているね。兄ちゃんたちが大活躍したから、イギリス軍は国防軍に対して、丁重な態度を取っているんだよ。だからこのIDカードで、司令部内はフリーパス同然だね。今夜のご飯は、ここでタダ飯をご馳走になろうかな。
「中の受付で、用件を申し出てください」
「わかったよ」
エントランスを潜ると、ホテルのフロントに軍服姿の受付係がいるね。あそこで話をすればいいんだね。
「日本の連絡部隊は、どこにいるのかな?」
「こちらに呼び出しましょうか?」
「そうしてもらえると、助かるよ!」
「あちらのロビーでお待ちください」
泉州のミサイル基地を叩き潰したときに、この司令部に一泊したけど、中の様子がよくわかっていないから、連絡部隊に来てもらうことにしたんだよ。ロビーのソファーに腰掛けて待っていると、国防軍の人がやってくるね。
「お待たせしました。香港駐留部隊の橋爪中尉です。特殊能力者部隊の皆さんですか?」
「富士駐屯地のさくらちゃんだよ。実は……」
さくらちゃんの顔を見ただけで、橋爪中尉は私たちの正体を察してくれたよ。きっと、さくらちゃんの顔を覚えていたんだろうね。明日香ちゃんの件を話すと、苦笑いを浮かべているね。私も、同じような気分だよ。
「それでは、身柄を引き取りに私も同行いたしましょうか?」
「そうしてもらえると、助かるよ」
こうして私たちは、司令部が用意してくれたワゴン車に乗り込んで、油麻地警察に向かったんだよ。面倒な交渉や手続きは橋爪中尉にお任せで、すぐに明日香ちゃんがいる取調べ室に案内されたよ。
「さくらちゃん…… ウエーーン……」
私たちの姿をその目にした明日香ちゃんは、私に抱き着いて大声で泣き始めているね。顔が涙と鼻水でグシャグシャになって、絶対他の人には見せられないよ。明日香ちゃんは、間違ってもモテないね。これは、さくらちゃんが断言してあげるんだよ!
しばらくして、ちょっと落ち着いてきた明日香ちゃんを、フィオちゃんとカレンちゃんに任せて、私は橋爪中尉に、頼みごとをするんだよ。
「マフィアの取り締まりをしている担当者と、話がしたいんだよ」
「了解しました。別室を用意してもらいましょう」
フィオちゃんたち3人は、先にホテルに帰ってもらって、私と中尉は担当者に案内されるままに付いていくと、そこはどうやら署長室のようだね。恰幅のいい署長が、橋爪中尉にペコペコしているよ。香港警察全体が、駐留軍の指揮下に入っているから、こちらのほうが立場が上なんだね。
「今回は、手違いがあって大変申し訳ありませんでした」
署長が顔色をなくして、私にも頭を下げているね。隠密行動中とはいえ、日本の国防軍所属の人間を逮捕してしまった不手際だからね。場合によっては、責任問題になりかねないと危惧しているんだろうね。でも、安心していいよ。さくらちゃんは、とっても心が広いからね。
「明日香ちゃんが仕出かしたことだから、この程度の出来事は全然想定内だよ。それよりも、香港マフィアの情報を教えてもらいたいんだよ」
「そう言っていただけると助かります。ただいま担当者を出頭させますから、少々お待ちください」
こうしてソファーで待っていると、二人組の男が署長室に入ってくるね。それにしても、二人とも本物のマフィアに負けないくらいに、人相が悪いよ。日本でもマル暴の捜査員は、ヤ〇ザ顔負けの風貌の持ち主が多いけど、どこの国でもその点に変わりはないんだね。なんだか、変に納得してしまうね。
「香港マフィア、16Kの情報が欲しいんだよ。日本の国防軍が、組織の壊滅とボスの抹殺に動いているからね」
「16Kですか…… なかなかシッポを掴ませない厄介な相手ですよ」
「どんなに細かい手掛かりでもいいよ。それから、チリチリじゃないアフロ…… じゃあなくって、なんだったけな…… ああ、そうだよ! アフロディアがボスの呼び名だったよね」
ほほう、私がこの名前を口にすると、担当者の一人の目が鋭くなったね。どうやらこっちの男が、警察内のマフィアの内通者の可能性が高いね。
「アフロディアの名前までご存じとは、恐れ入りました。確かに16Kのボスの通り名だといわれております。最近になって、最高権力者の座に就いたようですが、その名以外は全く正体が判明しません」
「最近の話なんだね。その他にはないかな?」
こうしてさくらちゃんは、担当係官から話を根掘り葉掘り聞き出そうとしたんだけど、肝心な手掛かりに繋がる件は、何も出てこなかったよ。どうやら、警察が掴んでいる情報を明かす気はないようだね。まあいいでしょう、これでエサは撒いたしね。
「それじゃあ、失礼するよ」
「お役に立てたらいいのですが」
そうだね、精々役に立ってもらいたいよ。いい感じに立ち回って、どうか頑張ってもらいたいね。
こうしてさくらちゃんは、中尉とともに席を立ったんだよ。あとは、動きがあるのを待つしかないね。
そのままホテルに送ってもらうと、真っ先にマリアちゃんが出迎えてくれるよ。
「さくらちゃん、待っていたですぅ! 新魏会という組織と繋ぎが取れたですぅ! 明日、何か運ぶ仕事の連絡がくるですぅ!」
「マリアちゃんは、幸先がいいね! いい仕事していますねぇ」
「??? それは何ですかぁ?」
鑑定団風に褒めてみたけど、マリアちゃんには何にも通じなかったよ。実に無念だね。セルビア人だというのをすっかり忘れていたよ。でも、あまり派手に不正な仕事に加担するのは、ちょっと不味いよね。どうしようかな?
