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168 繰り返される襲撃

フランクフルトを目指して走行する聡史たちは…‥

 幹線道路をフランクフルトに向かって走行する兵員輸送車、車内はフランスの帰還者による襲撃を退けたおかげで、ほっとした空気が流れる。



「フィオさんは僕と同じくらいの年なのに、凄い魔法使いなんだね!」


「私も後ろから見ていて、本当にビックリしたわ! 魔法陣を作って、7人から一気に魔力を奪うなんて、とんでもない高等魔法ね」


 ハインツとイエーネは、未だにオートキャンプ場でその目にした光景が信じられないという、表情をしている。大賢者の魔法をその目にしたのだから、無理もないか。当のフィオは、ハインツから『魔法使い』扱いされて、苦笑いを浮かべている。



「なるべく怪我を負わせたくなかったから、ちょっと凝った術式を用いただけよ。構築するのに時間が掛かるから、それほど実用的ではないわ」


「あれが実用的ではないというんだったら、殆どの魔法は役立たずだな。俺の目から見ても、十分な効果があったと思う」


 フィオの解説に、ハンドルを握っているベルガーが反論しているな。この3人は以前、司令の戦闘を目の前で目撃したが、そのときとはまた違った衝撃を感じているんだろうな。



「非常に興味深い術式だった。まさか頭上から落ちてくる光で魔法陣を構築するとは、私にも予想外だった」


「まあ、一度ご覧になっただけで、私の術式を見破るなんて、優秀な頭脳を持っていらっしゃるのね」


 今まで無言だったイエーガーが、初めて口を開いたぞ。この人はずっと何か考え事をしていたけど、フィオの術式について考えを巡らせていたのか。



「私は、術式の解析と理論構築が専門だからね。実戦にはまったく役に立たない、後方での研究員だ」


「ということは、ドイツの魔法銃はあなたが開発したのね」


「理論の構築は行ったが、実際に開発したのは軍の開発部と、今この車を運転しているベルガーだ」


 そうだったのか! だからこの人のことをベルガーたちは『博士』と呼んでいるんだな。言われてみれば、研究者という雰囲気が体全体から漂ってくるな。



「博士が自分から意見を述べるなんて、珍しい出来事だ。平静を装っているが、フィオさんの魔法に相当エキサイトしたんだろうな」


 ベルガーがからかうような言葉を向けるが、博士はまったく表情を変えずに話を続ける。



「日本の術式は、実に興味深い。亡命を決意して正解だった」


「博士は研究のネタさえあれば、住む部屋なんて頓着しない。日本に行ったら、高度な術式に囲まれて、狂喜乱舞するかもしれない」


 ベルガーの話を総合すると、この博士は駐屯地の開発課の人たちと話が合いそうだ。あの人たちは、揃いも揃って研究オタクだから、術式に関して話し始めると、どうにも止まらないんだ。俺たちがこうしている間にも、着々と次なる魔装兵器を準備しているかもしれない。



「早く日本に到着しないかな! 僕はカレンさんに会いたいんだよ!」


「まあ、まだハインツはカレンさんを諦められないの?」


 ハインツに声を掛けるイエーネさんの目は、やんちゃな弟を見る優しい姉のようだ。



「イエーネ、こんな場所でバラさないでよ!」


「自分から話を振っておいて、バラしたと言われてもねぇ」


 お、おう…… ハインツ、どうか頑張ってくれ。カレンが君に振り向く可能性は、限りなく低いけど。



 と、このような話をしながら、車内は和気あいあいとした雰囲気で盛り上がっている。こうして打ち解けてみると、国籍なんか関係なく一人の人間として腹を割った話ができるんだな。


 だがこの雰囲気は、運転席でバックミラーに目をやったベルガーの警告で破られる。



「後方から急接近してくる車がある。合計3台だ!」


「敵の追跡か?」


「相手は不明だな」


 4車線の一般道は、対向車が殆どなくてガラ空きだ。そこに、俺たちが乗車している輸送車に向かって、猛スピードで黒塗りのベンツが3台、急接近してくる。助手席から身を乗り出した男は、手にPK機関銃を握り締めているな。



「ロシアの工作員のようだ。どうする?」


「私が軽く相手をするわ」


 おや、大魔王様が立候補したぞ。先程は出番をフィオに譲ったから、ここら辺でひと暴れしたいのか?



