2話 魔境
目が覚めた
起きた時父親も馬車もいなくなっていた
「う、はぁ、はぁ、このままじゃまずい…」
魔境は空気中の魔素量が多く
長く魔境にいると魔素に身体が
侵されて魔人になってしまう。
普通の動物ですら、ここに長くいると危険な魔獣と化す
「痛い!痛い!イタイ!イタイ!」
身体に魔素が入ってくる…
「う、おぇえぇぇえ…」
激しい吐き気がした
『体内に魔素が多量に入ってきています、魔素を魔力に変換しますか?』
頭に何かが直接喋りかけてくる
「う…なんだ?」
『体内に魔素が多量に入ってきています、魔素を魔力に変換しますか?』
「こいつに頼るしかない…のか?」
『体内に魔素が多量に入ってきています、身体の一部を犠牲に魔力に変換しますか?』
「く…内容が変わった、身体の一部か…もうどうにでもなれ!変換してくれ!」
『左眼を生贄に魔力変換を開始します』
その声と共に僕の左眼に激痛が来た
僕は意識を手放した
『魔力蓄積の上限に達しました、上限を解放します』
『魔素を魔力に自動変換するためスキル【魔素変換】を獲得しました』
『左眼を生贄にしたことにより、魔眼を手に入れました』
『魔眼の効果により、スキル【鑑定】【魔力探知】を獲得しました』
『シークレットスキル【輪廻転生】が解放されました』
『シークレットスキル【輪廻転生】により身体の一部が変化する可能性があります』
『シークレットスキル【輪廻転生】により一部のスキルと耐性が解放されました』
『シークレットスキル【輪廻転生】により記憶がよみがえります』
頭の中で永遠と声が流れている
全ていい終えたようで何も言わなくなった………
ゆっくりと身体を起こす
身体に異常はないむしろ良くなった気がする、不思議と頭はスッキリしている
「はぁ…今回は魔法至上主義の貴族の家だったのか…」
すでに俺は何度も転生している
どうやら死にかけたら記憶がよみがえるらしい
近未来的、科学が飛躍的に進歩した世界
その世界では、ストーカー気質な女に
背後から刺されて記憶がよみがえったはいいがそのまま、刺し殺された
「流石にあのナイフはひどすぎだろどんだけ恨みがあったんだよ」
猛毒がたっぷり塗られたナイフだった
お陰で毒耐性がついたが良い気分ではなかったな
中世時代のお城なんかがある世界では
女として転生した俺は、魔女狩りだなんだとか言って
イエス様のように棒にくくりつけられ
燃やされた
あかげで炎耐性が火炎耐性にランクアップだ
そんなこんなで色んな世界を転生して
スキルやら耐性やらが凄いことになった
今回は珍しくそのまま死ぬなんて
事は無かったみたいで
自由を満喫だ、その前に
あのくされお父様にお仕置きが
必要かな?
とりあえず
水場を探して、食料の確保かな?
「よし、行くか」
森の中に入っていき小川を探す
幸いすぐ近くに川が流れていた
「ここを拠点にして活動するかな?」
川で顔を洗おうとすると
黒髪で左眼が紅く染まっていた
「ほぉ、これじゃ誰なのかわかんないな…ははは、それでもお仕置きはするけどね」