162 富士帰還とマギーの疑問
週半ばの投稿を飛ばしてしまい、大変申し訳ありませんでした。その分、今日明日、連続で投稿します。
広東省南部で、中華大陸連合のニューモデル部隊と帰還者を打ち破った件をもって、日本国防軍の香港での活動は、実質的な終了を迎えた。帰還者とバックアップ部隊で総勢100人弱という、元々こじんまりとした所帯であったが、連絡要員を除いて順次撤退する予定となっている。
イギリス軍は香港周辺の軍事拠点に、アンデッドの攻撃によって失った人員の補充と、更なる兵員の増強を行っている、本国の将兵だけでは手が足りずに、ネパ-ルの山岳地帯に住む勇猛果敢で知られるグルカ族の傭兵旅団も投入している。イギリス政府はこの地の確保のために、最終的には7万を超える人員を派遣する予定である。こうして占領地の確保を確実なものとしつつ、目を転じて、北部の福建省や浙江省に圧力を掛けるプランの実現に邁進する予定だ。
米国海兵隊は佛山市の敵軍拠点を突破した翌日に、広州市へと雪崩れ込んだ。アメリカ政府が広州市の占領に拘ったのは、南部最大の都市というだけでなくて、さらに西側の広西自治区や雲南省へ攻略の触手を伸ばす足掛かりとするためだった。
現在中華大陸連合は、東南アジアのラオス、カンボジア、ミャンマーへ進駐して、この3国を軍事的に支配している。広西自治区から雲南省の広範囲を米軍が抑えれば、東南アジアへの補給路を断ち、かつ退路を絶たれた中華大陸連合侵略軍には、心理的な圧迫を加えることが可能となる。これらの地域を中華大陸連合から奪還し解放する軍事行動の一環であった。
もちろん、広大な大陸の奥地へ侵攻するのは大きな危険を伴うが、世界の警察官としての矜持を取り戻そうというアメリカの世界戦略には、必要不可欠な作戦であった。
これらの米英の動きについて日本としては、協力はするが積極的に関与する姿勢を示さずにいる。現状は静観しながらも、本格的な東南アジア反攻作戦が開始されたら、ベトナムやタイと協力しながら内陸部に侵攻して、東南アジアの地から中華大陸連合を駆逐する準備を整えているのだった。
米国が広州市を陥落させた3日後……
俺たち国防軍帰還者部隊は、広州が陥落するのを見届けてから日本へ戻る準備を開始した。中華大陸連合側から広州を取り戻そうという動きが特段見られないため、香港から広東省南部の占領に関しては米英軍にお任せで、日本へ戻るように政府並びに統合参謀本部からの指示を受けているためであった。
そして現在、香港国際空港から飛び立ったC-2輸送機の機内にいる。俺の隣の席はマギーが占拠している。素早く俺と美鈴の間に割り込んで、この席を確保していた。美鈴はぐぬぬという表情を浮かべている。
「聡史、日本は本当にこれでいいの? あなたたちが一番活躍したんだから、広東省の半分くらいもらう権利があるんじゃないのかしら?」
「マギー、日本には広大な大陸を統治していくだけの余剰人員はないんだ。それに歴史的に考えても、大陸に手を出すと碌な目に遭っていないからな」
「そうなのかしら? 私たちとは感覚が違うのね」
「アメリカも、アフガンやイラクで相当苦労しただろう。日本は、国土防衛が第一という戦略思想はは不変なんだぞ!」
「そういうところが、日本という国の不思議な部分なのよ! 欲がないというか……」
「欲がないというよりも、面倒事には関わりたくないんだよ」
「面倒なんて答えが返ってくるとは思わなかったわ! 聡史たちが力を振るえば、控えめに見ても世界の半分は手に入るのに」
「手に入れてどうするんだ? 日本の1億の人口では、そんな広い範囲の統治なんか不可能だぞ。それに日本人は世話焼きだから、手に入れた土地を必ず豊かにしたがるんだ。金がいくらあっても足りなくなる」
「確かに、海南島に相当な金額を注ぎ込むみたいね」
「だから、敢えて広い範囲には手を出さない。それが日本の方針だよ」
