最後の日本を守れ!
注意
銃器に関して間違えた箇所があることがあります。
ご指摘を御願いします。
「例の連中のアジトが潰された。」
ある日、突然、由香里が総一郎に言った。
総一郎はスナイピングの練習をしていた。内容はスナイパーライフル、SL-9(この銃はG36を改造したもの)を構えて、その銃の上に鉛筆のキャップのようなものを載せて、構え続けるという訓練である。
何時間も続けるので辛い。キャップを落したら今度はランニングの距離が伸びるという厳しいものだ.
「え!?どうしてですか!?」
「ああ、どうやら、自衛隊が動いたらしい。」
「へぇ、自衛隊が・・・・」
総一郎の中では自衛隊はあまり、強いというイメージがなかったので以外であった。
「じゃ、持って来て貰った武器も無駄になっちゃいましたね。」
「いや、別件で使わせてもらおうか。まぁ、楽になれ。」
「・・・・・別件とは?」
「ああ、上からの依頼で中国軍の侵攻を止めて欲しいそうね。」
「はぁ!?いや、ムリですよ。」
「今回の作戦にはウチの別部隊も参加する。」
「相手の数は?」
「諜報によると一個中隊で来るそうだ。決行は来週、急いで向うわよ。」
「了解、場所は・・・?」
「ああ、福島だ。」
「なるほど・・・・ついにこっちまで侵攻しようって腹ですかね。」
「そんなところでしょ。」
「とにかく、明日に出発だからね!」
「へいへい。」
総一郎は訓練を終えて、あるビルにやってきた。
屋上に登り、町を見渡す。
このビルはここらで最も高いビルである。
町中が見渡せるいい場所だ。
ここも、もはやゾンビしか居ないゴーストタウンである。
総一郎たちは未だにゾンビの掃除を終えていなかった。
米国では空爆などで終えたらしいが日本の本州には未だ、多くのゾンビが残っていた。
弱点が分かり、ゾンビを殲滅しようとしたら中国軍が国内に侵攻、今は現状維持で精一杯である。
だから、由香里の所属するPMCなどが動いて、今回のように動こうとすることがある。
それでも戦力の差があるので追い出すことが出来ない。
自衛隊も動いてくれると良いが・・・リスクは負いたくない様だ。
成功する見込みもない。
中国軍は最早、当然だが日本を越えている。
軍事資産もパンデモニック以前に公表されていたものだって、他にもあったに違いない。
海兵隊も一時、日本から去っていった。
以前の『オスプレイ』配備の反対派などが居たせいか、とっとと米軍は日本から引いていった。
国民は米軍なしでこの国を十分に防衛できると思っていたのか。確かに防衛力では優れているが隣国には中国、ロシアのような国があるのに協力なしでやっていけると思っていたのか。
どちらにせよ、今となっては仕方のないことだ。
ま、由香里の所属するPMCがアメリカに向って作戦を受けることによって、媚を売っておいたので今は北海道の防衛に参加しているそうだが。
この作戦のつらかったことは後ほどにでも語ろう。
しかし、総一郎はこの町だけは守り抜きたいと思った。
ここを抜かれたら日本の完全な敗北となるだろう。
そんなのは許せない。よりのもよって、この世界に破滅をもたらした国に引導を渡すなど許せない。
由香里によると、このパンデモニックは中国製のウイルスによって、もたらされた物だという。
そして、彼らはその混乱に乗じて日本に侵攻。
自慢のイージス艦もEMPにより、封じられ、その隙に侵攻。
彼らは日本に上陸した。
そして、大阪が占領された。
するとゾンビを見つけた。
しかし、総一郎は殺そうと動かなかった。
あの後、ゾンビの弱点があった。しかし、それも弱点ではなかったと分かった。
奴等は体を粉々にしないと腕一本でも動き続けるほどの生命力。体の大部分が残っていれば長時間で再生する再生力があるのが実験によって分かった。
まとめて、やるには空爆がいいが空域も制覇された。
鳥に感染すると奴らは飛行機に向って、突っこんでくるようになった。それがエンジンなどに詰まって、多くが墜落した。
しかも繁殖を物凄くするので数が一向に減らなかった。
とにかく、何人たりともここを侵略などさせるか。
胸に刻み込んでこの場をさった。
次は街中に向った。
ここでは熊が出没している。東北は元々、結構、多かったと思うが最近は街中に普通といってもいいほど居る。
おかげで肉に困ることはなかった。そんなに食べることはなかったがね。
今日はその熊を取って食おうと思ったのだ。
黒い外車(車の名前は分からない)を乗っていると早速、一匹だけ発見した。
G36に弾を装填する。
様子を見ると目立った外傷もなく、特に変なところはなかった。どうやら、感染はしていないようだ。
どちらにせよ加熱をすれば感染することはない。けど感染した肉を食う気にはなれない。
車を飛ばして、熊を驚かせて、誘導する。ここらへんは行き止まりが幾つかあるのでそこに誘う。
熊が別な方向に逃げそうなので拳銃で行く手を撃つと熊はUターンして総一郎の望む方向へと走る。
さあ、ついに熊を追い込んだ。熊が此方に向って、襲い掛かってきた。
しかし、G36を発射する。反動で銃口が上に上がっていく。