「マリアちゃん、仕事の内容を私に知らせてもらえるかな?」
「わかったですぅ! 事前に連絡するですぅ!」
一応は囮捜査という許可を得てはいるんだけど、運ぶ物によるからねぇ。どこまで関わるか、さくらちゃんが判断することになっているんだよ。こうして、一定の成果を出してくれたマリアちゃんに比べて、派手にやらかしてくれた明日香ちゃんはといえば……
「さくらちゃん、ずいぶん遅かったんですね。そろそろ晩ご飯ですけど、今日はどこに行きましょうか?」
「すっかり自分の行いをなかったことにしているよ!」
私に抱き着いて大泣きしたのを、コロッと忘れているようだね。さくらちゃんは、真剣に説教したくなってきたよ。でも、相手が明日香ちゃんだから、あんまりムキになってもねぇ……
「まあいいか、今日の夜はタダ飯にありつくからね。もう一度、司令部に向かうよ」
「今夜は、さくらちゃんのおごりはないんですか?」
「明日香ちゃん、毎晩みんなにおごっていたら、私が破産するからね」
こうして部屋を出ようとして一歩踏み出すと、私たちを監視している視線に気が付いたよ! さくらちゃんの気配察知は、伊達ではないからね。一旦、部屋の中に引き返そうかな。
「残念だけど、全員でまとまって出掛けられなくなったみたいだよ。私たちを誰かが監視しているからね」
「さくらちゃん! 今度はどんな悪さをしたんですか?!」
「明日香ちゃんにだけは、言われたくないよ! 警察に逮捕されて、危うく前科一犯になるところだったんだからね!」
「失礼ですね! 私はたまたまパスポートを持っていなかっただけです! 迷子みたいなものですからね!」
「今度は自分を正当化しているよ! 本当にビックリするね!」
明日香ちゃんに構っていると話が進まないね。肝心な用件に戻らないといけないよ。
「マリアちゃんは、まだ面が割れていないはずだから、一人で行動してもらうよ。夕食はこのホテルで済ましてもらっていいかな? 残りのメンバーは、このまま私に付いてくるんだよ」
「わかったですぅ! 寂しいけど、我慢するですぅ」
マリアちゃんは、他の組織の動向を探るという任務があるからね。運び屋として疑われるのは、ちょっと不味いんだよ。私たち4人は、マリアちゃんを部屋に残して先に出ていくよ。監視している気配を探ってみると、どうやら私たちをマークして、部屋を引き続き監視している目はないみたいだね。
マリアちゃんには、20分後に部屋を出るように連絡して、私たちは尾行に気が付かないフリをしながら、司令部に向かうよ。時々後方の気配を探るけど、やっぱり付かず離れずで、複数の人間が私たちを監視しているね。
香港警察に顔を出してから、こうして監視が付いたのは、タイミングとして出来過ぎだね。やっぱり警察に潜む内通者が、マフィアの指示で私たちの動向を探っていると、考えるのが妥当だよね。
私たちは尾行を気にしながら、そのままイギリス軍の司令部に入っていくよ。建物に入ると、さすがにここまでは監視の目は届かないみたいだね。念のために、マリアちゃんと連絡を取ってみると……
「こちら、マリアですぅ!」
「マリアちゃん、異常はないかな?」
「特にないですぅ! ホテルのご飯はちょっと値段が高いですぅ!」
値段に文句をつけているよ! 初日に私の財布で、7万円のディナーを楽しんだのを忘れているのかな?
「マリアちゃんは、別の階に部屋を移してもらいたいんだよ。しばらくは顔を合わせないで、電話で連絡を取るから、我慢するんだよ。顔が割れないようにするためだからね」
「わかったですぅ! フロントで手続きをするですぅ」
「よろしく頼んだよ」
よしよし、これであっちの対策は何とかなりそうだね。さて、私たちも晩ご飯をいただこうかな。こうして、この日は過ぎていったんだよ。
その翌日……
今日もさくらちゃんは、一人で街を歩くんだよ。明日香ちゃんたちには3人で別行動をしてもらっているよ。それからマリアちゃんは、新魏会からの連絡待ちで、ホテルに残っているよ。
私が歩く後ろからは、尾行者がばっちり二人付いてきているね。ちょっと,フィオちゃんに様子を聞いてみようかな。スマホを取り出してと……
「もしもし、フィオちゃん。そちらの様子はどんな感じかな?」
「さくらちゃん、どうやらこっちには、二人組の尾行がついているみたいね」
「そうなんだね。こっちも同じ状況だよ。それじゃあ、今日も適当に楽しんでよ」
「ええ、明日香ちゃんの監視だけは、怠らないようにするわ」
「それじゃあね」
フィオちゃんがいる以上は、尾行されていても何にも心配はいらないよね。あとは明日香ちゃんから目を離さないでいれば、きっと問題はなさそうだね。
さて、私はどこに行こうかな。せっかく尾行してくれるわけだし、人が少ない場所がいいよね。いい所はないかなぁ……
おっ! スマホのサイトにいい感じの場所があるね。馬鞍山っていうのかな? 香港中心部から見ると、北東の方向だね。なんでも、ハイキングコースになっているらしいよ。しばらく思いっきり体を動かしていないから、ちょっと登ってみるのも悪くないね。アクティブなさくらちゃんは、日々、体を鍛えることに余念がないのだ!