「ちょっとだけわかったような気がするわね」
マギーは生粋のアメリカ人だ。先祖に日本人の血が入っていようとも、その思考や感覚は生まれ育ったアメリカの精神によって作り上げられている。いまだにアメリカには、開拓精神という200年前の思想が、根強く残っているんだ。だから日本が大好きであっても、このような日本流の考え方の本質を理解するのに、かなり時間を掛けた説明を要する。
これがいいとか悪いとかではなくて、民族が長い歴史で培ってきた性質だから、今更お互いに変えようがないんだ。
「だから日本人は支配ではなくて、交易や交流でお互いに仲良く利益を上げたいと考えるんだ。そのためには、世界が平和であるのを望んでいる」
「それはアメリカ人の大多数も一緒だと思うけど、ただし、一部には戦争で利益を上げようとする勢力が存在するのも確かね」
軍産複合体のことだな。いまだに全米ライフル協会が政界に隠然たる影響力を持っているんだから、推して知るべしだろう。その他にも航空宇宙産業は、大抵軍需産業がバックについているし。というか、軍需産業そのものだし。
「でも、不思議と日本人のそういう考え方が素直に受け入れられるのよね。イスラムの考えとかだと、どうにも馴染まないんだけど」
「マギー、それは日本人が宗教に寛容だからよ。たとえばこの大魔王に〔ルシファー〕というコードネームを冠する程度にね」
おや、横から美鈴が口を挟んできたぞ。この二人は、一緒に米軍の応援に行ってから、ずいぶん仲良くなったんだよな。
「美鈴、やっぱり日本人ってどこか変よ! 他国の宗教の悪魔の名前を名乗るなんて、その宗教を認めるようなものじゃないの? 自分の神様以外をどうして信じられるというの?」
「それは、古来から日本には大勢の神がいたから、そこに何人神が増えても大した問題ではないのよ。マギーはギリシャ神話を知っているでしょう。古い時代のあなたたちの祖先は、大勢の神を信仰していたのよ」
「ああ、言われてみればそうだったわね。でも、あれはラテン民族の古い信仰よ」
「ゲルマン神話やケルト神話もあるけど。確か、スルトはゲルマン神話のラグナロックの記述に出てくる……」
「そうよ! スルトよ! いつか聞こうと思っていたんだけど、あの動画に映し出された空の巨人を倒したのは、絶対に聡史よね!」
おや、マギーが美鈴の話に被せるように、俺が忘れたいと思っていた事案を蒸し返してきたぞ。ここはしらばっくれる一手だな。
「ノーコメントだ!」
「沈黙は肯定と見做すわよ! あんな力を発揮するのは、聡史以外には考えられないわ! それに証拠も挙がっているんだから。イギリス軍の目撃者がいるのよ! 天を突くような巨大な人の影のようなものが、東完市上空で目撃されているんですからね!」
「何の話かよくわからない」
「聡史は東完市近辺に出撃していたわね」
「ゼンゼンシリマセンヨ(棒)」
不味いな、マギーの追及に一方的に押し込まれているぞ。
「それから、イギリス軍基地に天使が出現したらしいんだけど、カレンは何か心当たりがあるかしら?」
「ゼンゼンシリマセンヨ(棒)」
今度はカレンが、俺と同様に追い込まれている。もはやバレバレなんだけど、どんな証拠を突きつけられても、この場で認めるわけにはいかない。
「マギー准尉、その辺で終わりにしてほしいな。我が部隊の機密をこれ以上明らかにするのは、少々問題があるぞ」
「申し訳ありませんでした。出過ぎた真似をいたしました」
ようやく司令が割り込んできて、マギーの追及を強制的に終わらせてくれた。ありがたい。マギーは、俺とカレンにジト目を向けているけど、国防軍の最終兵器の存在を米国の一員に明らかにするのは色々な意味で不味いんだ。限りなくクロであっても、知らぬ存ぜぬで押し通すしかない。
結局、この件には触れないままで、俺たちが搭乗する輸送機は無事に厚木飛行場へと到着するのだった。食事と短い休憩を取ると、そのままヘリに乗り換えて富士へと向かう。2週間ぶりの帰還だな。