「任せた」


 輸送車の屋根を開いて美鈴が身を乗り出すと同時に、俺は車全体を包んでいた魔力のバリアを元に戻す。そのままでは、美鈴の魔法の邪魔をしてしまうための止むを得ない措置だ。その代わりに、美鈴が車の後方にシールドを展開してくれる。



 タタタタタッタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ!


 マシンガンから軽快な音が響いて、輸送車に向かって銃弾の雨が飛んでくる。だがその攻撃も虚しく、美鈴のシールドに阻まれて、7.6ミリ弾はバラバラと音を立ててアスファルトに転がっていく。



「アイスボール!」


 美鈴の手からは、3個の氷の塊が放たれる。真っ直ぐにベンツに向かって飛んでいくと、正確にフロントガラスを直撃する。



 ガシャン!


 一瞬でガラスにヒビが入って、前方視界を奪われたベンツは速度を緩める。だが助手席の男がAKの銃床をぶつけて、ヒビだらけのガラスを取り除くと、ベンツは再加速して再び俺たちに向かって接近しようと試みる。



「しぶといわね。命が惜しくないのかしら?」


「美鈴さん、どうか穏便に……」


「インパクト・ブリット!」


 どうやら最初のアイスボールは、美鈴からの警告だったようだ。警告に素直に従わない場合は、本格的な攻撃に移行するらしい。3発の魔法弾は、容赦なくベンツの前面を直撃する。



 ドドドーン!


 ベンツが後方3回宙返りをする光景なんて、初めて見たぞ! 華麗な弧を描いて、フロント部分からアスファルトに着地している。おそらく乗員は、無事では済まないだろうな。



「軽いわね」


「いやいや、美鈴さん。ちょっと不味いんじゃないのか?」


「気にしなくても大丈夫よ。ロシアの工作員がドイツ国内で暴れたのだから、表沙汰にはできないでしょう」


 要は、バレなきゃいいんですね! その発想は、妹と一緒だぞ! それよりも、フィオが無傷でフランスの帰還者を封じ込めた意味は、どこに行ってしまったのだろう? 美鈴さん、聞こえていますか?



「よし、まだ追っ手が来るかもしれないから、スピードを上げるぞ!」


 ベルガーはアクセルを床いっぱい踏み付けるが、兵員輸送車は頑張っても100キロ程度しか速度が出ない。フランクフルトまではまだまだ遠いぞ!



「今度はルノーが猛スピードで接近してくる!」


「わかりやす過ぎるだろうが!」


 どうやらフランスの工作員が、帰還者たちの失敗を取り返そうと、俺たちに向かってくるらしい。しかも今度は7,8台の徒党を組んで、追い掛けてくるようだ。



「面倒だから、俺が片付ける!」


 後方を向いて立ち上がっている美鈴を一旦座らせて、俺が輸送車の屋根から顔を覗かせる。こいつらも、マシンガンを乱射してくるぞ。いい加減にしてくれ!



「ほれ、デコピン弾を食らえ!」


 ピンピンピン!


 ドンドンドン!


 前の3台に俺の魔力が命中すると、爆発の衝撃で宙を舞って、後方を走る車の屋根に着地する。うん、いい感じで多重クラッシュしているな。これでもう、俺たちを追い掛ける連中はいないだろう。



 そう安心しかけたのも束の間、今度は空からヘリのローター音が聞こえてくる。



「あれはドイツ陸軍のヘリだ!」


 ハインツが指を差して指摘しているな。これは不味いぞ! 外国の工作員ならともかくとして、ドイツの正規軍と一戦交えるのは、立場上いかにも不味いだろう。



「前方からもヘリがやってくるぞ!」


 今度は運転するベルガーが、2機の攻撃ヘリを発見した。俺は屋根の上で振り向いて、その様子を観察する。これは相当に不味い展開だな。どうやら大幅に事情が変わってしまった。それも、相当によくない方向での変化だ。この状況を穏便に乗り切る手立ては、どうにも見当たらない。いっそのこと魔力バズーカで、証拠を一切残さずに消し去ろうか。しかし……




 ちょっと待てよ! 前方から向かってくるヘリの機体後部には、星条旗が描かれているじゃないか! さすがに米軍相手に一戦交えるわけには行かないぞ! どうする? 俺。ひとまずは、ベルガーに状況を教えておこうか。



