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汚物変身菌滅殺剤(ワクチン)

一ヶ月空いちゃった・・・テヘペロ


総一郎は森から奪った資料を眺めながら静かな廊下を歩いていた。

研究所員はもう避難しきったようだ。

これが此方にとって良いのか悪いのかは分からない。

場合によっては脅して利用することが出来たが居てもめんどいことになるかも知れない。

―――資料の通りにワクチンとかのようなものがあるなら、ゾンビからの感染を防ぐことができる。そうすれば、生存力もグンッと増すな。

この三年でウイルスに対抗する薬を作れた者はいなかった。

只、情報が流れてこなかっただけかもしれないがとにかく、ゾンビに噛まれてゾンビ化しなかったのは、噛まれた部位を切り落とし、火で滅菌及び止血をしたものだけであった。しかも、ソレを一瞬で判断して迅速に行う必要がある。ウイルスが体中に広がる前に体内から取り去るか殺さないとならない。

ゾンビになった者が元に人間に戻るという希望は捨てた方が良かった。

ある実験では放射線を利用して体内のウイルスを殺すという試みが成されたが結果は無残に残った死体だけであった。

ウイルスを殺しても人格も脳も戻ることはないのかも知れない。

だから、一番よいのは噛まれたり等の感染をするような行為を最大限防ぐことだ。


「第三研究室か・・・となると予防薬を研究していたのは第五だから近いな」

一人、資料の地図と睨めっこをしながら口にした。

その声が響くと廊下には足音と火の音しか聞えなくなった。

廊下は薄暗かった。ライトは使えないので火を起こして、植えてあった木の枝の先に油を付けた布をくっ付けた松明を持って歩いていた。

この科学の塊のようなところで松明なんかを持っているのはとっても妙な気分であった。

「ここか・・・」

扉についているプレートを確かめると『第五研究室』と記してあった。

電子制御のようでカードの差込口のようなものがあった。

間違いなく正攻法では開きそうにないので再び、C4を使って穴を開けた。

そんなには頑強には作っていないようなので道は開けた。

中に入ると始めに目に付いたのは強化ガラス製の檻だ。そこにはゾンビが三匹、入っていた。

実験生物ってとこだろう。

―――元は人間なのにな。

ゾンビは此方を見ると歯をむき出して威嚇するとガラスに向って突進してきた。

しかし、ガラスを割ることは出来ないようなので此方には来れない。

二匹は騒ぐのに対して、一匹は静かであった。

それでも、静かな方も腕には動物・・・犬猫なんかの足が握られており、ソレを口にした。

―――ワクチンの効果なんかではなく、満腹なだけか?

総一郎はジッと見たが別に俺が見ても分かるまいとゾンビから視線を離し、別なものを探した。

次に目に入ったのは机の上の資料である。

総一郎は手にとって、パラパラとめくってみた。

専門用語ばかりだがワクチンなどという単語があらゆる所に見られたのでここでワクチン研究は絶対に行われていたのだろう。

その時、銃声が聞こえた。入り口の警備についてた奴らか。

―――侵入されたか!?