熊は倒れた。
総一郎はハンティングナイフを持って、外へ出た。肉を剥ぎ取る。
流石に車に積むことは出来ないのでもって行くことの出来る量のみ持っていく。
燻製にすれば明日の食料としても使えそうだ。
由香里の自宅に到着した。
既に日は暮れていた。
この家には設備が色々と揃っていた。
中でもシェルターが凄い。スイス製の物でガスの攻撃でも中の空気を循環させることで防ぐことが出来る。
風力発電もついているがコレは強すぎてしまうと電力が強くて危険であり、弱すぎてもまったく電力が得られない。
まともに使えるのは太陽光のみである。
「おかえり、あれ?狩ってきたの?珍しい。」
「まぁ、明日には出かけますしね。」
これが一昨日の話である。
―― 街中 AM8:43 ――
無線では中国軍が居ないか無線で通信を取り合っている。
北海道方面に進出するのにこの道を通ると諜報から聞いたらしい。
「グリーンホン!そっちからは何も見えないか?」
背後から英語で問われる。それに英語で返事をする。
「何も居ませんよ。そもそも、来るのはまだ先、ですよね?」
「それもそうだな。」
彼はそう言うと座り込んだ。
この人は由香里と同じPMCに所属するレオンさんだ。某ゾンビゲーに出てくる元警官のように強いかと思ったので試しにラバーナイフを持たせてみたら強かった。あまりの強さに身震いした。
由香里さんも驚愕の表情を浮かべていた。
すると無線から叫び声が聞こえてきた。
「どうした!?」
レオンが無線を通して叫んだ。
<中国軍だ!くそぅ!数が多い!>
「何だと!場所は!?」
<東地区です。>
「了解、α、β!援護に向え!他はここにも来るかもしれないから防衛しろ!」
この場を任されている司令塔の役割の男が声高々に言った。
総一郎、由香里とレオンはαに所属していたのでイーグルⅣに乗り込んで東地区へと向った。
「今回の戦いは辛いものになるだろう。しかし、私達の活躍で今の日本人は安心して枕で眠れるのよ!」
「おお~」
由香里の言葉に周りの兵士は感心していた。
「・・・また、ゲームですか?」
総一郎はマガジンに弾を込めながら言った。
「ああ・・・ってコラッ!そんなことを言うでない」
「そんなことより、もっと弾装を用意しないと・・・」
「チッ、口答えをするようになってきたな」
由香里は舌打ちをしていった。
東地区に近づくにつれて銃声や爆発音が大きくなってきた。
「随分な待遇だな」
レオンが声を漏らした。
「ついたぞ!降りろ!」
SIG710を持ったオッサンが口を大きく開けて言った。
その場に下りると近くの車に隠れた。全身で感じ取った。ここはやばいと。
すると早速、前方より人影が見えた。此方に向ってAK47を撃ってきている。車に被弾をして穴が開いていく。
先ほどのオッサンが弾幕を張る。周りの兵士も銃を撃った。こっちに銃を撃って走ってきていた奴らはそばの遮蔽物に身を隠したが総一郎のSL-9によって撃ち抜かれた。
「フフフ、全身をしっかり隠さんとなぁ?」
総一郎は呟き、狂笑した。
以前に友人からこの人の死を重く思わない態度を注意されたことがあるがどうやら元々、こんな性質なのだろう。
そのまま、攻撃されている味方の居る地点へと向う。
MP5SDを撃ちながら走っていると横からナイフを構えた男が襲い掛かってきた。
銃でナイフを防ぐが反撃が出来ない。すると由香里が背後からその男の首を掴んでグリンと回した。首が曲がってはイケナイ方向へと曲がり、男は崩れ落ちた。
「はぁ~、アンタは何時まで経っても注意力が足りないわね。」
由香里はため息を吐いた。
「ごめ」
ごめんなさいと言おうとすると今度はRPGが飛んできたので弾から避ける。背後の数メートル、離れた所にあった廃車にぶつかり、爆発した。二人の味方が吹っ飛ばされ宙を舞った。更に足元を銃弾が跳ねた。
総一郎は激昂してSL-9でRPGを構えた男を射抜いた。由香里がライフル兵にSCAR-Hを撃ちこむ。
「走れ!走れ! 吹っ飛ばされたくなかったら走れ!」
SIG710を持ったオッサンが叫ぶ。
総一郎たちは走った。
レオンが曲がり角から出てきた男にナイフを投げダウンさせる。
その動きに感心しながらも総一郎はMP5SDを撃った。
すると今度はライオットシールドを構えた男とその背後から銃を乱射する男が現れた。
レオンがM4にアンダーマウントされたM203グレネードランチャーで消した。
すると味方が偵察用に篭っていた小学校が見えた。
校庭には敵の部隊が展開しており校舎の一部が崩れていた。
一緒に来ていた仲間の一人が撃ち殺された。
総一郎たちは伏せた。どうやら、狙撃をされたようだ。銃声が響く。また、一人やられた。由香里がする。
「グリーンホン、あの建物から撃ってきているようだ。」
「あんたらはアレを潰してきなさい。」
由香里がレオンと総一郎に言った。
「了解。」
レオンが即答した。来いと言うと伏せて隠れたまま、移動を始めたので総一郎は後に続いた。
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