「後方から接近するのはドイツ軍だが、前方の2機は米軍のヘリだな」


「アメリカまで、俺たちを捕らえようと行動しているのか?!」


 ベルガーの口から悲痛な叫びが漏れる。世界中から包囲網を形成されて、自分たちの立場が絶望的に悪化している現状を嘆いているようだ。彼は輸送車の速度を緩めながら、俺たちに退去を促す。



「俺たちに協力してくれたことに深く感謝する。君たちをこれ以上巻き込みたくはないから、どうかこの場で降りてくれ」


「まだ覚悟を決めるのは早いぞ! ギリギリまで諦めるな!」


 ついに輸送車は路肩に停車して、俺たちを挟み込むように接近してくる前後のヘリの姿を、地上から眺める形となった。


 ドイツのヘリは警戒しながらゆっくりと接近してくるのに対して、米軍ヘリは俺たちに向かって急接近してくるな。射程に捉えるのは米軍が先のようだ。


 攻撃に備えて身構える。だが米軍ヘリは、有効射程に入っても一向に攻撃する様子がなく、ますます俺たちとの距離を縮める。すでに美鈴がいつでも魔法を放てる状態で、俺の横で待機している。2機のヘリを見つめながら、緊張する時間が過ぎていく。


 そして……




 俺たちが停車している輸送車の近くに、1機の米軍へりが着陸しようと高度を下げる。ローターが引き起こす猛烈な風が、俺たちに襲い掛かる。


 道路上に着陸したヘリのドアが開いて、バラバラと数人の人影が降りてくる。そして、その中には……



「聡史、楽しいことをしているじゃないの! 応援にきたわよ!」


 その中心で、魔法銃を肩に担いでニッコリしているのは、なんとマギーだった! さすがにこの光景は予想外すぎて、俺たち全員が唖然とした表情で彼女を見つめている。


 その間にもう1機のヘリは、そのまま俺たちの頭上を飛び去って、ドイツのヘリを追い払う。どうやら俺たちの応援に来てくれたのは、間違いなさそうだ。


 

「マギー、話がまったく見えないんだが、これは一体どうなっているんだ?」


 俺の問い掛けに、マギーはイタズラっぽい表情を浮かべている。



「聡史たちがいなくなってから、司令に事情を聞いたのよ! こんな面白そうな話に、置いてけぼりを食らって指を銜えて見ている私だと思っているのかしら? すぐに米軍上層部と連絡を取って、あなたたちを追いかけたわ! ベルガーたちも、満更知らない仲じゃないしね!」


「その行動力は、見習うべきだな」


 富士にいるとばかり思っていたマギーと、こんな場所で出くわすとは、あまりに予想外すぎてこれ以上言葉が出てこないな。それにしても助かった。この場での戦闘は、もう発生しないだろう。



「しかも事後承諾だったけど、大統領直々に私に命令が下ったのよ! ドイツの帰還者保護に協力しろって!」


「大統領直々だってぇぇぇ!」


「ええ、時々私宛に個人的なメールが届くの。私のメル友よ!」


 驚いたな! アメリカの大統領は、どれだけフットワークが軽いんだ? 司令に続いて、俺の身近で2人目のメル友が現れたぞ! 俺なんか、まだ日本政府の偉い人たちと、直に会ったこともないのに……



「したがって、アメリカ政府は、ドイツの帰還者の亡命をバックアップするわ。カイザーの件で迷惑を掛けたから、これでひとつ借りを返しておくわ」


「ありがとう。一時はどうなるかと思ったが、アメリカの支援は心強い」


 ベルガーたちは、マギーに握手を求めているな。ついさっきまでは、亡命を諦める瀬戸際まで追い込まれていたから、マギーの出現は彼にとっても青天の霹靂だろう。



「それじゃあ、私は一足先に基地に戻っているわ! 手続きが終わったら全員を迎えに行くから、待っていなさい! あなたたちはアメリカ政府が責任もって日本へ移送するわ!」


「それは助かるな。航空チケットは払い戻ししておこう」


 こうしてマギーは、再びヘリに乗り込んで去っていく。その姿を見送りながら、俺たちも再びフランクフルトを目指す。ここから先の道のりは順調で、1時間後には日本領事館に到着した。


 