葵たちも心配なので資料を急いで読み進めるとこの施設の食料庫に『MHP-57』という製品番号で保管しているらしい。

総一郎は地図を確認した。

地図によると地下に食品庫が存在するらしい。ここのエレベータは使えないので階段を使おうと考え、階段を探すがそれらしきものが見つからなかった。

そこでエレベータへと向った。ボタンを押すが勿論、作動しなかった。

―――しかたねぇ・・・

エレベーターの扉をこじ開け、研究室にあった適当なものを扉に引っ掛けて、ストッパーにする。

下のほうを覗くが暗くて何も見えない。

それでもエレベータ内を通るはしごを使って下へと降りていった。

何分経っただろうか?新たな扉を見つけ、扉をこじ開け、地下一階へと辿り着いた。

ここでは何故か電源が入っていて、電灯がついていた。

どうやら、ここの電化製品は無事だったようだ。原因なんかは知らないけど。

ここも気配がない。

動き始め、食料庫へと向おうとしたとき、物音がした。

GLOCK17拳銃を物音の方向へ向ける。

そこから現れたのは四足歩行の生物であった。

元は犬とかだろう。大きさは小型犬。チワワとかぐらいのサイズである。感染体だと一目で分かった。便宜上、バイオドックと呼ぶことにする。

考えているうちにバイオドックは此方に向って突進をしてきた。

総一郎、一歩横に移動し、照準を合わせて撃った。

しかし、バイオドックは跳躍して弾丸を避けた。

小さい分、狙いが定めにくい。バイオドックは飛び掛ってきた。

総一郎はバイオドックの首を掴む。バイオドックは歯をガチガチ鳴らして噛み付こうと足掻いた。

「ぐぐぐ・・・・」

バイオドックの口がどんどん、近づいてくる。

総一郎は力を込めて、バイオドックの首を回した。

そして、壁に向って叩き付けたがバイオドックは歯を鳴らし続けた。

総一郎はGLOCK17を向けると頭部に向かって撃った。

するとバイオドックはようやく動かなくなった。

総一郎は走って食料庫へと向った。

背後からは数体のバイオドックが迫ってきていた。

何体かはバイオドックの死体に群がっていたが食いそびれた奴らが此方へと襲い掛かってきた。

角を曲がると10mほど先に食料庫を見つけた。

バイオドックが追いかけてきた。

総一郎は食品庫内に入るとドアを閉め、鍵を掛けた。

「はぁはぁ」荒い息を落ち着けようとする。

ドアに突進してくる音が響く。

「ここの犬は友好的ではないようだ。」

―――ワクチンは・・・・?

棚を資料と照らし合わせて探すとカロリーストーン(商品名)の箱の中に注射器と液体が入っていた。

総一郎は箱を開けて、腕に注射した。

「ハハッ!あっさり手に入ったな。どれどれ、効き目はあるか?」

ここから出るにはエレベーターまで戻る必要がある。それはバイオドックの巣窟を通り抜ける必要があるということだ。


強行突破の前に食料庫にあった食料を食すことにした。

あったのはカロリーストーンや缶詰、健康食品しかなかった。

―――上はどうなってんだか・・・

これが恐らく休む最後の機会だろう。






「走れ!動け!行けぇぇぇぇ!」

横沢が叫ぶ。今は体育館を出てゾンビから隠れるために隣の研究所へと向っていた。

後ろからは美月や葵を初めとして、横沢が体育館から避難誘導してきた人々がついて来ていた。

「総一郎は!?」

「奴は別件で隣の研究所に入った!こっちだ!俺らも行くぞ!」

「・・・・左!」

葵が横沢に向って叫ぶ。横沢は89式を振りゾンビの頭部を殴った。

ゾンビの頭が陥没して倒れた。トドメに頭部に銃弾を撃ちこんで安全を確保する。

一通り周りを見回すがゾンビは一匹たりとも見つかりなどはしなかった。

入口の自動ドアから中を覗うが中に動くものはなさそうであった。

「・・・・中には気配は感じないわ」

葵が横沢の横から中を覗い言った。

「よし、俺が先に入る。二人は何事もなかったら入ってきてくれ。他の人も同様にだ!」

そう言って自動ドアを開けて銃を中に向けて横沢は入って行った。

「よし、入って来い!」

横沢がしゃがんで銃を暗闇の先に向けて警戒していた。

「よし、ここは塞ぐぞ。手を貸してくれ!」

避難民の男性が横沢の指示通りに自動ドアを塞いだ。


「ここを死守する。葵と美月は辺りの探索をまかせる(総一郎の事をまかせた)」

「うん(まかせて)」


すると篠崎が葵と美月のところに寄って来て「私も・・・」と言ったが美月に残るように言われ避難民から離れたところに戻った。

そして、二人は館内の探索へと向った。



「自衛隊の救助は来るのですか?」

避難民の女性が横沢に聞いてきた。

「大丈夫です。ここは避難所なので避難用のヘリが飛んでくるはずです。」

横沢は以前に上司から聞いた情報を話した。有事の際は全ての避難所へどのような状況でも救助のヘリを飛ばすという規則があるのである。

避難所は北海道にしか現在は存在しないためこのような規則となった。

「とにかく今は待機です。皆さんは休んで置いてください。」

―――さて、どうなるのやら・・・

横沢は入口の自動ドアを眺めながら呟いた。


ご拝読、ありがとうございました

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