「兄ちゃん、お帰り!」
「皆さん、お疲れ様でした!」
俺たちを妹とフィオが出迎えてくれた。司令は副官さんとなにやら話し込んでいるな。不在の間、色々とあったんだろう。主に俺の妹とか、俺と血の繋がりがある人間とか、さくらという名前のヤツが何か仕出かしたんだろう。司令の留守を預かっていた副官さんの気苦労がしのばれる。本当にお疲れ様でした。
そのまま俺たちは宿舎へと向かう。入り口の内部には小さな休憩用のラウンジが設けられているんだけど、そこに座っていた小柄な人影が、俺の姿を発見するとパタパタと駆け寄ってくる。
「聡史お兄ちゃん! お帰りなさい!」
「ナディア、いい子にしていたか?」
俺の胴体に取り縋って、絶対に離すものかと両腕に力を込めて抱き付いているナディアの頭を、俺はポフポフする。いつもと変わらぬご挨拶だ。
「聡史お兄ちゃんが早く帰ってくるように、毎日お祈りをしていたの。いい子にして一回も泣かなかった!」
「そうか、このとおりちゃんとナディアの所に帰ってきたから、もう心配するな」
「うん、聡史お兄ちゃんは絶対に帰ってくるって、約束してくれたから!」
「そうだぞ! 俺はナディアが待っているんだったら、絶対に帰ってくるからな」
ナディアの元を長期に離れたのは二度目だった。前回も約束どおりに戻ってきたから、今回は比較的安心して俺の留守を待っていたようだ。ちょっとだけ成長したのかな? でも、こうして無事な姿を見せて、ナディアを安心させることができて良かった。
「それじゃあ俺が留守の間、ナディアがどのくらい頑張ったか、お話を聞こうか」
「うん! あそこに座ってお話しよう!」
俺はナディアに手を引かれるようにして、椅子に座らされるのだった。
1週間後……
中華大陸連合から、国際社会に向けられた声明が出された。その内容は概ね停戦案となっており、その趣旨は次のとおりであった。
「国際社会に栄誉ある地位を占める中華大陸連合は、地域の安定と平和のために大きな貢献を果たしてきた。不幸な行き違いから、日米英と戦火を交える事態となっているが、我が国は当該国と交渉の余地を残している。速やかに日米英各国が占領地から撤退し、そもそもあった秩序を回復するならば、我が国は停戦に応じる意思がある」
以上のような、上から目線の停戦を呼び掛ける声明であった。日米英を撤退させて、自分たちは東南アジアや沿海州からは退かないという、きわめて自国に都合がいい提案だ。この内容が発表された翌日に、俺たちは図面演習室に集められている。
いつものように帰還者全員が取り囲むテーブルに、陰陽師部隊の真壁中尉と副官が上座に並び、その空席となっている中央には司令が腰を降ろす予定だが、まだ姿を見せていない。
そして、いつものように妹は…… 寝ていない! なにやらメモに色々と書き込んでいるぞ! 前回はおでんパーティーの計画だったが、今度は何を企んでいるんだ?
〔第1回、おしるこ大会開催企画〕
はい、知っていました! でも会議の場で不謹慎なので、注意はしておこう。
「さくら、これから大切な会議なんだから、真面目に話を聞くんだぞ!」
「兄ちゃん、それどころじゃないんだよ! 年末に餅つきをやったおかげで、お餅が大量に余っているんだよ!」
「お前がもち米を3俵も準備したせいだろうが! 全部つき切るまで3時間も掛かったんだぞ!」
「だから私が責任を感じて、毎日10個ずつ食べてはいるんだけど、大量に消費する方法を思いついたんだよ! 明日おしるこを作るから、この話が終わったら美鈴ちゃんに頼んでおくよ! 小豆を50キロ買い込んできて、用意は完了しているからね!」
50キロって… 少しは買い込む単位を考えろよ! 部隊の全員に振舞うつもりか? 野外炊事2号を借りるつもりなのか? いつもながら、その頭の中身はどうなっているんだ?