 領事館内で、ベルガーたちは別室に案内されて、亡命の意思確認などを行っている。その間俺たちは暇を持て余すので、フランクフルトの街に少々遅めの昼食を取りに出る。



「ここに来たら、本場のソーセージが味わえるお店がお勧めですぅ!」


 意識を失ってグッタリしていたマリアも、すっかり元気になっている。膨大な魔力に曝された後遺症は、特にはないようで安心した。彼女の勧めにしたがって、一軒のレストランを訪れる。時間帯が遅くて、食事をする客はまばらだが、ひとつわかったことがある。


 ドイツ人は、どんなに経済状況が悪かろうとも、昼間からジョッキに並々と注がれたビールを飲むんだな。彼らにとってビールは、本当に水の代わりだ。これが国民性の違いというものだろう。ひとつ勉強になったぞ!


 マリアの勧めで、ソーセージやアイスバイン、付け合せのザワークラウトなどをライ麦パンと一緒に食べるが、どの料理も本当に美味い! 心なしか、異世界の味と似ている気がしてくる。ただし、メニューのすべてがビールに合うように作成されていると感じるのは、俺の気のせいだろうか?


 異世界では多少のアルコールを嗜んだが、日本に戻ってきてからは法律上未成年なので、一切飲んではいなかった。ただなぁ…… 破壊神になってから、どれだけ酒を飲んでも全然酔わないんだよ。状態異常完全無効化のスキルのおかげで、アルコールに酔うことが無くなってしまったんだ。


 食事をしている最中に、俺たちに向かってマリアが体調の変化を訴えてくる。



「なんだか目を覚ましてから、体がポカポカしているですぅ! 熱はないと思いますぅ!」


「マリアは急にどうしたのかしら? まさか……!」


 美鈴には思い当たる節があるようで、マリアの手を取りながら目を閉じる。そして、その目が開かれると、厳かな口調で大魔王様の宣告が下る。



「マリアの魔力が急上昇しているわ。数値にして、ざっと10万程度はあるわね」


「もしかして、それは……」


 フィオにもどうやら心当たりがありそうだ。俺にはさっぱり、その理由が思いつかない。???を浮かべて美鈴を見ると、呆れたような顔をされた。



「聡史君が、輸送車全体を膨大な魔力で包んだでしょう!」


「あっ!」


 思い当たる節があった! 輸送車の車内は、俺の魔力で満たされていたんだった! 意識を失っている間に、それを吸収したマリアは、目を覚ましたら体内の魔力が急上昇していたのか! うん、後遺症があったな! マリア、すまなかった。うっかり見落としていたぞ。



「私の魔力が増えたんですかぁ? それはとっても嬉しいですぅ!」


「マリア、よかったわね」


「はいですぅ! これでもしかしたら、魔法が使えるかもしれないですぅ! シスターのように、皆さんを守る魔法が使えると、嬉しいですぅ!」


「駐屯地に戻ったら、早速練習をしましょう」


「はいですぅ! よろしくお願いしますぅ!」


 そうか、マリアは魔法が使いたかったのか。本人がこうして喜んでいるから、まあいいか。フィオ先生に学んで、結界のスペシャリストを目指すのも夢じゃないな。それにしても、『みんなを守りたい』という殊勝な心掛けには感心するぞ! たーだーし! だったら最初から、テロリストの片棒なんか担ぐんじゃない!


 こうしてヒョウタンから駒で魔力を得て有頂天になったマリアの、嬉しそうな声がその後もレストランに響くのだった。



ドイツの帰還者を無事に保護した聡史たちは、富士へと戻ります。しばらくは日本に舞台が戻ります。投稿は、週の中頃を予定しています。どうぞお楽しみに!


前回の投稿で、新型肺炎について私見を述べさせていただきました。その後、様々な方面から情報を集めましたので、この後書きでゲストも交えて、発表させていただきます。インタビュ-形式で話を進めさせていただきますので、どうぞお付き合いください。



それでは、後書き特別編! スペシャルゲストは、この方です!


