0話プロローグ
若輩者ですがどうかよろしくお願いします
「それでは、あなたを殺しますね?」
「はい、お願いします」
思えば産まれてから何も良いことはなかった…
父親は幼い頃にいなくなり
母親は寂しさからか、DVが多かった気がする
5歳になった時にデパートに連れて行かれ
これで、注文してきなさいと
千円札を渡された、ファーストフードの
店員が幼い俺にお辞儀をして笑顔で
お金を受け取ってお釣りを渡してきたのを鮮明に覚えてる
「ちゃんと、注文できたよ!」と
振り返ると母親はいなくなっていた
注文したポテトを食べながら
ひたすら待ったが母親は現れることはなかった
その後、母親の姉の家に世話になることになった
母親の姉家族は俺より年上で恐怖の対象だった
家にいれば穀潰しと伯母に殴られ
伯母の息子は母親が殴るなら
自分もと一緒になって殴ってきた
伯父は俺の身体を灰皿代わりにした
夏でも長袖でいなくてはいけない身体になった
ある日耐えられなくなり
殴られている時に伯母の腹に
蹴りを入れた
そこから2ヶ月
飯は3日に1食だった
そのまま大きくなり
中学を卒業した時に家を追い出された
もちろん小遣いなど渡されている
わけもなく無一文だ
毎日を生きていく食事も取れず
いつか来る死を歩道の脇で
待っていた時
1人の男が俺の所に来た
その男はこう言った
「人生をやり直したくありませんか?ただし何処でやり直すかはお受けいただいてからお話しさせていただきます」
ひどく魅力的だった
俺はすぐに声を出そうとしたが、久しぶりすぎて上手く声がでなかった
「おねがいじます」
とかすれ声でなんとか言えた
「わかりましたよ、ではこの車にお乗りください」
そう言うと目の前にリムジンの様な車が一台来た
実際にリムジンを見た事がないからわからないがきっとこれがそうだろう
その後実験施設の様な場所に連れて行かれ、薬を飲まされ身体のあちこちを検査された
薬を飲み機械を使った人体実験の様な事が何日も続いた
時には焼ける様な暑さの部屋に入れられ
時には身体に電流を流された
そんな痛みにもたえて
これで最後だと言われ、俺はカプセルの中に入っている
「実験にお付き合いいただきありがとうございます」
「いえ、自分で決めたことですので」
「そうですか、この後の人生は死のうと思わず必ず生をまっとうしてくださいね」
と笑顔で言われた
「ありがとうございます」
「それでは、今からあなたを殺します」
「はい、お願いします」
男がボタンを押すと俺の意識は薄れていったとても心地が良いいつまでもこの感覚が続けばいいのに
薄れ行く意識の中
「何度、死のうが繰り返してもらいますがね…」
そんな声が聞こえた
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