ふむふむ、地下鉄で馬鞍山という駅があるから、ここから山に向かって登っていけばいいんだよね。
ということで、さくらちゃんは出発するよ! ホテルの最寄りの駅から地下鉄に乗って、3つ先のプリンス・エドワード駅で乗り換えるんだね。そこから先は、よくわからない名前の駅で、また別の路線に乗り換えだよ。詳しい説明をしろと言われても、さくらちゃんの知らない漢字だから無理だね。細かいことを気にしてはいけないんだよ!
この地下鉄の終点が馬鞍山だね。香港というと、どうしてもゴミゴミした街中を想像するけど、こうしてちょっと郊外まで来ると、意外と自然が豊かなんだよ。今日は平日なんだけど、地下鉄を降りる人の中にはハイキングに向かう地元の人の姿を見かけるよ。リュックを背負って、いかにも山歩きに出掛ける姿だから、一目でわかるよ。
ハイキング客の後をくっついていくと、どうやら登山道の入り口のようだね。尾行の人間は、ちゃんと来ているのかな? 気配を窺うと…… いるいる! どうやら直接私の背後を付いてくる人間の他にも、さらに後方に人を配置していたようだね。感心感心! 全部で8人が私を追いかける形で、登山道の手前から様子を窺っているよ。あとで歓迎してあげるからね。
それにしても、ゴミゴミした街中とは違って、私をマークしている人間の気配がビンビン伝わってくるね。距離は100メートル以上離れているけど、油と火薬の臭いがしてくるよ。銃を隠し持っているのは、これで確定だね。
さあ、どう出てくるか、とっても楽しみだよ!
さくらちゃんは、尾行者がマークを外さないように、敢えてゆっくりと登山道に踏み込んでいくのでした。
わざわざ人気のない山道に入り込むさくら、その行く手には…… 次回の投稿は、月曜か火曜の予定です。どうぞお楽しみに!
この小説の総合ポイントが、ついに4000を超えました! ゆっくりとした歩みですが、読者の皆様に支えられて一歩一歩積み重ねてまいりました。心から感謝いたします。
さて、ここで皆様には朗報です! 新型肺炎の騒ぎにかこつけて、作者は来週1週間の有給休暇取得に成功いたしました! つまり、1週間執筆し放題です! 最低でも金曜日までに3話お届けできるように、頑張りたいと思っております。
こんな作者に、激励の意味で、感想、評価、ブックマークをいただけると、大変ありがたいです。
さて、世の中は新型肺炎のニュース一色です。ことに北海道では、続々と感染者が判明しているようです。北海道在住の皆さんは、どうぞお気を付けください。
翻って沖縄では、初期に少数の感染が報告されて以来、特に何も話題に上っておりません。ウイルスの広まりには、気温が関係している証拠ではないかと、考えられないでしょうか?
4月ごろには、すっかり下火になって、『あの大騒ぎは、何だったんだろう?』と、日本中が首を傾げていれば、幸いではないかと考えています。
それはそうとして、新型肺炎の影響なのか、はたまた別の要因なのか、世界中で同時株安が起こっています。なんだか、この小説の時代背景が、現実のものになりつつあるのが、書いている本人も少々怖い思いをしております。
いずれにしても、中国の経済崩壊はほぼ確定の状況です。20兆ドルとも40兆ドルとも言われる、中国企業の外国からの借金は、これまで利子だけを払って、何とか借り換えを実施して胡麻化してきました。
しかしこの状況で、海外の投資家がドルを貸し渋れば、その場でどんな大企業でも、デフォルトします。それだけでなくて、利払いだけでも年利3パーセントとして、少なく見積もっても6千億ドル(日本円で66兆円)にも上ります。中国企業には、これだけの金額を稼ぎ出す体力が、失われつつあります。
このような理由で、すでに利息すら支払いが厳しい状況にあったところに、降って湧いたような肺炎騒ぎが中国経済にとどめを刺すだろうと、作者は見ております。
世界が再び混乱する日も近いのでは…… このような予測が不発に終わるのを祈るばかりですが、この先数か月は、警戒しなければならないでしょう。日本政府が適切な対応をするように、声を上げなければならないかもしれません。
以上、この小説が現実にならないように願っている、作者の独り言でした。