「どうも! 本編でお馴染みのさくらちゃんだよ!」


作者「えっ! 確かフィオさんに登場をお願いしたと思うんですが……」


さくら「細かいことはいいんだよ! フィオちゃんは忙しくて、私がヒマだったんだよ!」


作「なんだか予定とは違って、最悪の人選のような気がしてきました」


さ「最高の人選といってほしいな!」


作「それでは気を取り直して、今回の新型肺炎について、ゲストの意見を聞いてみましょう。さくらさん、新型肺炎について、どのようにお考えですか?」


さ「うん? 何にも考えていないよ! あんなものは風邪の親戚だからね! 私は一度も風邪なんか引いたことないし!」


作「やはり、バカは風邪を引かないんですね?」


さ「なにをー! もしかして私にケンカを売っているのかな?」


作「よかったら、ここにあるドーナツ食べますか?」


さ「おお! この作者さんはとってもいい人だよ! それではいただきまーす!」


作「ところでさくらさん、風邪を引かない秘訣はありますか?」


さ「簡単だよ! いっぱいご飯を食べて、しっかりと寝て、適度に体を動かせばいいんだよ!」


作「もし、ウイルスに感染したときの対処は?」


さ「気合でぶっ飛ばすんだよ! 気合が入っていないから病気に掛かるんだよ!」


作「やはりゲストを間違えてしまったようです。本日のスペシャルコーナーは、この辺で」


さ「呼ばれなくても、また来るから、待っているんだよー!」


 人選を間違えて、一見大変なことになってしまいましたが、実はさくらちゃんの意見には、今回の肺炎騒動の本質が隠されています。


 武漢から日本に移送されてきた方々の中には、新型肺炎を発症して入院されているケースが、ニュースで取り上げられています。その方たちの半数は、すでに快方に向かっているとの発表がありました。


まだワクチンや有効な治療法が発見されていないにも拘らず、この人たちが快方に向かっている理由は何でしょうか?


その答えは、人間が持っている免疫機構にあります。免疫が体内に入り込んだウイルスを撃退しているのです。さくらちゃんが『気合』と表現した部分を、『免疫』という言葉に置き換えてみてください。


そして、この免疫力を向上させるには、規則正しい生活のリズムと、十分な睡眠、栄養、適度な運動などが推奨されています。


日常でごく普通に感染する風邪も、コロナウイルスが原因となる例があります。もちろん普通の風邪が、肺炎を引き起こすリスクもあります。


今回の新型肺炎は、風邪を引き起こすウイルスがやや重症よりに変異した新型の株なのでしょう。したがって、予防や対処は風邪と同様に行えば、それほど大騒ぎする必要はありません。


以前も騒がれた鳥インフルエンザやSARSも数百人程度の国内感染者が発生しただけで、騒ぎはいつの間にか収束しました。一番問題となるのは、マスコミやネットに溢れるデマを真に受けて、パニックに陥ることです。冷静に情報を収集して、風邪を引かないような予防と、免疫力を維持していれば、それほど怖がる心配はないのではないかと、作者は個人的に考えております。


【ご注意 これはあくまでも私見ですので、本当に正確な情報は医療関係者の意見をぜひとも参照してください】


もっとも危険なのは、無意味に新型肺炎を怖がることです。正しい知識をどれだけ集めて、自分で予防に努めるかが、もっとも大切ではないでしょうか。仮に発症したとしても、重篤になる可能性はそれほど高くはないようです。しっかりと免疫力を保っておけば、普通の風邪と見分けがつかないうちに、自然に治っている人も出てくるかもしれません。


イタズラに不安を煽る人たちには、必ずその背後に何らかの目的があります。もしくは、単なる愉快犯です。こんな人たちが流すニセ情報には、絶対に騙されないでください。


作者としては、新型肺炎よりも、すでに感染者が1500万人に達している、アメリカのインフルエンザのほうが、より大きな危険を秘めているように感じられます。本当にこちらへの対策を、何も採らないでいいのかなと、考えてしまいます。


長々と偉そうに意見を述べてしまいましたが、自分なりに精一杯情報を集めた結果ですので、もしよろしかったら、何かの参考にしてください。


ただし、この私見にはひとつだけ前提条件があります。もしこの新型肺炎を発症させるコロナウイルスが、細菌兵器として開発されていたのだとしたら、上記の見解はまったく成立しません。作者としては、一応現在は、自然発生したウイルスだという認識の上に立って、このような意見を持っていると、どうぞご理解ください。



いずれにしても、健康が第一です! 皆様のご健康をお祈りしております。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 後書きのインフルエンザの件、全く知らなかったけど調べたら作者さんの言うとおり現状がヤバいって事が分かって凄いためになりました。 [一言] 最近この作品を読み始めて今日、最新話に追いついたん…
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