「自分で作らないで、あくまでも美鈴にやってもらおうという魂胆なんだな」
「当然だよ! 私が料理に手を出すと、大惨事確定だからね! お餅がもったいないよ!」
どうやら妹の脳内では、おしるこ大会はすでに決定事項のようだ。今更止めても、突っ走り出したこやつを止めるなど不可能だ。
「程々にしておくんだぞ」
「兄ちゃん、やるからには盛大に実施するに決まっているでしょう!」
そうだった。妹が計画すると、相撲部屋を上回る規模で準備しないといけないんだった。これはもう、トレーラーが何台も横付けされる石原軍団の炊き出しレベルだ! もう何も言うまい…… そこに司令が入室してくる。
「待たせてすまなかった。それでは、中華大陸連合の停戦案に対する政府の決定について伝達する」
やはり、あの停戦案についての話だったか。政府の対応が気になるな。
「まずは、停戦案に対する政府の意向だが、正式に拒否する方針だ」
ほうほう、日本政府としては強気の方針で臨むわけだな。これだけ一方的に中華大陸連合を押し込んでいて、占領地からの撤退を受け入れるとは考えにくいから、この決定は納得できるな。
「日米英の首脳が急遽電話会談して、これら3国に加えて、フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシアの旧アセアン各国とインド、さらにはカンボジア、ミャンマー、ラオスの亡命政府と連名で、停戦案の拒否を伝える根回しをするらしい。各国ともすんなり合意するものと考えられる」
「司令、ロシアはその中には入らないのですか?」
おや、美鈴が発言しているな。確かに中華大陸連合と戦火を交えているのは、ロシアも立場を同じにしている。対中華大陸連合に参戦している主要な国で、ロシアが入っていない点に、疑問を感じるのは当然だな。俺も、同じように感じたぞ。ホントウデスヨ(棒)!
「ロシアは過去の行状が酷すぎるから連名に加えないのが、日米英の基本方針だ。あそこは勝手にやってくれという立場を維持する」
なるほど、この際東アジアでロシアの力を徹底的に殺いでおこうというんだな。沿海州を巡って、中華大陸連合とロシアが共倒れになれば、日本の安全保障上好ましいと考えるのが当然だろう。双方が気が済むまで戦ってくれという、何かしらの思惑が働いているようだ。一切興味も関わりも持ってもらえないなんて、ロシアって嫌われすぎていないか? 自業自得と言えばそれまでだけど。
「おそらく今週中に、連名での停戦拒否の声明が示されるであろう。それから『都合が悪くなると、被害者面か!』と、アメリカ大統領が激怒しているらしい。どうやらマクニール大統領の怒りを搭載したミサイルが、北京郊外に向けられる予定だ」
「済州島からでは、射程距離が足りないのではないでしょうか? 黄海に艦隊で乗り込むんですか?」
「楢崎訓練生、いい質問だな。アメリカは射程を延ばした〔トマホーク巡航ミサイル・ブロック6〕をすでに済州島に運び込んでいる。ギリギリ北京の中心部には届かないが、近郊の基地ならば攻撃可能だ」
さすがはアメリカだな。ここにきて新型ミサイルを実戦配備するのか。美鈴の隣にいるマギーがドヤ顔しているぞ。はいはい、凄い国ですよ。実は日本の最新ミサイルは楽に北京に届くそうなんだけど、如何せんまだ数が足りていない。予算の違いが大きすぎるな。これは、大量生産と職人技で製作する違いとも言う。
「以上が、中華大陸連合が発表した停戦案に関する対応だ。その他に何か聞いておくことはないか?」
「司令、広州を拠点としたアメリカ軍が、これから内陸部に侵攻するにあたって、司令の見解と見通しを聞かせてください」
今度はマギーが発言したな。自国の軍隊が今後どうなるのか気に掛かるのは当然だよな。
「米軍がどのような戦略で臨むのか、細かな部分までは聞いていない。個人的な見解でよかったら話しても構わないが、そのとおりになるかどうかは保証の限りではないぞ」
「それでも構いませんので、聞かせてください」
マギーは真剣な表情で司令に頼み込んでいるな。俺も司令の話を聞きたいぞ。
「そうだな、中華大陸連合にとって広州を占領されたこの事態は、アメリカで例えれば西海岸のロスやサンフランシスコを占領されたと、考えれば釣り合いが取れるだろう」
「それはどのような根拠ですか?」
「アメリカは広い。同様に中華大陸連合が統治する範囲も広い。ニューヨークやワシントンから見て、西海岸は感覚的に遠い場所だろう」
「確かに遠いです。時差も4時間あります」
国内で時差があるって、凄いよな。日本では考えられない規模だよ。だから日本人は、大陸という概念を本当に理解できないんだと思う。
「したがって北京政府の視点では、遠い南部を占領されている現状は、それほどの危機感を抱いてはいないと考えている。さて、仮にロスからデンバーまで侵攻するにあたって、苦労するのはどのような点だと、マギー准尉は考えるか?」
「やはり、距離に応じて補給が困難になる点でしょうか」
「そうだな、しかも中華大陸連合は人口が多い。2個軍団程度の軍隊では、あっという間に人口の沼に飲み込まれるぞ」
「人口の沼ですか?」
「そうだ、腹を空かした億単位の住民が待っている。少々の食糧援助では足りないからな」
「それは深刻な事態です」
司令の話を聞いて、マギーはそう簡単にことは運ばないという考えに至ったようだ。億単位の住民の面倒を見るなんて、アメリカでも不可能じゃないのか? 想像を絶する困難な事業になるぞ。
「この膨大な人口をまともに相手にしていたのでは、いくらアメリカといえども、国庫が破綻するだろう。だから、白人の伝統的な植民地経営を取り入れるしかないだろうな」
「植民地経営ですか?」
「そうだ、現地の少数派を優遇して、多数派を統治させるんだよ。あの地域には少数民族が多数住んでいる。彼らを味方にして、漢族と呼ばれる現在の支配者層を駆逐する。少数民族の手で独立した国家を建設するしか道はないだろうな」
「海南島のようにですか?」
「そうだな、あの島は漢族が率先して出て行ったから、比較的容易に、苗族や黎族が中心となった新政府発足の準備が進んでいる。そういう方向に持っていけたら、アメリカの占領地経営も上手くいくかもしれない」
「ありがとうございました。今の話は占領部隊に伝えてもいいでしょうか?」
「結構だ、役に立てばいいな」
アメリカという国家は、占領した土地を力任せに自国流に統治しようとして、泥沼に嵌まった苦い経験を繰り返してきた。唯一占領政策が成功したといえるのは、日本だけだ。だがそれは、日本という世界にまたとない国家の根本が崩れ掛けるという痛みを、日本人に何十年ももたらした。
2022年の憲法改正や、スパイ防止法の制定によって、ようやく国家の利益をまともに考えられる政府が登場した。それまでは戦後何十年間も、諸外国にまともな意見が言えずに、周辺国に振り回される政治状況だったからな。おっと、話が逸れたぞ!
だから司令は、今までとは違うやり方をアメリカは考えろと、忠告しているんだろうな。この意見を生かすも殺すも、アメリカ次第だろう。可能ならば、混乱は少ない方向でやってもらいたいものだ。
こうして、この日の方針説明は終了する。横を見ると、妹は相変わらず熟睡しているのだった。
日本人とアメリカ人の感覚の違い、これはかなり時間を掛けないと本当に理解し合えないのではないでしょうか。次回は、舞台がヨーロッパに移ります。
おかげさまで、評価をいただいた方の総数が100人となりました。本当にありがとうございます。これからも応援いただけると、とてもうれしいです。
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